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残り香と紫煙

祝杯の残り香に諦念の煙を纏わせて、一息
全てを煙に巻き、換気扇は呑み込んでいく
はらはらと落ちてゆくような俺と
騒音と昇ってゆく煙と
二つの温度、二つの気配は静かに分たれていく

孤独な祝杯が掬い上げる心がある
孤独な紫煙が立ち昇る心がある
ここにある

静かな歓びが枯れた心を潤し、また乾かして
夜明けの帆のようにパンと張る

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