【エッセイ】傘

　うっかりしてばかりいる。注意力が鈍っているのか、朝、天気予報をろくに確認せずに自宅を出て、午後になって雨が降りはじめると、そこで、あ、やばい忘れた、とようやく気付く。慌ててコンビニに駆け込んで入口に置いてあるビニール傘を買い、会計が済んだ後に店員に袋を取り外してもらったうえで差して帰る、ということが、この時期、頻繁に起きてしまった。大きめのやつを選ぶため上半身と他の荷物も覆ってくれ、濡れる面積を減らしてくれる安心がすごい、が活躍はあくまでも一度きり。以後、使わずに放置されて家の玄関に乱立し、眠ったままさらに溜まっていくので、半分は悲しく処分した。
　最初からそうしろよって思わずツッコみたくなる方がいるかもしれませんが保険として折り畳み式のを取り寄せます。どの程度まで風に耐えるか疑問ですが、鞄にしまっておけて持ち運びやすいし、ゲリラ豪雨に怯える心配は消えるのでないよりは幾分ましでしょう。