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「本音で語る民間事業にかける想い! 」トークセッション②開催報告


八千代エンジニヤリングはまちづくり・道路・河川・環境など、各分野の専門技術者が連携し、総合建設コンサルタント(以下、「建コン」)として、50年以上にわたり官公庁向けの事業をとおして社会に貢献してきました。
これまでの技術力をベースに、社会が抱える様々な課題に対して多様な視点で解決策を見出すべく、数年前から民間事業(BtoB)展開を行っています。今回は当社で民間事業に携わっている技術者がどのような想いで仕事をしているのかトークセッションを開催し、議論を行いました。
トークテーマは「本音で語る民間事業にかける想い!」です。

トークセッション②

モデレーター:田尻(事業開発本部 開発推進部)
 パネリスト:渡辺(事業統括本部 国内事業部 港湾・海洋部
        →技術部署所属、沿岸部における公共・民間事業を担当
       吉田(事業開発本部 第一開発室 水リスクマネジメント課)
        →「水リスクラボ」技術者、民間事業を担当
       山口(事業開発本部 第三開発室 )
        →「MENTENA」技術者、民間事業を担当
       岩﨑(事業開発本部 業務企画部課 営業課)
        →民間事業の営業担当


◆パネリストおよび事業の紹介!

田尻:本日はよろしくお願いいたします。まずはパネリストのみなさまが行っている事業の紹介から始めさせていただきたいと思います。

渡辺:私は入社して26年、一貫して港湾や漁港、海岸といった沿岸部でのコンサルティング業務に携わってきました。普段は行政の仕事をメインに調査~計画~設計~施工管理~維持管理など幅広く行っています。民間業務ではマリーナの設計や水辺空間の整備事業を行っています。最近では再エネ関係で洋上風力や太陽光発電設備の設計ガイドラインの作成などにも携わっています。

吉田:入社時には技術部署である「地質・地盤部」に所属し、構造物の基礎の調査などに携わっていました。3年前に第一開発室に異動してからは「水リスクラボ(現:サステナビリティNavi)」として民間企業様の水リスクの調査・戦略策定やサステナビリティ全般の開発、地方自治体の業務を行っています。
 ★ サステナビリティNaviとは・・・?

山口:入社して16年目となりましたが、入社してからは「情報技術部」に所属しており国交省向けのシステム開発に携わっていました。昨年から第三開発室に異動となり製造企業向けのSaaSビジネスとして「MENTENA」の開発を担当しております。
 ★ MENTENAとは・・・?

岩﨑:当社には1年前に入社し、前職では20年法人営業に携わっていました。入社してからは水リスクとMENTENAの営業担当をしています。

◆当社が行っている民間事業について

田尻:パネリストのみなさまはこれまで公共事業も民間事業もどちらも携わっている方が多いですが、まず「なぜ当社が民間事業を展開しているのか」ということについて本音でお話ししたいと思います。といいますのも、近年は会社の方針として民間事業展開に注力していますが、この点について、どのようにお考えですか?

渡辺:私は他のパネリストと違って民間案件よりも公共事業案件のウェイトが大きく、個人的には会社の方針に後ろ向きで、あんまり民間事業はやらなくて良いのではないかと考えています。本音はそうなのですが、一方で民間事業をやっていると、色々なことにチャレンジできるため仕事として面白いと感じることもあります。港湾・海洋部はマリーナ業界において高い技術力を持っており、全国各地で多くの実績があります。マリーナ業界のなかでマリーナの設計などを得意としている企業はなく、当社がその分野の専門技術を高めることで今の地位を築いてきました。民間事業への展開を目的としたのではなく、洗練した技術を習得した結果、民間事業での受注につながったのではないかと思っています。

吉田:技術があれば民間事業でも公共事業でも通用するということですよね。私もコアコンピタンスを大事に育てたいと思っています。私が入社した13年前、八千代エンジニヤリングは建コン業界で上位に位置しており、先輩方が会社をそれだけの大きさにしてくださったおかげで建コン業界のなかでは土台ができている状態でした。しかし一般的な民間企業のなかで当社は無名であり、技術力があれば売れるということにはつながらず、苦労しています。民間事業をやってみて、お客様との距離が近く、私たちの技術を大事に、重宝してくれるというところにやりがいを感じています。また新しいことにチャレンジし、達成した時の満足感を楽しんで仕事をしています。

田尻:公共事業をやっていた時と比べて、よりワクワク感があるということですか?

吉田:そうですね。民間事業では「水リスクラボ」にしかできない仕事をできているように感じています。

山口:MENTENAは当社が従来からやっているコンサルティングや技術提案の業務とは違い、「製品・サービス」を販売する事業です。また事業領域も「建設業」とは異なる「製造業」という新規の領域に向けたものとなっています。建設業の市場ではなく新しい「製造業」という市場に踏み出すことは会社としてのリスクヘッジになっているのではないかと思います。名前を知られていない業界でMENTENAを展開することに今は苦労していますが、この市場でも成功すれば、会社を良い方向につなげられると思い、頑張っています。

◆公共事業と民間事業との違い

田尻:なぜ民間事業を展開しているのかいうお考えをお話し頂きましたが、公共事業と民間事業との違いはどんなことがあるのか伺いたいと思います。

渡辺:たとえば水辺整備においては公共事業でも民間事業でもどちらでもやられています。公共事業は縦割りで役割分担がはっきりと決まっており、計画・調査・設計・施工管理・運営・維持管理の一部を受注して執行するのに対し、民間事業では計画~維持管理まで一貫して受注する場合もあるので、要求される幅が広いという面で大きな違いがあると思います。私たちが対象としている水辺というのは公共の水域や陸域ですので法律上クリアしなければならない課題や申請手続きもあり、公共事業では必要のない手続きなども必要となる場合があります。民間事業ではより広い知識と情報と世の中のトレンドを拾っていく力が必要ではないかと思います。また民間事業は公共事業と比べて世の中のニーズにいち早く対応するという面で、事業がスタートして完成するまでのスピードが早いのも大きな違いだと思います。

山口:渡辺さんに質問したいのですが、渡辺さんは今やられている公共事業の延長線で民間事業も受注されているとのことですが、公共事業では賄いきれていない領域も新しく勉強してやらなければならないのではないかと思うのですが、どうされていますか?

渡辺:もちろん慣れていない分野も担当しなければならないため、苦労もあります。ですが普段、公共である役所の方と一緒に仕事をしていることが建コンだからこその強みであり、法律のベースを知っていることは有利な部分だと思います。

吉田:私が感じている公共事業と民間事業の違いは世の中のトレンドをお客様よりもいち早く理解して対策を検討する必要がある部分だと思います。たとえばESG※のなかでも水リスクやサステナビリティなど、グローバル全体で批判が発生→新しいものができるといった流れのスピードが早く、私たちは常に最前線にいなければならないと感じています。かつ、コンサル業務なので、私たちが営業も提案もしなければならないため、情報をいかに早く手に入れるかが重要だと思います。
※ESG:持続可能な世界の実現のために、企業の長期的成長に重要な環境(E)・社会(S)・カバナンス(G)の3つの観点のこと。

山口:公共事業だと資格要件があり新規参入が難しいという印象がありますが、民間事業だと競合他社は多いですが、新規参入はしやすい気がします。MENTENAの対象としている「製造業」では既存の顧客ゼロ・知名度ゼロからのスタートでしたが、この1年だけでも700社以上の企業様とお打合せができたというのは市場が開かれているということではないかと感じました。新規参入だけどアプローチの余地があるということが違いだと思います。もちろん競合他社も多いので、技術力以外にも営業力やマーケティング力なども必要ですが。

田尻:営業を担当されている岩﨑さんが民間事業の営業で苦労されていることなど、何かありますか?

岩﨑:営業していくなかで、当社の民間事業は先方からの評価もよく、良い技術を売っているという実感はあります。ですがBtoBの営業をしていると技術力だけでなく、再現性の高い営業スタイルを確立していかないと成長曲線に乗せるのが難しいと感じます。

◆民間事業にかける熱い想い!

田尻:営業の面でも公共事業と民間事業で苦労するポイントが違いますよね。逆に民間事業でのやりがいや魅力はどんなことがありますか?

渡辺:最近の業務ですと民間案件である水辺空間の整備事業において、計画の段階から携わり、先方と何度もディスカッションする機会を頂きました。そのなかで公共事業だと実現することが難しいが私たちがベストだと考える、よりチャレンジした提案をすることができました。また、本事業はメディアにも多く取り上げられ、私たちが携わった施設が利用されている様子を拝見することができ、嬉しかったです。

吉田:私たちはサステナビリティのコンサルティングに注力しており、民間企業をターゲットとしているのですが、サステナビリティというのはその企業や工場が単独で何かをして改善されるものではなく、その周辺環境の課題など企業と地域が一緒に解決する必要があります。八千代エンジニヤリングの社員は社会課題を解決したいという想いをもって入社していると思います。私たち水リスクラボは民間企業の支援を行っていますが、公共事業とアプローチが違うだけで社会課題の解決を目的としていることは同じだと思います。この想いがやりがいであり、私たちがコンサルティングすることで企業や消費者、地域の方が喜んでくれることを望んで取り組んでいます。

岩﨑:私たちが提供しているサービスは技術力が高いと自信を持っています。お客様に感謝して頂く、というのは常に心がけていますし、評価をされるなかでやりがいを感じています。営業部でもチームの体制を強化し、技術担当ともうまく連携して取り組めているのではないかと思っています。まだ足りていない部分もあるかもしれませんが、途中段階としては成功していると感じており、今後より伸ばしていきたいと思っています。

山口:これまで行ってきた公共事業は「縁の下の力持ち」というイメージですが、MENTENAも製造業のインフラ管理者をターゲットとしておりこちらもまた「縁の下の力持ち」として製造業全体を盛り上げていきたいという想いで事業を行っています。事業がスタートし0→1のフェーズを超え、今は1→10にする、結果が成果となるやりがいのある段階にいます。また、MENTENAはSaaSであり、サービス自体を成長し続けられる事業でもあるので、そこにやりがいや楽しさを感じながら、これから先も取り組んでいきたいと思っています。

田尻:色々なお話しをありがとうございました。これから先も一緒に頑張っていきましょう!

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