オリンピックは中止すべきだった(21)

 8月10日の読売新聞(西部版・14版)。コロナ感染の続報。
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 東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は9日、新たに大会関係者28人が新型コロナウイルス検査で陽性と判定されたと発表した。組織委が7月1日に公表を始めてから大会関係者の陽性者は計458人となった。
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 458人、で集計(発表)を終えるのだろうか。それが気懸かりである。
 というのも。
 引き続き行われるパラリンピックでは、こう書いてある。
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 東京パラリンピックに出場するため8日夜に来日したガーナ選手団10人のうち男性スタッフ1人が、成田空港での新型コロナウイルス検査で陽性と判明した。男性は、検疫所が指定した施設で療養している。ホストタウンとして選手団を受け入れる福島県猪苗代町が9日、発表した。
 選手ら残る9人は9日、バスで空港から町内のホテルに移動した。県会津保健福祉事務所は9人をホテル内に隔離し、今後PCR検査を実施する。選手団は22日まで事前合宿を町内で行い、24日に開幕するパラリンピックに出場する予定だ。
 浜松市で事前合宿中のブラジル選手団のスタッフ1人も、来日した6日に成田空港で新型コロナ感染が確認された。市は9日、選手団約120人のうち52人を濃厚接触者と特定し、宿泊施設で待機させている。
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 五輪選手団の、最初の頃の陽性者判明報道と同様に、ていねいに「濃厚接触者」のことまで書いてある。五輪選手団については、途中から濃厚接触者情報が消えた。きょうの新聞にも、濃厚接触者の累計はどこにも書いていない。
 ところで、オリンピック、パラリンピックは別のものであるが「一体」のものでもある。コロナ感染者も「一体」のものである。ウィルスはオリンピック、パラリンピックを気にしないし、選手団、関係者、観客、その周辺の人々をも区別しない。
 だから最初に引用した記事の「組織委が7月1日に公表を始めてから大会関係者の陽性者は計458人となった」で分析を終わらせてはいけない。パラリンピックに関する発表が「組織委」ではなく、猪苗代町、浜松市であることにも、私は大きな疑問を感じている。なぜ「組織委」ではないのか。「組織委」はパラリンピックを無視しているのか。切り離そうとしているのか。
 読売新聞は1面で、オリンピックの「検証」をはじめているが、その「検証」では、オリンピック→パラリンピックとつづいていくコロナ感染は書かれたとしても、切断された断片情報になるだろう。選手それぞれの活躍は個別だが、コロナウィルスの活動は「デルタ株」「ラムダ株」、さらに「東京株」と代わって言ったとしても個別ではない。そのことを忘れてはいけない。

 だから。

 管が五輪とは関係がないと主張している国内の感染状況も見てみる。
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 国内の新型コロナウイルス感染者は9日、46都道府県と空港検疫で新たに1万2073人確認された。1万人以上は7日連続。死者は12人、重症者は前日より52人増の1190人だった。
 東京都の新規感染者は2884人で、約7割が30歳代以下の若年層だった。1日の感染者が3000人を下回るのは今月2日以来1週間ぶりとなったが、月曜としては過去最多。
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 東京は、一見、減っているようにもみえるが「月曜日としては過去最多」。減っていない。東京以外の状況を見ると、神奈川2166人、埼玉1160人、千葉952人、大坂995人。マラソンのあった北海道310人。このあと北海道の感染者が減るなら、五輪は感染と無関係といえるだろうが、今後増えるなら、絶対に関係があることになる。この「310人」は「基準点」として記憶しておく必要がある。
 大阪995人に関しては、web 版に載っている。
(https://www.yomiuri.co.jp/national/20210810-OYT1T50037/ )
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9日の府内の新規感染者は995人。9日までの直近1週間の累計は7980人で、人口10万人あたりでは90人と「第4波」のピークと並んだ。前週からの増加比は1・4倍で、「どこまで増えるか、天井が見えない」(府幹部)状況だ。
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 大騒ぎした「第4波」は「第5波」の「予告」のようなものだったのかもしれない。
 前にも書いたが、コロナウィルスの感染が(陽性が)表面化するのは、1-2週間後であることが多いようだ。東京オリンピックは「終わった」のではなく、東京オリンピックを要因とする感染は「はじまった」ばかりであり、それはパラリンピックへとつづいていく。パラリンピック開幕まで2週間あるが、その間に感染者がゼロに向かって激減するのではなく、まだまだ拡大するのだ。それはパラリンピックへ向けて入国した選手団のなかから陽性者が出たことからもわかる。感染者が「減る」要素はどこにもない。
 何度でも書く。
 東京リオンピックは中止すべきだった。パラリンピックも中止すべきである。私の気持ちとしては、オリンピックは中止してもパラリンピックはやってもらいたいという思いはあるが、コロナ感染のことを思うと中止すべきだと思う。
 あちこちで、管はパラリンピックは中止することを前提にオリンピック開催を強行したと書かれている。これはあきらかな商業主義と差別である。そんな差別を許すわけにはいかない。だからこそ、オリンピックが終わったあとでも、私は「東京オリンピックは中止すべきだった」と言い続ける。差別を許さないために。パラリンピックを中止するなら、オリンピックは中止すべきだったのだ。パラリンピックの「安心安全」が保障できないなら、オリンピックは中止すべきだったのだ。


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