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二度目の青春!解散〜再結成に震え泣いた、私の2大バンド。

バンドブーム。1980年代後半から1990年代前半にかけ、それまでアイドル一色だったヒットチャートに、ロックバンドが名を連ねるようになった、社会現象と言える一大ブームである。

当時、一体どれだけの人間がギターを持ち始めたのか。呼応するように音楽を取り巻く環境の変化も大きく、レコード・カセットテープからMDやCDなど、媒体の変化も激しかった。スナックで歌う「大人の娯楽」というイメージだったカラオケが、カラオケボックスの出現で中高生が遊びに行く場所にもなっていった。
10代という多感な時期に、あらゆるバンドの音楽に触れることのできた、私にとってかけがえのない時間だ。

そこへ降ってきた「解散」という衝撃。
まさに、絶望。そして、悲痛。淋しい。ツライ。助けて。
これから、何を糧に頑張ればいいのか…。
傷を癒すためかえぐるためか、友達と女2人でわざわざクリスマスに、バンドの聖地へ旅行に行ったこともある。

しかし!!長い休止期間を経て、「復活」という選択をしたバンドも実在!
そんな、「二度、ファンを泣かせたバンド」の中から、大好きな2組を紹介しよう。


UNICORN/ユニコーン

【1987年 デビュー】
Vo.奥田民生、Gt.手島いさむ、Ba.堀内一史、Dr.川西幸一、Key.阿部義晴からなるバンド。
1987年のメジャーデビューから、6年という短い活動期間で終止符を打った彼らだが、全員が作詞・作曲・ボーカルもこなし、ユーモアあるMVやタレントとのコラボなど、多くの話題をもたらしてくれた。

本人たちも自虐的に「ライブはいっぱいなのに、CDは売れないんだよ」という趣旨のコメントを、ライブで語った記憶があるように、とにかくチケットが取れないバンドだった。
当時は、ダフ屋も普通にウロウロしていて、声をかけられるのが怖かった。

【1993年 解散】
一足先にDr.川西幸一が脱退。そして、ラジオにて解散を発表した。

解散前最後のSingleは、『すばらしい日々』。
タイトルに反して別れを連想させるその曲は、解散までファンに念押しをするように繰り返し披露された。

解散発表前のツアーファイナルが、彼らのラストステージとなったが、その時のラストも『すばらしい日々』。最後は、メンバー全員でラジオ出演。そこで演奏したのも、『すばらしい日々』だった。
そのためか、今でもこの曲を聴くとなんとなくざわつく感じがして、気持ちが沈んでしまう。まるであの頃の自分の感情が、体のどこかに残っているようだ。

そのラジオの放送後、外には大勢のファンが集まっていて、それこそ80年代のアイドルさながらの騒動だった。
「今までありがとーーーーー!!!」
と車の中にいるメンバーへ向けて叫ぶあの中にいたかった…!大学生になれば、どこでも遠征できると思っていたのに…

ちなみに、マキシマム ザ ホルモンのナヲもその中にいて、「せーのっ!」と言っているらしい。うらやましい!

解散後は、ソロやバンドなど形態は異なるものの、メンバー全員が音楽活動を継続。
Vo.奥田はPUFFY、Key.阿部は氣志團のプロデュースでも成功を納め、そのスキルとセンスを十分に発揮している。

【2009年 再始動】
スタッフとも仲の良かった彼ららしく、あるスタッフの結婚式で再会したことをきっかけに、Key.阿部からの「今作り出される音に興味がある」との想いに賛同し、2009年元日に“再始動”!

再始動後、初のSingle 『WAO』

発表を知った時私は子育て真っ最中だったが、再始動後初のツアーは、さいたま、仙台2DAYS、東京の武道館と4公演参戦。
なぜなら、またすぐに辞めてしまうのではないかと、怯えていたからだ。きっと、解散がトラウマになっていたのだろう。

復活後初めて参戦したのは、2009年5月2日のさいたまスーパーアリーナ。
実はその日は、ザ・キング・オブ・ロックと呼ばれたRC SUCCESSION・忌野清志郎が旅立った日でもあった。
開演前の会場には忌野清志郎の歌声が流れ、会場のあちこちから聴こえる歌声や、かけ声。彼を送り出す人々の熱で、会場の温度が上がっていくのが感じ取れた。なんだかその空間にいられたことが、嬉しかった。

ステージにあかりが灯ると、真っ赤な幕に映し出されるメンバーのシルエット。だいぶ焦らされたが、16年振りに5人揃ってステージに立っている、それだけで涙が溢れた。

2011年には、イベント『Golden Circle』にて、JUN SKY WALKER(S)との共演も実現。まさに、バンドブームを牽引していた2組の共演。

JUN SKY WALKER(S) も1988年にメジャーデビューを果たし、『歩いていこう』『白いクリスマス』『START』などのヒット曲を世に送り出していますが、1997年デビュー10周年を待たずに解散。
2007年、Dr.小林の呼びかけで、ライブハウスの周年イベントのために再結成しましたが、初めは期間限定のつもりだったと言う。

実際『Golden Circle』に参戦した私も、現地で泣いた。
しかも、憧れの武道館で彼らが集う姿が見れるなんて…!過去に戻る術があるのなら、解散に泣き暮れている仙台の高校生だった自分に、「大丈夫、また会えるから!」って教えてあげたい。

公式:https://www.unicorn.jp/index.html
https://www.unicorn.jp/special/100th/?top


PRINCESS PRINCESS/プリンセス プリンセス

【1986年 デビュー】
Vo.岸谷(旧姓:奥居)香、Gt.中山加奈子、Ba.渡辺敦子、Dr.富田京子(きょんちゃん)、Key.今野登茂子からなるバンド。
1986年にPRINCESS PRINCESSとしてデビュー。ガールズバンドの中で、唯一無二ともいえる人気と実力、知名度を誇るバンドだ。
1,400人あまりの応募者の中から選ばれた5人。結成当初は赤坂小町(あかさかこまち、その後JULIAN MAMA(ジュリアン・ママ)というバンド名でも活動している。

当時、彼女たちに憧れた女の子が、どれだけいただろう。
私の周りにも、楽器を持ち、曲をつくりはじめた子もいた。

初のガールズバンドとして日本武道館公演を行い、7th Single『Diamonds』ではミリオンセラーも達成。そのカップリングだった『M』も、彼女たちの代表曲のひとつだ。Dr.のきょんちゃんの実体験をもとに、「コンビニに入ったときに流れてきたらグッとくる曲にしよう」という目標のもと書かれたもの。いつまで経っても色あせないその曲は、見事にその役目を果たしている。私も、いまだにカラオケで歌ってしまうから、娘も覚えてしまったそうだ。

しかし、その人気ぶりから、今後の活躍も期待されていたにもかかわらず、方向性の違いなどから解散へと舵が切られていく。話し合いを続ける中、メンバーの関係性が壊れることを危惧し、「友達のままで」解散することを決意する。

【1996年 解散】
解散前には、メンバーの強い希望で全県ツアーを敢行。スタッフなどから反対意見が出る中、信念は曲げず「全国のみんなに挨拶に行ってから」の、ファン想いの彼女たちらしい締めくくりだった。

【2012年 再結成】
2011年、東日本大震災が日本を襲った。その翌年、PRINCESS PRINCESSは東日本大震災の復興支援を目的に、1年間限定での再結成を発表する。
解散後は、表舞台に立つだけでなく、楽曲提供や後進の育成に携わるなど、メンバーそれぞれが様々なカタチで音楽に触れてきた。
それでも体力の衰えは否めず、復活に向け練習にも熱心に取り組む姿を目にし、その姿だけでも感動を覚えた。

そんな、彼女たちの努力と想いで得られた収益金の総額は、なんと約5億1,000万円。
東北各地の自治体や教育機関に寄付をするだけでなく、宮城県仙台市にライブハウスを設立。音楽に携わる彼女たちだからこそできる、支援のカタチだった。

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再結成をしめくくる最後のパフォーマンスは、震災からちょうど5年目の3月11日、「チームスマイル・仙台PIT」でのこけら落とし公演だった。まさに有終の美。
私はチケットは取れなかったが、公演の映像を観て一曲目の『19 GROWING UP』で号泣した。

あれから6年、今では私も娘も、何度も足を運ばせてもらっている仙台PIT。緩やかな傾斜のついた会場は、スタンディングでも観やすく、心地の良い会場だ。

素敵な時間と感動と、音楽に触れる場所をありがとう!!!

公式:https://www.princess2.net
仙台PIT:https://sendai-pit.team-smile.org
収益金報告:https://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/Princess/houkoku/


二度目の青春のはじまり

PRINCESS PRINCESSは1年限定の「再結成」で走り抜け、「再始動」のUNICORNは「もう解散はない」という。
カタチは違えども、彼らと青春時代を過ごしてきた私たちファンにとっては、時間の流れも、自分の老いも忘れ、まさに汗と涙を流して彼らと過ごせた時間が、何ものにも変えがたい。

私にとって、二度目の青春がはじまったあの日。
今では、はしゃぐ母の姿を見て、子どもたちは呆れた表情を見せながらも、ちょっと嬉しそう。(願望か?)好きなものに夢中になって、しゃかりきにはしゃぐ姿を見せることは、決して悪いことではないはず!!

他にもたくさんのバンドの楽曲とともに、青春を過ごしてきた。
THE BLUE HEARTS、爆風スランプ、THE BOOM、REBECCA、すかんちも大好きだった。
THE BOOMのラストツアーにも参戦したが、高校時代からいっしょに聴いてきた友人と、会場で抱き合って泣いた…。


ファンにとってバンドの「解散」は、ただただツライ。ただし、その喪失感が大きいほど「再結成」・「再始動」の破壊力は凄まじい。高校生だった解散前はグッズを買うのも悩んでいたが、いい大人になった今は財布のヒモもゆるゆるだ。

彼らを追い続けてきた私は、彼らの音楽に出会い、そしてファンとなってくれた、当時中学生だった自分をいつも褒めたい、そう思っている。
当時の日記には「ライブのせいにされないように、勉強しよう」などと殊勝なことを書く、まだ真っ直ぐだった私。

「もう解散はない」と明言しているUNICORNだが、メンバーも順番に還暦を迎える歳となり、ファンである私たちも不安はあるが、お互い励まし合って元気にはしゃぎ続けたいものである。

絶賛ツアー中のUNICORN。"ドライブしようよ"スピンオフツアー EBI & UNICORN "狙ったエモノは逃さねぇ"。仙台は明日!


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