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カードゲーム×バランスゲーム『ゆらゆらペンギン』~プレイ中ずっと面白いやつ作って」という息子のリクエストから生まれたゲーム

こんにちは、ヤブウチリョウコです。ボードゲームを作っています。

先日、「ゆらゆらペンギン」というカードゲーム×バランスゲームの新しいバージョンを発売しました!Amazonや、お取り扱いいただいている店舗で発売中です!

せっかくなので、ゆらゆらペンギンを作ったきっかけや思いを書いておこうと思います。

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自己紹介。はじめまして、ヤブウチリョウコです。

そもそもお前は誰だ、という方も多いかと思いますので自己紹介から。
ヤブウチリョウコと申します。

「えっボードゲームって自作できるの?!しかもそんな製品クオリティで?!それは超楽しそうでは?」と突然ボードゲームを作りはじめ、2019年秋のゲームマーケットに『ゆらゆらペンギン』と『ハッピーバースデーケーキ』の2作を初出展しました。2020年には『推しの尊さを語る君と知ったかぶりの私へ #推し語り』をリリース。2人の子供の母です。


ゆらゆらペンギンは、実は息子のリクエスト「(プレイ中)ずっと楽しいやつ作って」に応えるべく考えたゲームです。

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実際のツイート

これはリクエストに応えねばなるまい、と、PCのボードゲームネタ置き場にそっとフォルダを増やしました。

フォルダ名は「大人も子供もプレイ中ずっと楽しいゲーム」今でもこれです。


※関係ないですが、ゲームの目的を見えるところに置いておくという意味で、フォルダ名にするのは結構良いな!と思っています。

↓初版のゆらゆらペンギン。初版のペンギンは黒の厚紙、ポーチ入りです。

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子供も大人も『プレイ中ずっと楽しい』ゲームって何だろう?

ずっと楽しい、ということは、常に全員参加できるようなもの。同時参加か、ほかの人がプレイしている間も面白いもの。
あまり知らなかったボードゲームのメカニクスといわれるものも調べたりして、子供も大人も楽しくプレイするためには、アクション要素があるものとか、パターン認識かな、などと案を出していきました。
アイデアの選定基準は、「売ってたら私が(息子と遊ぶために)買うもの」です。

はじめは、バランスゲームはアイデアの1つでしかなかったのですが、この「私が(子供とやるために)買うもの」という基準で選んでいくと、子供の好きなUNO(でも2人でやってもあんまり面白くない←個人的な感想です)とか、ジェンガとかアリだなー、その方向で考えてみようかな、と思ったのです。

でもそれってキャプテンリノでは……ウチにもあるしキャプテンリノ ……と思ったのですが、キャプテンリノ 、子供と2人でやっても、我が家では、そこまで盛り上がらなくて。(※個人の感想です!)
何でだろう?と考えてみました。
いくつかあるんですが、多分まず、子供相手なのでどうしても手加減してしまって私が楽しめてない。(あ、あくまでも我が家では!そして個人的には!という話なので、キャプテンリノすごいな、素晴らしいな、とは思ってます!もちろん!!そして、ただ積んでいくだけでも面白いので下の娘は積んで遊んでいましたが…)

子供への攻撃になるような効果のカードを出せなくて、ダラダラと積み続け、かなり積んだところで崩れて私が負けるという、接待プレイになってしまい。
でも、UNOやってる時はそこまで接待感はない。なぜなら、もうこれしか出せないから、という理由でWildなどの強いカードも出すから。

なので、もしかして、UNOの「もう今はこれしか出せない」という状況が生まれるような、色や数字にあたるものがあれば良いのでは?と考えました。そしてそんなことを考えている時、目の前には、ハッピーバースデーケーキも作っていたので、ケーキ用の丸カード試作品がたくさんあったんですよね……ボツにしたカードがたくさん。

モノを作りながら試作を重ねます

とりあえず目の前にある丸カードを折ってみたりして、これ積めないかなぁ?と試してみたりして。
半円形に折ったカードを足場にしてみたり、今思うとカオスなものを試していました(笑)

で、これは息子リクエストに応えるべく作るので、息子の好きなモチーフにしたいなーと思い。
先に作っていたハッピーバースデーケーキの用途が、主に私の友達との誕生日会、だったので。ここはひとつ水族館好きの息子の好きな……ペンギン🐧なんていいよねーかわいいよねーなどと思いつつ。

そしてまた、丸を2つに折ったら半円のペンギンに見える、などの謎なカードを作ったりしてみつつつ。

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カオスみのある落書きを発見。なんだこれ。一瞬ペンギンを半分にできないかな?と血迷った時のものですね。なんだこれ。

そしてそのころ、100均に行ったら、とても氷っぽいものが売ってたんですよね。ちょうど夏前で。
それが現在のロックアイスになるのですが、あ、これ積めば良いのでは、氷だし、かわいいし、ペンギンにピッタリ!

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かわいいし、氷っぽいし、ペンギンの世界観にもぴったり!

……いやまて、これを積むなら何か平べったいものに積むしかないのでは?え?平べったいものって何だろう?…と考えていきました。

この丸カードに積んでみる…とすると、このカードの上に氷が積まれるということはこの丸カードはペンギン🐧ではなく氷山では?(これで先ほどの謎の丸ペンギンが没になりました、良かった)
あ、そうかペンギンの住む氷山を作っていけば良いのでは?と思いつきます。


が、……氷山ってなんでしょうか??

氷山…っぽいカード…かな?と、はじめに作ってみた氷山カードは、その上に丸カードを乗せたら秒で潰れました(笑)

丸カードを上に乗せられる、紙製カードの形とは……?と調べて。
一瞬紙コップ、いや透明なプラスチックのカップの小さいやつとかどうよ?と試してみたり(おかげで私の部屋には妙にたくさん小さい透明プラカップがある……)

で、プラカップ、丸カード、プラカップ、丸カード、と積んでは、ロックアイスを横に置いてみたりして、一応積んでいくことはできて、ある程度積むとバランスを崩して壊れるという感じはわかりました。
でも………プラカップ……氷山に見えない…………………………私これ……買わない…………_(:3 」∠)_かわいくない…

そんな時、私がせっせとサークルカッターで丸を切ったりしているのを見た夫が「カッティングマシンというものがある」と言いだしまして。

調べたら、えっなにこの楽しそうなツール!そしてこれなら氷山切れるし他の変な形も綺麗に切れるよね!!(他のゲームのネタも考えていたので…)と。買っちゃった!テヘ!

そして我が家にやってきたカッティングマシンで、氷山を切ってみました。
はじめは再び秒で潰れたんですけども(笑)2回目で、プラカップのサイズで、プラカップのように円形に支えればいけるのでは?と思いつき。
いや円形をつくるすべがないので(付録のおもちゃみたいに組み立てるのは耐久性や片付けづらいので避けたい)、いっそ四角形の、1辺の無いコの字形でいけるのでは?形は山っぽく!と作ったものが、ほぼ現在の氷山の形です。

コの字形にしたことで、四角形の1辺があくので、すごく良い感じでカードが不安定になり。
頑張って綺麗に氷山を整えつつ積むと高くまで積めて、途中でテキトーな曲げ具合だったり位置だったりに置くとかなりゆれるようになりました。
……こ!れ!だ!と1人で夜中喜びました!見ている人がいたら怖い光景だっただろうな!

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↑当時の試作品

ルール・仕様の調整をします

で、だいたい崩さずに積める上限が決まったので、それに合わせて、たまに崩れて終わり、たまに普通に手札を出し切れて上がれるようなバランスを目指してカード内容を調整し。
あと、別に毎回氷山積まなくても良いよね、よし氷山はマーク扱いにしよう、じゃあロックアイスもマークだな、あとはペンギンも、などとマークを決め。

前の人が出したマークに書かれている指示をこなしてから、手札から同じマークか、同じ色のカードを出せる、というルールにしました。

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基本カラーは3色。赤青黄色も一度試してみましたが、世界観的にも見た目も気持ち悪かったので、青、水色、白の3色にしました。

あとは色変えられるカードも欲しいよね、バランスはこう、あっペンギンも紙で作れるのでは?🐧などなど、たびたび息子にもテストプレイしてもらいながら、形になってきたら他の人にもやってもらい、調整!修正!の結果、ゆらゆらペンギンになりました。


カードの氷の面に、キラキラの加工を入れたところ、『滑る』という効果が追加され、カードを積む時により慎重に乗せなければならなくなりました。とても氷らしい効果が出て良かったです。

そして、ギリギリのタイミングで説明書を作っていたため、校正が間に合わず、Twitterで公開して、初見でも意味がわかるか見てもらったりしました。
ご協力くださった皆様、ありがとうございます!

決めていたのに書いていなかった、海のカードが無くなったら全員の勝ち、というルールを書いたことで、みんなで力を合わせて海のカードをなくす協力ゲームとして遊んでもらえるようにもなりました。
その他にも、シチュエーションごとの対応など沢山の記載漏れを見つけていただけてとても助かりました。

そして…完成!

で、ここまできてやっとはじめに戻りますが。

ゆらゆらペンギン🐧は、大人も子供もプレイ中ずっと楽しいゲーム、を目指しました。

どう楽しいかというと、
「大人も」……子供相手でも、手加減しなくても普通に勝ったり負けたりします。
なぜなら手札の中から出せるカードを出すしか無いので、手加減しにくい。
かつ、高く積むと明らかに今にも崩れそうなくらい揺らめくので、手加減するまでもなく負けることもあります。

「子供も」……まず、バランスをとって氷山やロックアイス、ペンギンを積むことが楽しい。そして、いつ崩れるの?という感じで氷山の行く末を見守るので、自分の番ではハラハラ、他の人の番ではワクワクしてずっと楽しめます。

息子のリクエストに応えて作ったゲームですが、子供とだけでなく、大人同士で遊んでもとても盛り上がります。

初版のポーチの残数が心もとなくなってきた去年、2020年の6月にはキックスターターというクラウドファンディング(海外がメイン)に初めてチャレンジしてみました。その様子は、まとめようと思ってプロジェクトを開始したら忙しくなり全く仕上がっていませんが…!

ありがたいことに、目標の2276%を達成し、891人から支援をいただくことが出来ました。そのリワード(報酬)も一旦可能な限り発送が終わったので、日本での一般発売を開始しました。

新しいバージョンでは、キラキラ加工の箱に入れて、ペンギンは木駒になりました。

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ペンギンが木駒になりました!南極にいる、皇帝ペンギン&ヒナ、アデリーペンギン、マカロニペンギンの4種類です。

遊び方まんがも描いたので、のせておきます!

ゆらゆらペンギンの遊び方まんが1

ゆらゆらペンギンの遊び方まんが2

ゆらゆらペンギンの遊び方まんが3

ゆらゆらペンギンの遊び方まんが4

というわけで、ゆらゆらペンギンができるまでの記録でした!

ここまで読んでいただいてありがとうございます。

ゆらゆらペンギン、ぜひ遊んでみてください~!


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