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ダメ男こぼれ ♯38 ~未来のビデオカメラ~

さて、いよいよ今回で<やぶにらこぼれ>水曜版は最終回です。残すは10月16日更新の土曜版のみとなりました。
ま、最後だからって手を抜くことなくしっかりと書いていきます。

エントリタイトルをざっくりと「未来のビデオカメラ」としたのですが、その前に「ぼくがかんがえたさいきょうの未来の<カメラ>(≠ビデオカメラ)」について書いていきます。
土曜版でも何度か書いた通り、アタシの本職はグラフィックデザインです。ま、そうは言っても「これ、デザインじゃなくて、ただのDTPオペレーションじゃん」なんてこともやらなきゃいけないのですが、アタシが何より嫌いというか面倒くさくてかなわないと思っているのが「写真の切り抜き作業」なんですよ。

今のカメラって対象物への距離を測定して、デジタル処理でボケ味を作り出していますが、あれさ、リアルタイムで強制的に処理するんじゃなくてレイヤーにしてくれたらいいのにってずっと思ってるんです。
これだと後から、背景だけ、人物だけを、ただたんにボケさせるのではなく、いろいろとエフェクトがかけられる。何よりいちいち切り抜きなんかしなくて良くなる。
えと、ちょっと作例を。おい、ぽんぽこ!

悪いがサンプルになってもらうよ。パシャ!

こんなふうにタヌキ、もとい猫を撮るとしますわな。でも猫なんか基本部屋にいるわけで、でも当たり前だけど部屋には生活臭が溢れてる。そーゆーのは隠したい。で、実際隠すとなるとパスを取って、猫を切り抜いて背景をボカすしかないわけです。

これが何気に面倒くさい。いやまだアタシならフォトショでもなんでも使えるから「面倒」だけど「出来るっちゃ出来る」のですが、DTPなんかやったことがない人ならキレイに切り抜くのはほとんど絶望的です。

これは何も静止画に限った話じゃない。
未来のビデオカメラ、と考えた時に、解像度や色再現性、fpsといった目先のスペックだけじゃなしに「編集のしやすさ」や「エフェクトのかけやすさ」がポイントになると思う。
クロマキー合成ってのは昔からある合成技術ですが、ま、あの、ブルーバック、今はグリーンバックが多いけど、とにかく単色の背景を置くことで合成が容易になる、というアレです。

ああいうのもね、レイヤーのあるビデオ形式があれば単色背景にこだわる必要がなくなる。それこそゲーム実況なんかでも簡単にゲーム画面にプレイヤーを合成することが出来るわけで。
↓は静止画の場合のレイヤー構造だけど、これを映像でも出来たらっつーか、最初からレイヤーに分かれた状態で撮影出来ればどれだけラクでいろいろ出来るかって話です。

街撮りなんかでも、昨今は肖像権とかうるさい時代なので自撮り映像はそのまま、背景(つまり街)はうっすらボカしてやることが出来るようになる。いや何だったら自分以外の人物だけに自動でボカしをかけるとかも出来るかもしれない。

さらに言えばAppleが力を入れているLiDARスキャンを使ったらもっとすごいことが出来ると思う。
これだって後で編集するって前提ならさらに精度が上げられると思うし、マトリックスみたいなことも可能でしょう。

正直ね、解像度やfpsはいずれ頭打ちになると思うんですよ。んなもん、じゃあ8Kの映像が本当に必要な人がどれだけいるかとなると、これから先も「特殊な環境で見る場合」を除いて今後もほとんどいないと言い切れる。
でもさ、より凝った映像表現は、どんどんニーズが高くなるはずで、そうなると現今のh264にしろ265にしろ、平面として処理する形式では限界があるし素人では加工に限界がある。

んでこれは音声にも言えることなんだけど、これからは<分離>がキーワードになる気がする。対象物への距離で映像をレイヤー毎に<分離>したり、音声も「どの方向、どれくらいの距離から発せられたものなのか」を<分離>出来たら風切り音対策ももっとやりやすくなると思うんです。
もちろん手ブレ補正のさらなる高精度化や、一部のアクションカムに採用されつつある水平保持の進化も続くと思うけど、ではその<次>はと言うと、アタシは<分離>だと思うわけで。

ありがとう、ぽんぽこ。ま、水曜版の最終回だけでも出られて良かったじゃないか。
てな感じで終わります。この水曜版は多少でもデジタル絡みのことに特化した、18年前にやってた「デジタルガジェットノウワゴト」のリバイバルめいた感じでやってきたのですが、如何でしたでしょうか。

さあ、泣いても笑っても、残すは土曜版の一回のみ。次の土曜版が<やぶにらこぼれ>の最終回になります。
てなわけで、驚愕の最終回を見逃すな!おしまい