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PPP的関心2023#01【コミュニティ(小規模地域)の運営におけるビジョンと執行を考える】

2023年が始まりました。個人的にはこれまでに未経験な取り組みにも積極的にチャレンジする、チャレンジから得た新しい経験・知見を「活かす」1年にしたいと思っています。
今年も「PPP的関心」の話題に関心をお持ちいただき、お時間が合えばぜひお読みいただければ嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。
*写真は鶴岡八幡宮の段葛と二の鳥居

2023年のスタートはインプットから

取引先・関係先の年始スケジュールに合わせて自分の始動も5日からとしていましたが、慣らし運転?的な活動として4日に開催されたPMFJ(行政経営フォーラム)セミナーに初めて参加してみました。これまで同フォーラムの例会には何度か参加していましたがセミナーは初参加。これも新しいことに積極的にチャレンジする一環でもあります。
セミナーテーマは「東京都心の未来」について、講師には三重県の事務事業評価をはじめ数々の官民事業の改革のプロデュースを手掛けられてきた株式会社スターガバナンスの星野芳昭さんをお迎えするセミナーでした。

企業経営と地域経営とコミュニティマネジメント(管理組合を舞台に)

クローズドなセミナーですので、当日の話題についての詳細は書きません。個人的にはこの章の見出しにもした、セミナーの話題の一部でもある「企業経営と地域経営とコミュニティマネジメント」を「同じフレームで」捉えるという点に面白さを感じました。お正月からPPP、行政経営(地域経営)を考える際の良いヒントをいただけた時間でもありました。
ここでいう同じフレームとは何か。ものすごくザックリ言うと「ビジョンを持ったオーナーシップと課題の設定・実行を推進する専門家を活かすための体制・ルール作り」…みたいな話です。

企業経営における所有と経営の分離

今更ではありますが、企業経営では掲げたビジョンを実現させる、ビジョンが実現したのちの世界に近づくための手段として事業活動を通じて企業業績を高める活動が進められます。昨今の企業経営においては、いわゆる「プロフェッショナル」の力を取り入れて成果を高めるべく「所有と経営の分離」さらに「経営と執行の分離」を取り入れた体制や役割分担を検討することも少なくないと思います。

行政経営における所有と経営(経営と執行)の分離は?

星野さんのこれまでの行政に対する事業評価の設計支援や伴走、官民事業の改革プロデュース経験を踏まえたお話の中で、行政経営における課題のうち解消が進まない(と見られている)課題の一つに「目的と指標がないこと」が挙げられるという指摘がありました。

なぜ「目的と指標がない」といった状態が起こるのか。
先ほどの企業経営におけるプロフェッショナルを活用した経営体制との対比から考えると、行政経営におけるオーナーシップは本来は地域市民が持つと考えられますが二元代表制のもとでは付託をうけた首長がその代弁者であるとも言えます。一方で「プロフェッショナルとして力を発揮する執行役」に当てはまるのが行政組織が当てはまるのではないかと考えられます。
そのような関係を踏まえつつ行政経営の評価軸に「目的と指標がない」状態がなぜ起こるのかを考えると、オーナーシップを持つ役割に注目すると、掲げるべき「経営ビジョン」の発信がない(弱い)もしくは発信されていても共有・共感されていないという理由がありえます。執行役に着目して考えると示されたビジョンに理解がない、もしくは共感がないという理由もありえます。
行政経営に対するダメ出しが目的ではなく、企業経営になぞらえた際の役割分担とその不全がないかという目線で捉えることは面白い味方だな、と改めて考えた次第です。

コミュニティマネジメントにおける所有と経営の分離は?

そもそもコミュニティマネジメントといっても、現実にはそれを担う主体が明確なコミュニティ(地域)は多いとは言えないと思います。強いて言えば自治会や町内会といった組織が運営(の一部)を期待されている場合はありそうですが・・・。
しかし、それはあくまでも「可能性」あるいは「期待」としてはそうかもねというだけで、元々の自治会や町内会という組織が担う役割は住民の身近な問題を解消する共助組織であり、コミュニティ(地域)の経営・運営を期待されているわけではないと考えられます。

章の冒頭で「管理組合を舞台に」とわざわざタイトルに付したのはこれからのコミュニティ(地域)の経営・運営を期待する役割を期待される組織の例として自治会やマンション管理組合という単位を考えること、考える際に企業経営、行政経営と同じ所有と経営の分離というフレームから組織のあり方を考えるというのがとても興味深いテーマアップでした。そしてオーナーとしてのビジョン(ありたい姿、目標)を立てやすくかつ所有と経営の分離を想定しやすい舞台が集合住宅の管理組合とりわけ都心に存在する数百戸単位の大規模集合住宅の管理組合です。

行政経営・地域経営を企業経営に求められる目線で再確認する

企業経営と行政経営とコミュニティ(地域)マネジメント(経営・運営)は本質的に同じであるというフレームで眺めてみると、行政経営や地域経営といった取り組みにかけている役割や要素を発見・確認しやすくなる、そんな気づきを与えてくれたお正月の勉強会(セミナー)でした。

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