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PPP的関心【4/28ニュース。PFIアクションプラン作成号令で推進は?】

もっぱら個人的な事情ではありますが、本日4.28に3回目のワクチン接種を行ったため色々セーブをしております(といっても今のところ特段の変化もないのですがw)。ということで今回は若干の手抜き感のある「当日ニュースネタ」です。
写真は本文とはほぼ関係ないですが、なんとなく2016年に行ったHIGH LINEの入口の写真を。。。

首相の号令。各省庁にアクションプラン策定を

NHK NEWS WEB より切り取り

このnoteの記事シリーズ「PPP的関心」もPFI手法を含むPPP的な取組み施策が用いられることで地域社会の課題解決や経済振興に貢献するという方向性が必要だという前提に立って始めています。
ですので、こうした号令によって関心や注目が高まることは歓迎されることだとは思いますが、1999年のPFI法施行以降20年以上の年月が経ち、未だに「推進に号令」をかける必要性がある施策にはきっと何かある、この「何かある」がクリアにならない限り一気に普及するということもなさそうだとも思います。

進まないのには進まない理由がある

広い意味で公的なサービス提供を民間が行うにあたっては、(行政から民間に)提供主体を変更することで「提供サービスの品質(顧客≒市民満足)が上がる」、「明確な経済合理性がある」という条件が満たされることが必要だと思います。

品質が上がらない「可能性」

経済合理性を伴いながら提供サービスの品質を高めるために、PPP・PFI手法では仕様発注ではなく性能発注が前提となります。

しかし、そもそも「言われたことを言われた通りに行うこと」が是であり、任務だという考え方に縛られた発注者・判断者ではリスクを取らない=性能発注の可能性を最低限に抑えた発注要件の設計になる可能性があるのでは?という懸念がありそうです。
また、同じ理由で自治体内部に地域の将来像
に関する「ビジョン」「アウトカム」の設計力やその発信力があるのか?も問われることになります。
あるいは、顧客=市民が求めるサービス水準を把握、実現への工夫をするためのマーケティング経験の不足や、公平の解釈が足枷となりサービスレベルを「高める」方向の議論が進みにくいといったことはないか?といったことも気になります。

経済合理性は本当にあるのかに対する疑問

PFIでは前提として主体が変わること、手法が変わることによって生まれるVFM(Value for Money)が生じることにあるが、その根拠について説明責任は果たされているのかという疑問を払拭できるか?にも注目です。

先ほどの発注者=判断者の経験や思考態度による「制約」から、民間の自由で目的的な手法選択が仕様規程的な要件設計で縛られるようなことがあるとしたらVFMは本来発生しうる最大に比べ小さくなる可能性は?
あるいは、施設整備をサービス購入型PFI方式で行うとした場合に必要資金の調達において民間資金の調達コストと市町村公債等発行による資金調達コストの比較の結果、従来的な調達コストの方が安い場合のVFMをどう考える?
また、上記のような経営のプロが判断するような「経営判断」を地方議会の議員が持つ経営経験は?とか経済合理的な判断の習熟は十分であるか?
あるいはそのような環境を踏まえて、誰もがわかりやすい透明で明快な説明責任を果たすことができる民間(SPCを含む)による公的サービス提供事業を民間は自ら実現できるのか?
みたいなことが次々に湧いてきます。

反対というわけではなく、それぞれレベルアップが必要

と、ここまで書いたことはPPP的な取組み手法の拡大に反対というわけでは決してなく、むしろ進めるためにもトップの一言の号令だけ動くようなものではなく、首長はもちろん行政マンも地方議会も民間もPPP・PFI手法の考え方、制度の理解をもう一段進めるべきだと思います
特にこれまで取り組み慣れてない地域ほどそのようは「初歩的な」取り組みが必要なのではないでしょうか。
アクションプラン=How(どうやれ)の前に、Why(なぜそれをやるのか)を徹底することもまだまだ必要な段階なのではと思った次第です。

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