PPP的関心2023#02【『公共善エコノミー』に触れて、PPPを再考する】
2023年は良い発信をするために必要なインプット機会を確保してゆこうと考えてスタートしました。今回も先日オンラインで参加したセミナーで触れた「公共善エコノミー」という言葉と、それを照らし合わせながら最近の仕事での雑感などをメモしておこうと思います。
公共善エコノミー
この言葉の源や詳細については書籍の翻訳者である池田さんのnoteをお読みいただいた方が良いと思うのでnoteのリンクや公共善について解説されていたコラムの抜粋をご参照ください。
社会公正と連帯、透明性と民主的な共同決定
先ほど紹介した池田さんのコラムの中にある「社会公正と連帯」、「透明性と民主的な共同決定」という価値観を解説された言葉は印象に残ります。
もちろん価値観や具体な行動に通じる考え方が出現した背景や状況は異なるものだと理解していますが、印象に残った理由は公民連携的な活動においても「社会公正と連帯」、「透明性」、「民主的な共同」という言葉が与える考え方は共通していると思ったからです。
PPP的関心でも何度か触れてきましたが、官と民が何らかの役割分担をして社会課題の解決に向けた事業を起こす際に①リスクとリターンの設計②契約によるガバナンスという2つの原則が用いられていることを公民連携の定義としてきました。
これをなぞらえて考えると、社会課題の解決を共通目的とする「公共性」、解決に向けた具体な行動に際して役割と責任を明確にする「透明性」、活動は契約(ルール)に基づくという「透明性と民主的であること」はまさしくベースにある考え方として共通していると思います。
PPP推進。手法論だけではなく価値観の共有・浸透が今一度必要かも
最近関わっている案件で、駅前再開発を某自治体とまちづくり団体の間で進めようという話の中でまさに制度論や手法論「だけ」が先行しているケースを目にしました。詳しくは書けませんが、その案件では担当事務を行う一部の部署にとって都合が良さそうな方向に進めているのでは?と思われるような「不透明(不透明だと思われる)なコミュニケーション」によって地域の課題を「共に」解消しようとする姿勢の欠如です。
もちろん対話というのは一方的なものではなく双方に欠けているものがあるのかもしれませんが、行動の前に価値観や考え方が揃っていないことですれ違いが起こるという典型的な状況が生じているように思います。
遠回りかもしれないですが、PPP的な取り組みを進める前に協働のテーブルにつく際に必要な価値観や考え方をそろえておくということを今一度やっておくべきではないか、そんなことを思った次第です。
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