98年ベスト10 1999.02.10 矢部明洋
キネマ旬報の決算号が発売になったので、98年の封切リストをチェックしながら、邦洋ベスト10を選んでみた。
<邦画>
CURE
98年とはこの作品のような時代だった。黒沢清の時代が来た。愚か者~傷だらけの天使
一つの場面には核となる芝居があるものだが、阪本監督の演出は核の前後も丹念に描写し、主人公の体臭が画面から匂うほどだ。真木蔵人は98年の銀幕で一番チャーミングなキャラクターだった。時雨の記 別稿参照
風の歌が聴きたい
98年、一番泣けた。これも別項参照踊る大捜査線
パクリだろうが真似だろうが面白いんだからしょうがない。これをバカにしたら邦画に未来はない。蛇の道
何度でも言う。黒沢清の時代だがんばっていきまっしょい ノーコメント
汚れた女(マリア)
映像表現にも句読点のあることが分かる静かな作品。犬、走る
監督の志は分かるが、もっと俳優と格闘すべきだろう。愛を乞うひと
親から子への暴力にスポットを当てた点だけは評価したい。
『HANA-BI』や『カンゾー先生』も見たが評価できない。
<洋画>
恋愛小説家
私との相性が良かったのだろう。別項参照ボクサー
これも別項参照ブラス!
英国得意の失業もの。上手にまとまっている。タイタニック
げっぷが出るほど娯楽を堪能させてもらった。L.A.コンフィデンシャル
前半はしびれた、フィニッシュがきまれば1位だった。ブレーキ・ダウン
小品ながらピリッとした拾い物のアクション。タンゴ・レッスン
音楽を見る快楽を味わえた。レインメーカー
娯楽作のツボをしっかり押さえた作りで好感がもてた。フェイス/オフ
両主役と監督が実に気持ち良さそうに作っているアイデア満載の娯楽作。
ベスト10といいながら、10本は選べなかった。『プライベート・ライアン』も見たが、別項の通り評価はできない。
邦画のベスト3が突出した年だった。
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