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 直接いただいた感想

イラストは妄想でコスプレをしているタカクラに激怒する矢部です


空犬太郎さま  2022.08.04

中央線沿線在住の出版関係者

『平成』、読み終わりました! 楽しかった!
こんな感想だと怒られるかもしれませんが、いちばんぐっときたのは、『チョコレート・ファイター』で主演のジージャー・ヤーニンを二代目ドラゴン登場としているくだりです。
ブルース・リー以後、そっくりさん、にせもの、なんちゃってドラゴン、有象無象が世界中で登場、本までつくられているにもかかわらず、全部無視、そして、ジャッキー・チェンまでをもすっとばして、30数年後、2008年映画の主演女優、ジージャー・ヤーニンを二代目ドラゴン認定とは! 感動しました……。(「えっ、そこに?!」という姉さんの顔が;笑)
ちなみに、この映画のジージャー・ヤーニンは最高です。ぼくは大好きで、お皿で何度も観返しては、ラストのアクションシーン(とエンドロール)で、「いま、スタント、死んだよね……」と毎回、スクリーンに一人突っ込み入れてます。
読者から、実にどうでもいい感想や反応を引き出す本は、いい本だと思います。 そのことが伝わるかもと、くだらないことを連ねました。

メールより

空犬太郎
近著 『定本 本屋図鑑』本屋図鑑編集部編 得地直美 絵(夏葉社)


『平成ロードショー 全身マヒとなった記者の映画評』(忘羊社)


三澤宏幸さま   2022.08.12 

筑摩書房営業部

読了しました。
何を隠そう、映画は年に2〜3本観れば観た方の年になるくらいに映画との接点が貧弱なので、買ったはいいものの読み通せるか自信がないというスタートでした。
予想通り、観たことがある映画は5〜6本でした。
ただ、一歳違いという同年代感がたっぷり味わえたこと、エッセイや時評としての面白さが抜群だったこと、等の理由で、観ていない映画評満載でも楽しい読書になりました。矢部さんの物の見方の面白さ、新聞記者ならではの時代考察が秀逸なのでしょうね。
「ゴジラ モスラ キングギドラ」に子供連れで行ってしまったなあとか、「永遠の0」は予科練に行っていた親父に本と映画を勧めたけど頑なに両方とも拒まれたなあとか、前職の時、熊谷博子さんの著書を出してたからお会いしたこともあるけどバリバリに活動的な方だったなあとか、筑摩書房でハンナアーレント何点も出してるのに映画観てないなあとか・・・。映画好きとは言えない人間でも十分楽しめました。渾身の一冊をありがとうございました。

メールより


玉木研二さま  2022.08.22

毎日新聞客員編集委員

 矢部さんの「映画愛」、小気味よい筆致を楽しませていただいております。高倉さんのイラスト、感服しました。この本全体の空気に見事にマッチしていますね。
 黒澤明評で「生きる」をベスト1候補に擬せられていましたが、よくわかります。役所回りをした新聞記者ならなおさらのことですね。登場者の中では暴力団のボス役の宮口精二がいいですね。せりふなし、ただ目を向けるだけで射すくめる凄み。それといかにも「助役」の中村伸郎の狷介ぶり。そして、喫茶店2階の場面では、使命感に目覚めた主人公渡辺が階段を急ぎ降りてくるのと、誕生祝いの「ハッピーバースデー」の合唱に迎えられながら階段を駆け上がっていく裕福そうな女学生を交差させた演出は、見事な対位法というべきか、とても印象的でした。
 矢部さんに一つ提案ですが、シナリオを書かれてはみてはどうでしょう。少年期から映画に浸り、おそらく細胞までがフィルムのひとコマひとコマのようになっている、そこから紡ぎ出される銀幕ストーリーを、と想い描いています。勝手を申してすみません。
 映画を語れば、幸福な気分です。まさに「夢の工場」です。「仁義なき戦い」はわが故郷広島の言葉の洪水でしたが、本に出てくる「牛の糞にも段々」、確かに宍戸錠一世一代の名ぜりふでした。楽しい本をありがとうございました。
 ついでながら、黒澤については、謎めいたことがあります。酒席で「七人の侍」のキャストは誰々かと問うと、黒澤ファンでも6人までスラスラと指折るが7人目がどうしても出てこない……。何ででしょうね。不思議です。

 私の映画世界は、黒澤と小津安二郎、成瀬巳喜男、川島雄三という古人を軸とし、若干の西部劇を加えたかなり狭い小宇宙ですから「平成ロードショー」は大いなる刺激になります。ありがとうございます。

 

メールより


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