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[日記]2020年12月26日(土)

 徒然なるままに古本屋へ向かうという心持ちで家を出たものの、「徒然なるままに」とは適切ではないように思える。「徒然」とは、「何もする事が無くて、どう時間を過ごしたらよいのかと思うこと(様子)。」(新明解国語辞典 第七版 三省堂より)とある。何もすることがないから、ではなく、本を購入するという確信を持っており、その確信を目的に変えるべく、身支度をして家を出るのである。数日前も同じようなことを思っているような気がする。

 しかし、赴く時間があるということは、その時間が自分にとっての空白の時間であり、それを埋めるべく目的を作ったとも言うことができるのではないか。すなわち、幾つもの空白の時間が存在し、空白を埋めるべく行動している。この場合は、行動することにさせられていると、使役の意味を押し出した方が良いであろう。

 そのように脈々と思うと、この行動がひどく侘しいことのように感じられてしまう。大局的な何某かに傀儡のように弄ばれてしまうこと。これは字面だけでも慄くような、決して前向きではないような気持ちに嘖まれざるを得ない。

 言葉の意味を捉え直すことが、日々の生活を更新してゆくのに重要な要素であろう。結局は、同じ場所を彷徨って同じ一所に落ち着いてしまう。

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