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[日記]2020年12月22日(火)

 今日も出勤をして、昼休みに神保町を歩く。本を見て歩く人々は、様々な動きをしている。文庫だけを見て帰る人、悩む様子もなく手当たり次第に本を取って買ってゆく人、分厚い本ばかりを抱えている人。自分は端から端までほぼ全ての本を見ないと気が済まない。よって、昼休み中に赴くことができるのは、精々二、三軒である。

 逍遥という言葉がある。「特に何をするという決まった目的も無く、気分転換のために山野や川辺を歩くこと。」(新明解国語辞典 第七版 三省堂より)とある。辞書に拠ると「山野や川辺を歩くこと」とあるが、この町を歩く時には、逍遥という言葉を思い浮かべ、足が向くままに彷徨い続ける。「本を購入する」という目的はあれど、遂行しなければならないことはない。目的が遂行なされ得るべき理由は自分の中に存在している。斯くして、徒然なるという含みを腹に据え置きながら逍遥と思いつつ、硬い混凝土の上で闊歩を続けている。

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