見出し画像

[日記]2021年3月7日(日)

 鎌倉支店の準備を慌ただしく始める。未明に本を発送し、昼頃に近くの百均へ必要な物品を購いへ向かう。合間に紀伊國屋から発送される文芸誌を受け取り、クリーニングへスーツを持ち込み、BREWBOOKSにて読書会用の本を購う。自らが誘発する慌ただしさに多少呆れながらも今後迎える予定はむしろ楽しみを感じられる事象で、手間を厭うことなくいられることができる。

 しかしながら準備とは非常に難しい。どれほど手を尽くしても足りないと感じられる時もあるし、どれほど単純な一手間を加えるのみでも明瞭に開き直ることもできる。自らの内部に眠る伸縮自在の物差しが純然と動かし難い基準を、目方諸共変えてしまうのである。不変な事象はないように思う。万物流転とはヘラクレイトスが唱えた言葉であるが、留まることのない事物、それはまるで流れて転がるかのように変容を続け、何物かに成ってゆく。基準などそもそも存在しないのではないかという奇妙な結論に至り、また慌ただしく行動を始めるのである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?