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[日記]2020年12月21日(月)

 今日は何もなく一日が終わる。勤務の二時間前に起床し、食パンを二枚焼いて食べる。二枚ともにマーガリンとブルーベリーのジャムを塗る。歯を磨き、シャワーを浴び、寝巻きから少し整った部屋着へと着替える。珈琲を淹れ、パソコンの電源を入れて、少し本を読む。業務を始め、気が付くと外は真っ暗である。業務を終わらせ、夕飯を食べ、シャワーを浴びて、日記を書く。投稿し、本を読んで眠る。

 判を押したように、同じ行動を繰り返す。思い出話のひとつでもあれば良いと思うが、あいにく思い出せるような記憶もない。忘れ去ることは暴力的なことであると思っている。過去は白く塗り潰し、覆いを掛けたことすら忘却し、踵をめぐらせ二度と視線を送ることはない。今日のこの一日もいつか忘れ去ってしまうのであろうか。忘れることも才能、と聞いたことがあるが、長けた能力というわけではなく、元々備わっている力であろう。残しておかないという選択に天秤が傾いたという事実のみがそこには存在している。その選択が意識的か無意識的であるかのように思う。

 いつしか思考実験のような様相を呈してくる。日々頭を巡るのは、一日の行動とそれを巡る言葉である。忘れ去ることは、自分の中で大きな主題であるような気がする。考えを詰めて言葉にしたい。

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