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[日記]2020年5月1日(金)

 朝起きて、月変わりのカレンダーを一枚捲った。時計の長針と短針が重なる十二時のように、一旦日々をリセットし、新たに刻み始める気持ちになる。今日から五月だ。

 珍しく仕事が順調に進む。必要な情報を取り揃えて発注。必要な情報を取り揃えて発注。その繰り返しだ。細心の注意を払って作業をする。調子が出てくると気も乗ってくる。気が付くと一八時が近い。最後にやるべきことを終えて仕事を終える。本格的に大型連休に突入。笑みが溢れる。

 友人がギフトとして送ってくれた「HARVEST」LOSTAGE を聴く。アコギをはじめとする楽器の音が心地良い。一曲目の「かぎろひ」から、非常に伸びやかだ。長く聴き続けていると、生活が地続きに感じられるという話をした。彼らの生活と自分たちの生活が、変遷というキーワードを通して地続きにつながる感覚。友人の意見に大きく賛同する。昨今、変遷を楽しめる音楽や同じ目線に感じられる音楽も珍しい。これからずっと聴き続けるだろう。同じく販売されていた「7 - Live at Juso FANDANGO -」LOSTAGE も購入する。しばらくはこの二枚を聴き続ける。

 LOSTAGEを聴きながらスーペーへ。主に食料を購入して帰宅。夕飯はそこそこに、惣菜をつまみにビールをあける。ささやかながら大型連休突入を祝う。こんなにも嬉しいことかと、自分ごとながら自分で笑う。明日からしばらくは曜日を気にしなくてもいいし、時間を意識的に捉える必要もない。なにしろ外出する予定がないのである。自室に籠り、自分がしたいことをする。平日にほとんどできなかったことが実現できる。当たり前のことであるが、そんな大仰なことを考えてしまう。「Artfacts/Scenes」Tobias Wildenをかけながら、『HAB 本と流通』(本屋H.A.Bookstoreが発行している本)を読む。本の流通に関わる様々な方へのインタビューを通じて、本の流通が非常に分かりやすく書かれている。雑誌と書籍の流通の違い、取次の役割など、本の流通に興味がある自分にとっては非常に勉強になる一冊だ。一文一文噛み締めながら読む。書籍の流通の仕組みが整っていない時代から、雑誌の流通と仕組みを合致させることで合理化を目指した時代。その時代から合理化は敷衍が進む一方で、疑問視される声も増える。そして今、取次や流通は次のフェーズへと踏み出さなくてはいけない。約五年前の本であるので、本の流通を取り巻く状況は変化してきていると思うが、未だによく聞く事象も挙げられている。改めて本は小売にとって特殊な商材であると感じる。

 自分が店を持ったら、と妄想する。新刊と古書は両方置きたい。もちろん、日本文学・海外文学を多く置くだろう。海外文学の枠で、韓国文学を多く取り扱う。入口を入ってすぐの場所に平台を作り新刊を置く。カウンター席を作り、奥にもカフェスペースを作る。昼にはコーヒーを出し、夜にはお酒を出す。飲料をメインに扱う従業員をひとり雇う。仕入れは自分が担当する、そのうちネットショップも作って…。たわむれにWixをいじってみる。三〇分くらいでベースはできてしまうが、肝心の売物がないので一旦置いておく。いつか日の目を見られるような状況になるといい。

 眠くなってきたので、ベッドへ入る。明日は夏のように暑くなるらしい。


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