見出し画像

[日記]2020年10月21日(水)

 今日は在宅勤務。窓から入り込む陽光の角度が日に日に鋭角になってゆくことを感じる。より部屋の奥まで陽光が届き、白い壁紙に反射して細やかな粒子をこの部屋で結実させる。約一億五千万キロ離れた太陽から、約八分前に放たれた光が今この部屋で反射し光っている。

 光に揺らめいて微かに光っている埃を見て、掃除を決意する。在宅で勤務していると、平日の朝でも掃除機を掛けられるので気持ちが良い。そのうち、本の整理もしたくなるが、取り返しがつかなくなるので止めておく。

 小説の続きを書く。結末は想像しているものの、どのようにしてそこに辿り着くか。しばらくは筆の赴くままに書き連ねてみる。ふと、昔に友人と小説について「文体の運動」という言葉を使って議論をしていたことを思い出す。文体が変容していくことなのか、読み手の感情を悉く動かす文体なのか。明確な意味は忘れてしまったが、「文体の運動」という言葉は頭の中にずっと残っている。

 筆の赴くままに書き連ねることも「文体の運動」の一種ではないだろうか。言葉は時として、書き手を予想もつかないところへ手を引いてゆく時がある。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?