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[日記]2021年3月8日(月)

 在宅勤務を終わらせ、新刊のポップの文章を考える作業をする。ポップであるので、長く書くことは躊躇われる。短く本の良さを伝えることは非常に難しく、常時苦心する場面である。どれほどの情報量を伝えれば、手に取った方の興味関心を引くのか、冗長に続く文章は得意ではあるが、簡潔に伝えられれば時と場合に拠り、その方が良い時もある。右往左往しながら綴った文章を、今日は結局消すことにした。急造しなくとも納得のゆく文章が書ける時もあり、その嫌いを掴むことが重要である。

 差し迫った読書会に向けて『未来のコミューン─家、家族、共存のかたち』(中谷礼仁著 インスクリプト)を読み進める。「病」が取り次ぐ社交性、それらが現出し得る空間が“家”と定義されることとともに関係性を結ぶのであれば、すべてがコンテキストにて繋がることは納得がゆく上に、今まで言葉にできなかった関係性に気付くことができたように思う。それぞれ概念として異なるものをコンテキストで結びつけること、それは単純なようで今まで自らの中で言葉にできていなかったことであり、それだけでも意義のある理解であると思える。

 ふたつの気付きを経て、今日は眠りにつく。それだけでも良かったと思える程の心境で朝を迎えようと試みる。

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