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「すみません」は便利なことば

先日、flutterの意味を調べた。

その時に思い出した事がある。

20年ほど前、家の近くで働くインドの人が、ヒッポファミリークラブの留学生会員になった。留学生会員という名称だが、一定期間だけ日本で働く人も留学生会員になれる。

私は、ヒッポの集まりで彼に出会った時、彼が言ったことばにすごく驚いた。彼は日本語をかなり流暢に話した。

記憶はちょっとあやふやなのだか、その彼に日本語をどうやって勉強したの?と聞いていた時

「日本語は『すみません』とか『どうも』とか便利なことばがあって良いですよね。」

と言ったのだ。これぞ多言語の国の人の感覚なのか!!!とその当時大きな衝撃を受けた。

インドでは、ヒンディ語と英語が公用語だが、少なくとも30の違う言語があり、方言も入れると2000とも言われているそうだ。地方により、22の指定言語があり、公用語であるヒンディ語をあまり話さない地域もあるようだ。それで、商売をする人などで、10以上のことばを話す人もいるらしい。以前書いた、方言も1つの言語だという考え方でいけば、2000もの言語が1つの国の中に存在しているのだ。

私の学生時代、英語の勉強が苦手だった理由の一つは、暗記することが多いことだった。1つの単語につき、色々な意味を覚えないといけない。だから私にとって、1つの単語で日本語の意味がたくさんあるものは、面倒くさい単語だった。

「すみません」や「どうも」が、便利なことばと思えるのは、英単語の意味を日本語に訳したものを、できるだけたくさん覚えておいて、日本語で考えたことをいちいち英単語にして、覚えた文法に当てはめて文を作って、間違ってないか考えて、英語を話す、みたいな感覚とはまるで違う。

とりあえずよく聞くことばを、いろんな場面で適当に使ってみる。

ことばの意味1、意味2、意味3のどれにあてはまるのかな?ではなく、大まかに、こんな時にも、こんな場面でも、えっ、こんな時にも使えるんだ!じゃあ、自分も使ってみよう。そんな感じ。

私が面倒だと思う、たくさん意味のあることばは、彼にとっては、むしろどこでも使える便利なことばなんだ!!!

久しぶりに英単語を辞書で調べてみて、あまりの意味の多さに、彼のことばを思い出した。数回会っただけで、もう顔もはっきり覚えていないんだけどね 笑

赤ちゃんは、辞書にあるような裏返しの意味を持っていない。そのことばがどのように働くのか、聞きながら、話しながら、一人ひとり自分のイメージを作り上げていく。

インド人の彼は、赤ちゃんと同じように、自分でことばを使いながら、使える場面を広げていって、そのことばの持つ意味みたいなものも、自分の国のことばに訳すというより、自分の感覚として取り入れていったのかな。

私も、そんなふうにことばをとらえていきたいなと思っている。










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