20代を振り返る①

今年20代が終わるので、印象的だったことをしたためておきたいなと思い筆を執った。何者でもない人間のかけがえのない何でもないような記録。身バレが怖くてあまり書いてこれなかったことも勇気を出して書いてみようと思う。とりあえず①にしてみたけど②以降が書き進められるかはわからない。

実家の愛犬が亡くなる

致死性のてんかんで15歳で亡くなってしまった。
てんかんの発作が起こったのは親族のお葬式の日の朝。お葬式の前に病院に連れて行ったらそのまま入院。数日後に息を引き取った。
親族は犬と数回しか会ったことがないのだけど、寂しくて犬を連れていってしまったのかもとちょっと思った。奇しくも親族と犬は誕生日が同じなんだ。
ちょうど日曜日だったから家族みんなでお別れができた。晩年まで獣医さんも驚くくらい若々しくて元気な犬だったから、突然のことでしばらく心の整理がつかなかった。最後のお別れのとき「ありがとう」って言ったけどそれじゃ全然足りなかった。バンプのsupernovaを久しぶりに思い出していた。

てんかんの発作が起こる直前、様子がおかしいのが心配になって、大好きなおやつを口元に差し出した。おやつと間違えて私の手を跡が付くくらい強い力で噛んだ。そのときの痛みと愛しさは生涯忘れないだろう。倒れる数日前に、私が帰宅したら今までで一番のキラキラした目で出迎えてくれたことも(親が親族の看病で留守がちだったから寂しかったのだと思う)。


愛犬の死の悲しみを癒やすため一人旅に出る

その数ヶ月後、一人で2泊3日の北海道旅に出た。割と一人でどこでも行けてしまうタイプではあるが、飛行機での一人旅はさすがに初めてだ。社会人になったばかりの人間にとってはかなり大きい出費ではあったが、とにかくどこか遠くに行かないとどうにかなってしまうと思った。

知らない地で楽しく一人でドライブする自信はなかったので、目的地を新千歳空港から電車やバスで行けるところだけに絞った。
札幌では、円山動物園や羊ヶ丘展望台に行ったりすみれのラーメンを食べたり夜パフェの店に行ったりした。動物園ではシンリンオオカミが愛犬そっくりで運命を感じてしまい、ポストカードを購入した。
小樽にも行った。お寿司屋さんで食べたえんがわが美味すぎて普段食べているソレが偽物に思えて仕方なかった。昼は海上観光船、夜は小樽運河の船に乗った。特に小樽運河は、夜の水辺の建物が何よりも好物である私にとって最高のスポットだった。光がきらきらゆらゆらしているのをみると、苦痛のない別の世界に辿り着けたようで安心する。
犬の写真を飾るためのガラス細工のかわいい写真立てを購入して帰宅した。

この旅は一歩歩くたびワクワクするような旅で、悲しみをちょっとは忘れさせてくれた。自分は耐えがたい現実から逃避してちゃんと楽しみを見いだせるタイプの人間だということが分かってよかった。




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