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オタク的動機から人生で初めてルイ・ヴィトンを買った

ブランド品が欲しいと思ったことも、買いたいと思ったこともない人生でした。ですが今日、銀座のルイ・ヴィトンでネックレスを買いました。どうしても買いに行かないといけない理由があったからです。

百貨店の化粧品売り場すらまともに入れない都会ビビり女なので、どんな服なら銀座の街を歩けるのか不安でいっぱいでした。友人には「とりあえず服を着てきて!」と言われました。もちろん服は着ていきました。

待ち合わせ時間の頃。友人から15分遅刻との連絡がありました。しかし百貨店の化粧品売り場すらまともに立ち入れない人間がどこで時間を潰せばよいのでしょうか。

震えながら1Fをぐるっと一周してみましたが、足を止めることなんて無理です。FENDI、Dior、Balenciagaなど、聞いたことのあるお店をちらちらと見ながら「ケンティー、ケンティー、風磨くん……」と心の中で唱えることしかできませんでした。

お察しかもしれませんが、なぜルイ・ヴィトンのネックレスを買いに行くことになったかというと、私がSexy Zoneのオタクだからです。ピンとこない方は「菊池風磨 ルイ・ヴィトン」で検索してください。

冒頭の写真、全体像はこうです。

Sexy Zoneのグッズと写真に収められるネックレス

友人と合流してもなお、「芋が来やがったぜ」と思われる恐怖と「オタクが来やがったぜ」と思われる恐怖で終始ビクビクしていました。

しかし、最初に訪れた友人(健人担)が行きたがっていたお店にて。店員さんはとても親切でした。ネックレスを買う理由を聞かれて「好きなタレントさんがつけていて」と友人が答えたときは横でドキッとしましたが、「最近そういう方多いですよ!」と返されただけでなくケンティーの話で盛り上がったほど。「オタク的理由で買い物に来た人にも親切なのか」とほんの少し心の距離が縮まりました。

ルイ・ヴィトンでも同じことを聞かれたので丸パクリして答えたところ、続けて「その方のイニシャルがVなんですか?」と聞かれ、「アッいやご本人がつけているのがVで……」とまごまごしました。それでも「ガッツリお揃いかよ」と引くことなくにこやかに対応してくださった店員さん、優しかったです。ありがとうございました。

店員さんのお言葉に甘えて香水も見ました。City of Starsという香水の匂いを嗅がせてもらいながら「Forever Goldの世界ってこういう匂いなのかなあ」と思うなどしました。どこまでもオタクです。

香水はまたいつか……と思いながら、ネックレスを買ってお店を後にしました。

ルイ・ヴィトンのネックレスをつけて、そしてその紙袋を持って歩くと、銀座の街が怖くなくなる気がしました。ブランド品ってすごい。というかだからブランド品なのか。

なにより自分で稼いだお金で買ったお高いアクセサリーです。それだけで少し背筋が伸びました。

でも地元への帰り、電車に揺られながら、
「この路線でこの袋は逆に場違いだな」
「そもそも身の丈に合わないのでは」
「え、買ってよかったのか??」
と悶々としました。ちょっと怖くなって、日比谷で買ったトリュフベーカリーの塩パンの袋で、ルイ・ヴィトンの袋を隠しながら帰りました。

やや薄暗い気持ちで家に帰ったものの、ネックレスと合わせたかった洋服を引っ張り出しました。1枚、2枚、3枚……と合わせていくうちに思いました。「最高の買い物をしたのでは!?」と。

ネックレスは胸元が寂しい服を着がちな人間にぴったりでした。ちょっと長いかなと思いましたがそれも気にならないくらい。次のライブにもつけていきます。

なによりよかったのは、やっぱり少し背筋が伸びることです。外見も内面も、ネックレスに負けないようにふるまおうと思えます。ブランド品というだけではなくオタク的な意味も伴っているので、これをつけている間くらいは風磨くんのように自分を持っている強い人になれそうだなとも。たかがアクセサリーと言われればそれまでですが、私にとってはお守りの一つになりそうです。

Sexy Zoneのファンにならなければ、ルイ・ヴィトン……というかブランド品を買うことなんてなかったでしょう。自分のお金で高いものを買ったときの満足感も、それを身につけて都会を歩く楽しさも知らなかったでしょう。素敵な機会をくれた風磨くんに感謝です。

ま、風磨くんが身につけていた品はまだまだあるので道のりは長いです! いつかカルティエの時計を買えるようにお仕事頑張ります。

余談

買い物をしていて一番面白かったのは、健人担の友人と店員さんの会話です。

店員さん「お二人は同じ方が好きなんですか?」
友人「違います。彼女は菊池風磨くんが好きなんです」

あ、私は風磨担に見えてるんだ……。複雑なオタク感情ゆえに誰に対しても担当宣言できずにいるので、曖昧に微笑むことしかできませんでした。

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