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新しいダンスがまだ知らない世界をよんでる夜でした

「十束おとは卒業コンサート 〜ベスト・フォー・フォーエバー〜」から一夜明け、頭痛と目の腫れが残る中でこれを書いています。こんなにも泣いて目が腫れたことはねえ。朝から土偶みたいな顔をしています。

ライブを見ながらいろんなことが胸にこみあげてきて、終演後はとにかく呆然としました。周りの人たちが「いいライブだったね~」「推してた子が新メンバーになってよかった~」なんて話しているのを聞きながら、なんでそんなにポンポン話せるのか不思議だと思いました。帰り道も気づいたら涙が流れるもんだから卒業発表の日ぶりの妖怪号泣ヤバオタク。

でもおとはすが「たくさん食べてたくさん寝てたくさん笑って幸せに生きてね」と話していたので、最後の約束を守るためにも強く生きねばと思ってヨロヨロと電車に乗りました。最寄り駅を降りたら松屋が目に入り、おとはすが度々美味しいと言っていた松屋のカレーを食べてみたいと思いました。

割と辛目の味付けなんだなあと思いながら食べました。食べながらちょっと泣きました。

泣いてはいるものの、怒りや不満は何もありません。胸の中はとにかくおとはすとベストフォーが大好きだという気持ちでいっぱいで、フィロソフィーのダンスに吹く新しい風を思いの外受け入れられてもいました。

ただあまりの濃さに圧倒され、同時に大事な人が遠くへ行って物事が変わってしまうことが寂しくて、ゆっくり気持ちを整理しました。それを書き残しておきます。

初めて見届けたアイドルの終わり

初めてアイドルの終わりを見届けてみて、振り返るとこんなにも不満がないのが意外です。こういうときってもっとブーブー勝手なことを言いたくなるのかなと想像していたけれど、おとはすとフィロのスが言葉を尽くしてくれたので「なんで?」がないんです。ずっと信頼のフィロちゃんず。

そもそも卒業を決めてもグループのために2年以上発表を待ってくれたのがすごい。お仕事として、責任を持ってアイドルをしているところがずっと好きで憧れでした。

いざ発表するとなったときも、ファンとのお別れの時間を8か月設け、曲のリリースやライブ、卒業に対するコメントもたくさん用意してくれました。これからも続くグループを全力で応援する姿勢を示し、オタクの目の前でも新メンバーへ引き継ぎしてくれました。これからもオタクが幸せに生きていけるように、たくさん食べてたくさん寝てたくさん笑うように言い聞かせてくれました。

グループの道が続いていく中で、全く跡を濁さない飛び立ち方でした。「おとはがくれた時間こそがおとはからの愛」。マリリちゃんが話していた通りだと思います。武士のような潔さと言葉を尽くす誠実さを最後まで持ち続けたおとはすと、そんなおとはすの願いを叶えてくれたチームフィロのスに感謝です。

言葉を尽くす誠実さと書きましたが、トークやワードセンスに長けたおとはすが卒コンでは言葉ではなくダンスで卒業への気持ちを表現していました。7年間への祝福とフィロソフィーのダンスの明るい未来への祈りを感じて、まるで神聖な儀式みたいでした。十束おとはというアイドルの哲学が詰まったダンスだなあと思いました。過去の曲たちを感じる振りがあったような気もしますがその点はわからぬ。いつかこのダンスに込めた気持ちを知れたらいいのだけれど。

ステージ上のおとはすはいつだってアイドルのおとはすで、そのアイドルとしての魂がすごく好きでした。おとはすのファンになれて幸せです。おとはすは私にとっていつまでも黄色い光のアイドルです。たくさん食べてたくさん寝てたくさん笑って幸せに生きます。

続けること、変わること

唯一不安だったのは、卒コンで新メンバーの発表があることでした。正直発表を前向きに受け止められるか分からなかった。なにも卒コンの場で発表しなくてもいいじゃないか。そう思わなかったというと嘘になります。

でもいざ現地で見てみて、卒コンはおとはすのお見送りであるのはもちろん、フィロソフィーのダンスが次に行くための時間でもあるんだなと感じました。それが同時に行われることで感情はぐちゃぐちゃになったけれど、フィロソフィーのダンスのバトンが4人から5人に受け渡されていく瞬間を見届けられたことで、私の中でグループがちゃんとつながりました。

正直にいうと、5人が登場したその瞬間はまだ飲み込み切れませんでした。いつも以上に貫録のある3人のパフォーマンスに圧倒され、ののちゃんの安定感に驚き、ななこちゃんの若々しさに応援の気持ちを込めて拳を握りしめもしました。5人の新しい姿もかっこよくていいな、と思いもしました。

ただペンライトだけは、どうしたらいいのか分かりませんでした。二人を歓迎する気持ちを示したいのにペンライトとリストバンドを黄色から緑と紫に変えることができない。おとはすが「力になると思うのでよかったら緑と紫つけてあげてください!」と言っているのに。いま色を変えるだけの話なのに。おとはす推しとしての自分が死んでしまうような気がして手が動かない。明らかに緊張している不安げな新メンバーの二人を前にしてもそんな身勝手なことを考えている自分が嫌で、涙が止まりませんでした。

でもななこちゃんが「私が入ることでこのグループを台無しにしないように」と涙ながらに語り、ののちゃんが震えた声で抱負を語るのを聞いて、しっかり応援の気持ちを示さないといけないなと思いました。映像を挟んだとはいえ、先輩4人が踊る最後の「ダンス・ファウンダー」の後。どう考えたって出づらい状況でばーーーんと登場して誰も知らない新曲を歌う。それがどれだけ怖いことか。

新しい姿を応援することで、フィロソフィーのダンスに飛び込んでくれた2人を歓迎することになるのであれば。フィロソフィーのダンスを続ける選択をした3人を応援できるのであれば。おとはすが「人生」と語るグループの未来、武道館の一番いい席におとはすを招待する日につながるのであれば。

そう思ってペンライトを紫と緑に変えました。自分はフィロソフィーのダンスの次の時代に一緒に行くんだなと思いました。

「愛の哲学」で「人は誰だって1等賞 似てなくていい」と新メンバーに歌いかけるおとはすを見られてよかったです。4人とは違う5人の姿を、おとはすとは違う二人の姿を、この気持ちで受け止めたいとちゃんと思えました。

思えばフィロソフィーのダンスの形が変わるのは今回が初めてではありません。最初期を見ればメンバーは5人だし、メジャーデビュー前に宮野さんとヤマモトショウさんというメンバーに等しいくらい大事なお二人とも離れました。

それでもフィロソフィーのダンスは歌い、踊ることをやめなかった。フィロソフィーのダンスという枠を守り続けた。そう思うと、おとはすの卒業に際して形を変えてでも続けることを選択したのは全然不思議じゃありません。

余談ですが、マリリちゃんが「ドント・ストップ・ザ・ダンス」の前で「踊ることをやめないやろがい!」と叫んだときに、宮野さんのことを思い出しました。やろがいといえば宮野さん、みたいなところがある(あるのか?)。宮野さんもショウさんも現場にいらしていたみたいで、これまた泣いちゃったな。

美しくやめることも、形を変えながら続けることも、勇気を持って始めることも、どれも大きな決断なんだと教えてくれたのは6人のメンバーです。好きだって言えるうちに次の時代に行ってくれた4人の誠意と、新しいダンスを踊らせにきてくれた2人の勇気に感謝と愛を送りたいです。

永遠になったベスト・フォー

卒コンが終わった翌日のいま、早々に前向きでいられる理由を考えると、5人へのわくわくをくれたと同時に大好きな4人のフィロソフィーのダンスも大切にしてもらえたからです。4人を表すベストフォーという言葉、そして「ベスト・フォー」という曲は日比谷にて封印されました。

5人体制が決まった今だから言えることですが、新しい4人組になって「ベスト・フォー」を歌われたらお気持ちがやべ〜~ことになっていたでしょう。あの名曲が歌われなくなる寂しさと他の4人組で歌われることの寂しさは天秤にかけるべきものじゃないけれど、私にとっては後者が大きかったのでチームフィロのスの決断に感謝しています。「ベスト・フォー」をあの4人の永遠にしてくれてありがとう。

フィロソフィーのダンス第1章を終えるという意味でもう一つありがたかったのがヒストリーメドレー。リリース順なので「ここからはリアルタイムで見てたな」と、一緒に過ごした時間が蘇ってきました。こうやって曲の繋ぎや始まりがイレギュラーなメドレーでもしっかり魅せられるのが7年目の力なんだなあ。

卒コンや関連のインタビューを振り返ると、4人は信頼しあったいい同僚だったんだろうなと想像します。アイドルグループのメンバー同士はあくまで仕事仲間だし仲良しこよしであってほしいとは特に思わないんですが、一緒にステージに立って隣を預けられる関係性はすごく眩しくて好きです。

考えてみると、私の中に「こういう人たちが私にとってのアイドルだ! 好きだ!」の基準を作ってくれたのがフィロソフィーのダンスでした。ライブや音楽を大事にする心意気、生のパフォーマンス力、ファンへの愛情、メンバーとの関係性……。フィロのスが基準値を爆上げしていった気もしますが(笑)、その分本当に好きだと思える人たちを応援できています。

アイドルだけじゃなく、音楽全般についてもそうです。幅広く音楽を聴くこともライブに行くことも多くない人生でしたが、フィロのスの対バンで新しいアーティストに出会ったりメンバーおすすめのアーティストを聞いたりして世界が広がりました。

たくさんの影響を与えて、たくさん新しいものを見せてくれたのがベストフォーでした。本当にありがとう。

グループの歴史に刻まれた儀式を終えて

このライブはおとはすを見送ってフィロソフィーのダンス第1章を終え、新メンバーを迎えてフィロソフィーのダンス第2章に入るための儀式だったんだなあ。昨晩からそんなことをふわふわ思っています。

単純にライブとしても楽しかったし野外のサイリウム綺麗だな~とかいろいろ感想は出てくるんですけど、今のところは「儀式だったな」という感想が先に来ます。ただただライブとして盛り上げるセトリや演出というよりも"""儀式"""みたいな感もあり……。しばらくは「あれは儀式だったなあ」と言いながらこの日を思い出すことでしょう。

「さよならを 好きだって言えるうちに 次の時代いきましょう」「今夜、新しいダンスが まだ知らない世界をよんでる」も、この夜のためにあったんじゃないかと思うほどでした。きっとこれからもフィロソフィーのダンスの本質みたいなところは変わらなくて、続く限り新しいダンスを踊らせてくれる。11月19日を終えてそう思っています。

3月4日、卒業発表の日にたくさん泣いた私へ。

想像通り、おとはすのこともフィロソフィーのダンスのことももっともっと好きになれるよ。怒りや不満もなく次の時代に行くフィロソフィーのダンスを見届けられるよ。だから安心してフィロソフィーのダンスを好きでいてね。


これを書き上げたら5人の新曲「Gimme Five!」を聞きます。

改めて聞いたときにどんなことを思うんだろう。奥津さんの「寂しいも悲しいも大好きも全部受け止めるから」を頼りたくなっちゃうのかな。でもそれもまた素直な自分の気持ちなので、消化できるまで向き合おうと思います。

おとはすの卒業に関連するいろいろな選択を見届けて、どんな形であれ好きな人たちの選択なら応援できるような気がしています。すぐにバチっと切り替えられるかは別として、応援できるようになるまで自分の中で消化の努力をするのが私の「好き」の現れ方なので、きっと大丈夫です。

アイドルのおとはす、そしてベストフォーが最高を更新してくれる日がもう来ないのは寂しいけれど、たくさんくれた「忘れられない幸せのとき」を大事にしていきます。

ありがたいことにCSテレ朝チャンネルでライブ映像&密着インタビューの放送がありますしね! ベストフォーの置き土産、受け取ります。