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うつ状態体験記 vol.2

vol.1↓の続きです。長くなってしまったので克服期のみの記事です。

4) 克服期

【体の状態・症状:胸の苦しみはなくなる。そして退職の決断をする。】
心療内科に駆けこんでその日に医師に診断書を書いてもらいました。内容はあっさりしていて、『傷病名:うつ状態、1か月程度の休養を要する』程度の記載です。

心療内科に行く前に上司と、「ひとまず今週は有休」という話をしていたのですが、診断書を会社に提出して1か月休むことにしました。そこから1週間くらいは何をする気も起きず、「あ~やってしまった~…人生終わった…」とひたすら思いながら寝込んでいました。

心療内科に駆けこんだ日は、道中電車に飛び込んだりしそうで心配だったので妻に付いてきてもらいました。また、寝込んでいた1週間は「妻はこんな自分と一緒に居ても嫌だろうな、別れた方がいいかな」とか考えました。それくらい異常だったのですが、もらった薬を飲んで1週間寝込んだら胸の苦しみは引いて、ひとまずは冷静になることができました。今振り返ると、何を心にもないことをしようとしたり考えていたりしたんだ、と思いますが、脳の病気が変なことを考えさせていたのでしょうね。鬱は気分の問題、と言う人がもしかしたら居るかもしれませんが、経験してみると、あれは脳の病気だと考える方がやけにしっくりきます。

さて冷静になって。今後どうするかを真剣に考えるときが来ました。単純に言えば復職するか退職するかの選択なのですが、今後の人生を左右することです。実際考えてみると複雑であり、色々なことを考えましたしすごく悩みました。具体的に考えたことを考えた順に列挙すると、

a. うつ状態になった原因
b. その原因を回避するにはどうするか
c. 復職するか退職するか、そのメリットとデメリット
d. やりたくないことリスト
e. 今後どういう人生にしたいか

です。eは健康に会社員やっていたときから、考えないよりは考えた方が良いことだと思いましたが、私は考えること無かったです。がっつり休んで時間が出来たからこそ考えられたのだと思います。

それぞれ具体的な内容まで踏み込んで記事にしてみます。

a. うつ状態になった原因

うつは脳の病気という認識のもと、その原因はストレスによる脳への大ダメージだ、というところまでは疑いの余地ナシでした。そこでストレス要因の特定のために、『これが嫌だった、ストレスだった』に該当する思いついたことをそのままノートに手書きしていくことをしました。私は手書きの方が考えが整理されるのでPCやスマホは使わず手書きです。あまり考えこまず、1時間以内に頭に浮かんだことを書きました。手書きした内容から原因をまとめると
① 会社での仕事の進め方が合わない
② 社員の気質が合わない
③ 業務の難度が高い
の3つがストレス要因でした。『一部の業務内容が気に食わない』というのも手書きしたのですが、なんとなくこれは大きな原因ではないと思ったので、原因からは外しました。手書きした内容も記事にしようと思ったのですが、内容が個人の愚痴みたい、かつ殴り書きだったので、もし興味ある方は記事末尾の添付PDFをご参照ください。

b. その原因を回避するにはどうするか

鬱は再発率が60%と高く、しかも再発するとその後の再発率はもっと高くなるそうです。苦しい思いは2度としたくないので、再発は絶対に回避したいところです。それには特定した鬱の原因を取り除かなければなりません。

cの復職するか退職するか、にもつながりますが、復職したところで鬱の原因に再度さらされると間違いなく再発するでしょう。復職と原因除去が両立可能なのか考えましたが、無理と思いました。具体的に会社に相談しなかったのでわかりませんが、会社の対応は、同じ部署に戻して業務量を減らす、最大の配慮でも部署異動で業務内容を変える、くらいの対応になるでしょう。減給や降格が制度として無かったので、同じ給料なら一時的に業務量を減らしたとしても徐々に戻していくのが筋でしょうし、都合よく異動できるとも思えないですし、異動した先にやりたいことや今の所属部署の仕事より適した仕事があるとも思えませんでした。そもそも業務量や業務内容や特定の人物が原因ではないですし、会社に原因はこれだと正直に言ったとして会社も対応に困ってしまうと思います。原因を回避するには退職一択でした。

c. 復職するか退職するか、そのメリットとデメリット

bで色々考えて退職を決断できたかというと、そうではありませんでした。なぜなら復職のメリットと退職のデメリットを天秤にかけて、悩んでしまたからです。天秤にかけたのは、好待遇(給与、休日、福利厚生)の維持という復職のメリットと、以下の退職のデメリットです。

  • 次の職場に行って原因が回避できる保証は無い。

  • 35という年齢と1年程度での短期退職が足かせになって、待遇が同等の会社への転職は困難と予想される。

  • 就業しながらではなく先に退職が決まった状態での転職活動も、転職の足かせになる。

そんなことを考え、復職の選択肢を捨てる決断はできなかったのですが、あることがきっかけで退職を決断することになります。それは、1か月の休みが終わりそうなタイミングでの会社の人事部とのメールのやりとりです。

医師の診断結果が『復職可能』なら復職に向けて準備を進めるか、『継続休養が必要』なら有休を使って休む(まだ有休が余っていたので)かになるとの連絡をもらいました。そのときに復職に向けて具体的にやることも説明されて、妙に復職が現実味を帯びてきた感覚と共に、少しの間だけでしたが、あの胸が苦しくなる感覚がしました。

休職して傷病手当金の申請をし、休職中に復職に向けたトレーニングを行うというのが復職に向けた1歩目だったのですが、そうまでして病気になった職場に戻りたくなかったですし、戻ったところで周りからの目を想像するときつかったです。

胸が苦しくなる感覚があったことを医師に話すと、「今の○○さんの職場は○○さんが居るところではないかもしれない」と話をされました。自分でもそう思いましたし、体が正直に復職への拒否反応を出したと捉えたので、1か月の休養が継続して必要である旨の診断書を書いてもらい、診断書を会社に提出するタイミングで退職の意志を伝えました。

退職が決まったときは「これからどうしよう…」よりは、とにかくスッキリした気持ちが強くて晴れ晴れとしていました。まだ社会復帰できていないので、長い目で見ると退職の決断が正しかったかどうかわかりませんが、このときの気持ちだけで考えると、退職は正しい決断だったと思います。

克服期が長くなってしまったので、d以降はvol.3で記事にしようと思います。

vol. 3↓。うつ状態の体験記はこれでおしまいです。

鬱の原因の特定のために手書きした内容↓


そういえば…鬱のことをネットで調べると、『症状がひどいときは退職等大きな決断は避けるように』と出てきますが、まったくそのとおりですね。勢いで退職とか妻と別れるとかそんな決断せずに、ひとまず休職してゆっくり色々考える時間がとれて良かったです。脳の病気が変なことを考えさせていただけですからね。

もしこの記事を読んだ方の身内に鬱で苦しむ人が現れたとして(そんなこと無いに越したことはないですが)、その人が妙なことを言っても、病状がひどいときは病気が変なことを言わせているだけですからね。大きな決断は避けるようにしていただければと思います。




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