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個人年金保険(定額年金)を批判してみる

うつで転職せざるを得なくなって、幸いなことに次の就職先は見つかってはいるのですが、年収大幅ダウン確定なので、支出の見直しをしておりました。

その中で、リタイア後の資金準備として実践している個人年金保険(定額年金)と積立nisaの見直しをしました。「あれ?個人年金保険(定額年金)って割に合わなくね?」と思ったので、これを積立nisaとの比較で批判してみようと思います。

※ここに記載したことは個人的な見解であって、個人年金保険が合っているという人も居ると思うので、万人にとって個人年金保険が悪いとは言えません。

<個人年金保険の概要>
契約年:2011年
払込完了年:2049年
積立金額:¥21,060/月
受取金額:¥120万/年(60~70歳の10年間)

私が学生時代に父親が他界し、母がその半年後に契約したものを就職してから引き継いだもので、引き継いだ当時は金融のリテラシーが今より低かったと言いますか、「老後のために貯蓄しとくの大切だし、就職したのだから自分で払おう」くらいしか考えておらず、他の貯蓄手段を調べたりはしていませんでした。うーん、ダメな若人でしたね。しかも実家にたまに出入りしていた保険会社の担当者経由で母が契約したものなので、父が他界したことを聞いた保険会社がカモろうとしてたのでは?と邪推してしまいます。

さて、この個人年金保険で満期まで払い込みを続けて、どれくらいの利益が見込めるか計算してみます。受取金額と払込金額の差分と控除税額を利益とします。控除税額は旧制度のものを適用します。

受取金額↓      払い込み金額↓
¥120万/年×10年-¥21,060/月×12×38年 = ¥2,396,440
所得税控除額 住民税控除額
(¥50,000/年×10%+¥35,000/年×10%) × 38年 = ¥3,230,00

ということで¥2,719,440の利益となり、利回り(収益÷運用年数÷投資金額×100)を計算すると、0.745%となりました(えっ…利回り0.745%ってクソじゃん)。

なお、受け取るときに課税される分は無視してます。

<積立nisaの概要>
個人年金との比較のため実際の条件ではないですが、下記のように想定してシミュレーションサイトで利益を計算しました。

投資タイプ:積立
積立金額:¥21,000/月
利回り:5.0%
積立期間:38年

これで計算すると利益は
受取金額↓   払い込み金額↓
¥27,759,349 - ¥9,576,000 = ¥18,183,349
となりました。

1550万くらい積立nisaの方が得ですね。しかも保険会社に支払ったお金は運用しているはずですから、仮に1800万くらいの運用益が出たとして、もらえるのは240万程度。「どんだけ中抜きすんねん、保険会社」と思ってしまいます。

また最近の日本の物価上昇も見逃せません。下記Webサイトによると、1994年~2024年の30年で物価は1割上昇したとのこと。ここ2年の物価上昇が激しいことから、個人年金保険料や積立nisaの積立額を支払っている間に物価が2割上昇したとします。すると個人年金保険で受け取れる1200万の価値は2割減の960万。ほぼ払った金額と同額じゃねーか!→ うん、続ける意味ないねという結論になりました。

まあ個人年金保険を擁護するとすれば、受け取れる額が決まっているので、単純な払い込み金額と受け取る金額の比較では絶対損しない、というのはあります。それでも、38年間コツコツ2万円を使えないお金として老いた自分のために用意するモチベーションにはならないです。母親に個人年金の契約を薦めてきた保険会社の担当者はやってくれましたね。今気づいて良かった。

さっそく個人年金保険は解約の申し込みをしました。これまで積み立てたお金はすぐに使うわけではないので、とりあえず払い込みだけ停止して払い済み保険にして、いざというときの生活防衛資金として置いておこうと思います。途中解約すると払戻金は支払った金額より20万くらい少ないようなので。








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