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熊野古道伊勢路を歩く。(3日目その1)

古道歩きを予定していた日に雨が続き、1月ほど空いてしまったが、巡礼の道は、熊野に「呼ばれた」時に行くものだからと、焦らずにどんと構えることにした。そう考えると雨が降ってもハッピーだ。

次に熊野に呼ばれたのは4月半ばのころだった。
今日は、気合いを入れて最近の「推し」東野幸治Tシャツに決めた。地元で着るのはのはちょっと勇気がいるのだが、(東野さんは私たちの気持ちを汲んでぱっと見分からないようなデザインにしてくれている優しき人)ここなら大丈夫だろう。そして、もし気づいてくれる人に出会えたら、それはそれで嬉しい。

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今回は2日かけて熊野古道を歩く。まずは紀伊長島に車を停め電車で前回のゴール地点の滝原駅まで戻った。滝原を出発し、阿曽、柏崎と先ほど電車から見た景色を巻き戻すかのように歩いてく。

季節は巡り、一面に広がる田んぼには水が貼られて雲が水面に写り、遠くには少し遅めの桜が咲いていた。この季節にしか見れない、今だけの景色。天気もよく、バイカーが多い。すれ違い際に手を振ってくれるのは、東野幸治Tシャツがばれているのか。。。

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お昼は、大内山インター付近にあるうどん屋さん「宮路」でカレーうどん。
アクリルボード越しに、「黙食」と書かれていた。2年前の私には全く意味が分からない方式で静かにお昼をいただく。本棚に漫画に混じり小説が少し置いてあった。背表紙を見ていると私の本棚にあるが3冊あった。なんかいい感じ。

腹ごしらえが澄んだら、再び歩く。今日も舗装された道が多く、そろそろ山道が恋しくなり、ようやく宮川沿いの遊歩道が近づいてきたが、通行止めの文字が目に入った。迂回路の42号線に戻る。残念ではあったが、このルートを通れば、大内山牛乳のアイス屋前通る事になる。これも神様からのギフト?神の思し召し?バイカーに混じってアイス休憩を採って至福のひととき。

そして、また歩き出し、梅ヶ谷駅到着。当初はここまでっていうのもありかな、と思っていたが、まだ歩けそうなので峠越えをすることにした。ここからは峠が2つに分かれる。熊野開拓時に出来た「ツヅラト峠」と江戸時代に新しくできた「荷坂峠」だ。今日泊まる宿の方から「今は荷坂峠のヤマツツジが見頃」と聞いていたので、今回は荷坂峠を越えることにした。(荷坂峠の方が道も楽そう)

荷坂峠の手前に、謎の檜の無人直売所があると職場のハイカーさんから聞いていた。すぐ見つかった。店主のユーモアと癖の強さを形にしたようなお店だったが、旅の疲れをほどくにはいい場所だった。

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「防犯カメラ録画中」と、「何事にも正直に生きる人は良い人生を送れる。」人間にとってどちらのコトバが効果があるのだろう。

また少し歩くと、峠の入口が見えた。ここから、伊勢の国から紀伊の国への峠越えが始まるのだ。



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