24/5/20 📚『未来の年表 業界大変化』

本書では、人口減少・少子高齢化による日本の産業への影響を述べている。

◎自動車業界
 自動車は、人口減少によって車需要減少が減少する。特にガソリン車は、各国による環境問題への対応から、需要減が見込まれる。(最近では、EV車の人気が落ちているというニュースもあるが、、) 今後は、ガソリンスタンドが減り、水素ステーションに切り替わる過渡期を迎える。水素ステーションを不要とする軽EVが普及する。
 整備士も不足する。背景には、大学進学率の上昇(他の職も)、若者の趣向変化がある。
 
◎金融業界
 ネット銀行の登場により、メガバンクでは効率化に対応するための統廃合が進んでいる。具体的には、実店舗削減、システム化である。そして、余剰人員の役割をコンサルにしようとしている。先端IT人材が不足している。

◎食品小売業界
 人口減少、高齢化によるマーケット縮小、便利さのニーズ変化で、淘汰が起きている。例えば、様々なものを売っている大型スーパーはかつて便利だったが、高齢者は品揃えよりも、距離の近さを重視する。

◎新聞業界
 各地通信部への常駐が困難になり、素早く現場に取材に行けるという強みが消失している。また、物流問題で配達が困難になっている。

◎運送業
 ドライバー減少で輸送能力が落ちている。にも関わらず、ほとんどが中小企業であるという構造により、企業間の競争激化で、無理な取引が蔓延している。結果、ドライバー負担が重くなり、さらなる人材不足につながっている。つまり、人々が便利さばかり求めていても、サービスが持続しないといえる。

◎農業
 家族経営、個人経営態が減少している。今後、介護などによる引退、温暖化により既存のものが作れなくなるといった問題から、さらに引退者は増える。
 日本の食料自給率は低い。フードテックに期待がよせられる。

◎鉄道業界
 テレワークの普及で移動が減る。

◎医療
 社会保険費が税金で賄えなくなり、現在のように誰もが安く医療を享受できなくなる。医療学生も減る。

◎寺院
 現状、寺院の収入がたらない。葬式などを簡略化する過程が増えたからである。よって、拝観料を主な収入源とする観光地以外は大変

◎葬儀屋
 市場は拡大、しかし小規模が増えている。

2部 戦略
 人口減少を受け入れて策を出すことが必要である。
①国内マーケットでパイの奪い合いをしない

②戦略的に縮む
需要と供給力が追いつかなくなる

③薄利多売をやめる
お金のない若者が増え、人口減につながった高利商売と薄利多売のハイブリッドもあり

④ブランドと特許をセットで
日本は特許に疎い(2000年代の半導体のように)
人口減少社会では、水平分業が増える。交渉カードとして使える。

⑤無形資産投資へのシフト
有形資産投資は、新興国に有利
アメリカは、無形資産投資に力を入れ、データビジネスに情報の非対称性で買った

⑥日本も企業もスリム化を目指すべき
dxを活用して会議を減らすなど  

⑦外国人人材
現時点でも、経産省の予測より足りない
低賃金で使ってきた、日本に来てくれなくなる

⑧一人ひとりの労働生産性向上、スキル向上
経営戦略に合わせた人事戦略、その結果組織への愛着に
残す人材のスキルアップに注力するpあ

⑨年功序列をやめる
今までのように新入社員は多くない
年功序列は若者のやる気を削ぐ
みずほは2024年から終身雇用をやめた

⑩若者を分散させない
若者を分散させるとマンネリズムにはまり、先輩の型にハマったやり方を真似するようになる
中途よりも若者の方がイノベーションを起こせる
若者が切磋琢磨できる、競争環境をつくる
他の企業との交流会の設定

11 居住地域もまとめて人口密度もあげる
商業が成り立たなくなる

12 アフリカの人口が1/3を占める
馴染みのない国との交流

このように拡大よりスリム化を目指すべきだが、企業は人口に見合わない商業施設を出している。日本経済は瀬戸際だと言える。

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