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めくるめく季節の淡夢

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2023年月1連載小説。 BOOTH、文学フリマ京都7にて販売した小説カレンダーに書かれた短文を元に書きました。月が落ちてきた世界で、唯一の光だった彼女を探す少年の話。
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#7月

【小説】灰に祈りを込めて眠る

前話  この湖では雨が降らないと知った。だから彼女に雨の話をしてもきょとんとするし、そもそも雨を見たことないと言うのだ。 「それって、君の力だったりするの? 君の回りでは絶対に雨が降らない、とか」  えー? と少し馬鹿にするような声をあげたが、すぐに表情を変えて、どこか納得したように、あー、と言って言葉を続けた。 「そういうのがあったりするのかな。月で雨が降らないのは、私たちにそういう力があるからなのかもしれない」  考えたことなかった、とこぼす。興味が出てきたのか、顎に指