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イギリスの花好きの人たちは。。

NAFASとは

 イギリスでフラワーアレンジメント好きが集まるといえば、NAFASという団体が挙げられます。
 NAFASとはThe National Association of Flower Arrangement Societies の略で、全国フラワーアレンジメント協会とでもいうのでしょうか。1959年に設立され、全国の各地域のフラワークラブが所属しています。入会条件は「お花好き」であればよく、全くの初心者の方からフローリスト、デモンストレーターなどのプロの方まで約3万人のメンバーがいるそうです。
 自分の住んでる地域のクラブに入り、月に1回のミーティングが基本です。アクティビティ内容は、テーマに沿ったアレンジメントのコンペティション、講師を呼んでのデモンストレーション、さまざまな展覧会へのエントリーなど。私の所属しているクラブでは夏にアフタヌーンティーをお庭で開いたりなど、楽しいイベントがたくさんあります。
 

NAFASのデモストレーション 観てみよう


 クリスマスも終わり、楽しいことがない1月。
 隣の地区のフラワークラブでMorgan-Douglas Nuthさんのデモストレーションがあるというので、少し遠いですが見に行ってきました。
 自分の所属するクラブではないので、ビジターとして6ポンド払います。ついでにクジ引きの券も購入。このクジ引き券、デモストレーションが終わった後に抽選会が開かれ、当たると好きなお花がもらえるというので大人気です。
 クラブで開催するコンペ作品を見たり、温かい紅茶やコーヒーとビスケットをつまみながら隣の人と世間話をしながら始まりを待ちます。
 
 Morgan-Douglas さんはフローリスト、デモンストレーターとして活躍され、コンペティションのジャッジとしても世界中を飛び回られているそうです。
 今日のアレンジメントは全てフォームフリー、つまりオアシスのような資材を使わないスタイルです。この数年、sustainable をテーマに、プラスチック吸水スポンジを使わないアレンジのコンペや展覧会が増えています。
 普通のアレンジメントではチキンワイヤーなどを使うことが多いのですが、Nuthさんの取り出したのは丸いワイヤーのハンドタイホルダー。真ん中は紫の毛糸の円盤が張り付いてます。
 周りのワイヤーにエレンジウムやバラを入れていきます。まるで真ん中が潰れたカンカン帽のようです。

Nuthさん


ワイヤーもテープが巻いてあるのでやさしい感じです

 一番大きな作品もワイヤーで作った大きな楕円形のホルダーにあらかじめ鳥の羽がデコレーションされていました。バラ、アガパンサス、クレマチス、エレンジウムを入れていきます。迷うことなく、花の位置が一発できますのがすごい!しかもトークが途切れることがないのです。お花に関係すること、ないこと、とにかくお話が上手。例えばこの鳥の羽もサステイナブルなもので、羽根をとるために鳥は殺してないよー、なんて。
 話に気を取られている間に、素晴らしい作品が完成しました。観客のおばちゃまたちから、wonderful!の嵐です。

長さ1m近くありました。


黄緑とうす茶色の花はlisianthus トルコ桔梗
とても変わっているけど使ってみたい色使いです。

 全部で6作品を1時間半の間に完成させました。
 作り終わった作品は全てくじ引きに当たった方がもらえるので、観客のみなさんワクワクしてます。心の中で、あの一番大きな花束は家のどこに置こうかとドキドキもしてますが、結局私は全てハズレ。
 全作品の中で私が一番気に入ったのは、これです。

丸太と試験管の組み合わせはサステイナブルなアレンジの定番なのかな

 NAFASのメンバーの方は年齢層がお高いのですが、みなさん勉強熱心でお花好きなのがすごく伝わってきます。私の斜め前に、とても鮮やかな紫色のセーターを着て、お揃いの色のイヤリングとおしゃれなおばあちゃまがいらっしゃったのですが、なんとその方はこの1月に90歳になられたそう。ジーンズに黒いトップという、部屋着そのままで来ていた私は恥ずかしかったです。
 ワイヤーの活用法といったアレンジメントの勉強だけでなく、いつまでもお花を楽しめる心を持ち続けたいなと思いました。
 今日の花、carpe diem。


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