第6話 語順に忠実であること
セクション1 まずは読んでみましょう
“Science and religion: God didn’t make man; man made gods”
これは10年前のとあるオピニオン記事です。
How Children Raise Parents: The Art of Listening to Your Family
How Parents Can Raise Resilient Children
Amazonで見つけた本のタイトル2冊です。
高校生の頃にこんな思い出はありませんか?和訳するのに単語をつなげて必死に体裁を整えたものの、結果をみると部分点すらもらえなかった。実は僕もなんとなく解いてしまっていて満点はもぎ取れていませんでした。ちゃんと確実に読めるようになったのはその後に数年かかりました。
ではそんな話を<セクション2>から綴ります。
『科学と宗教:神が人間を作ったのではない。人間が神々を作った。』
『いかにして子供が親を育てるのか:家族に耳を傾ける技術』
『どのようにしたら親がめげない子ども育てことができるか』
セクション2 英語における語順
第3文型と第4文型の話だと予告するので、文法に明るいひとはもう見当つきましたね。
日本語と英語を比べます。
英語では順番を1箇所でもいじると成り立たなくなります。日本語だと「英語を『私は』勉強します。」「勉強します!私は英語を。」でもオッケーですね。3P3通り、つまり6通りの可能性があります。表現したいニュアンスに合わせて選択します。
3枚のカードをどのようにシャッフルしても成り立つのは、『てにをは』が単語に役割を添えてくれるからです。ほかの言語でもドイツ語がハードルが高いのは、活用が多いのが理由の1つです。1つ1つの単語の役割が、文法という規則に内包されています。
英語に戻るとIとEnglishには何の札もついていません。動詞learnを挟んでIとEnglishがどのように並ぶか。文を決定づける全ての拠り所がそこにあります。5文型にやたらにこだわるのはだからです。逆に言えばそこさえ押さえて体にすり込めたらこんなに単純な言語はありません。だから世界共通語です。
<セクション3>から慣れて行きましょう。英語はほとんど使わず説明します。
セクション3 第3文型
第3文型です。
体験してイメージを掴むのが目的なので、ここから日本語だけでいきます。
大学が看護学科を新設する→看護学科が大学を新設する(✕)
野球部コーチがクラス担任を叱責した→クラス担任が野球部コーチを叱責した
(生徒をめぐって色々あるんですね~)
神さまが人間を作った→人間が神さまを作った(深い!)
母親が子どもを育てる→子どもが母親を育てる(深い!)
<セクション4>はそのまま第4文型のケースです。
セクション4 第4文型
第4文型です。本来SVOOなので箱が3つに増えます。ですが今回はO1とO2だけを入れ替える実験をしましょう。間接目的語と直接目的語とおっしゃります。
再び入れ替え実験です。
フライデーに親友を売った→親友にフライデーを売った
(読み終わった雑誌を転売したことになりました。)
子どもにお金を預けた→お金に子どもを預けた!?
(これあげるからお利口に留守番するんだよ。1万円札が子どもに渡りおとなしくなりました。)
<セクション5>でまとめます。
セクション5 自明でない文
「お金に子どもを預けた。」
これを日本語を勉強中の外国人が発したら、ほほ笑ましく思うでしょう。でも著名な文学作品の一節なら頭をねじって解釈するんじゃないですか?
…
振り返ってみましょう。テストで知っている単語をなんとなく繋げて和訳することがあります。それは自分の常識の範囲内でしか考えていないということです。
文章というのは当たり前の内容しか書いてないと、面白くないしメッセージが浅いです。言い得て妙という文章は、たいがい常識を超えて視野を広げてくれます。これを読んでいるあなたが、もしも難関大の入試を控えている受験生だったとしたら、得するというおまけ付きです。
…
Man made gods
Children Raise Parents
文法に則して、書いてある通り忠実に読むことの極めて重要な意義でした。
第6話 語順に忠実であること
おわり//
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?