闘病しながら学ぶということ 〜60分は魔法の時間〜
昨年の夏、私はこんな記事を書いていた。
今振りると、この時間の短さには我ながら驚きを隠しえない。
私は学生なのだから。
でも痛みや倦怠感には逆らうことはできず、その時できる「数分」を大切に、こつこつ学び続けていた。
あれから半年以上が経ち、季節は新緑の季節へと変わっていく。
必死に病と闘い続けた半年間であった。
この春になって、ありがたいことに私の体調は劇的に回復した。
今私が一度に勉強できる時間は20分前後。
1日に60分勉強できる日が増えてきた。
大好きだった本も少しずつ読めるように。
毎日の色が鮮やかになった。
もしあのほぼ寝たきりの時に学びを諦めてしまっていたのなら。
夢を捨ててしまっていたのなら。
きっと今の私はなかったに違いない。
笑われてもいい。
馬鹿にされてもいい。
それでも私は、今できる学びを貫きたかった。
寝転びながら洋楽を聴くこと。
英語で独り言を言うこと。
以前読んだ本の内容を頭の中で反芻すること……
ベッドでできることはこのくらいだった。
でも「このくらい」と思っていたことが、大きな大きな支えとなった。
瞼も開かないような日、私はいつも祈っていた。
「神様、もう一度本を読ませてください。私の瞳を自由にしてください」と。
その祈りが今、天に届いたのだと私は感じている。
今ある60分は魔法の時間。
この時間があるからどんなことにも耐えられる。
天からの贈り物の60分、その幸せを噛み締めながら今日も机に向かう。
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