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生まれてはじめて鼻毛を切った

生まれてはじめて鼻毛を切った。

アナ雪のエルサは生まれてはじめて音楽に乗り踊り明かすというのに私は生まれてはじめて鼻毛を切った。えらい違いである。もう舞い上がりそう?

今朝、1限前起床に成功した私は意気揚々と洗面所に向かった。顔を洗う前に鏡で自分の顔をまじまじと見る。新参のニキビやその他もろもろを確認するわけだが、私の視線が鼻を通過した瞬間、警告音がけたたましく鳴り響いた。

ダアアアアアアアアアアア!!!!!ダアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!鼻毛エエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

私は人間なのでピーッピーッとは鳴らない。ダアアアアアアアアアアア!!!!!は鳴る。そう、鼻毛が黄色い線の内側を乗り越え、人身事故待ったなしの位置にあった。私が駅だったら線路内立ち入りでなんたら線を1時間運転見合わせにしていた。

私の家系は体毛が薄い。頭はともかく、腕とかすねとか眉毛とか、他の人に比べたらかなり薄い方である。そのため、脱毛サロンの世話にもならず、カミソリで体をなでたり美容院でそこそこに梳いてもらったりしていい感じに生きてきた。世の中で見えたら萎える毛ランキング1位こと鼻に関してもご多分に漏れず、これまで真下からのぞき込んだりしなければ鼻毛は見えなかった。

そもそも鼻毛は衣服を発達させたヒトが今もなお必要に迫られている毛の一つである。

フィルターとしての役割
呼吸することで、ほこりや病原体などが体内に侵入するのを防ぎ、異物が気管支に入り込まないようにします。
乾燥を防ぐ
鼻の穴の中の湿度や温度を一定に保って、粘膜を守り、乾燥するのを防ぎます。 出典:https://panasonic.jp/mens/face/hanage.html

頭髪以外のあらゆる毛を刈り取るべく渋谷や新宿には脱毛サロンが唸りを上げているが、彼らですら鼻毛に鎌を振り下ろすことはほとんどない。(ところで、出典のhanage.htmlにじわじわ来ている)

脱毛の聖域、鼻毛。

その割に当たり強くない?

とにかく、私の外的世界にも鼻毛が侵食しに来た。やることはただ一つ(ここで東京大学の歌を流す)—鼻毛伐採。

今が国民皆マスク時代でよかった。あくまで自分だけのこととして鼻毛伐採を終えられる(のに、どうしてnoteまで書くのかというと、ネタにして誰かに開放することで精神の治癒を目指すためである。という御託は別にして、鼻毛って存在が面白いよね)

マチュモチョキヨチに鼻毛切りを買いに行ったら、「セーフティはさみ」なる名称で売られていた。動揺して隣に売ってた耳かきも買ったし、内なる女子の回復を目指して酵素洗顔も買った。たかが鼻毛でマチュモチョキヨチの売上に多大な貢献をした。2000円以上お買い上げで1割引きなので、セーフティはさみは750円ほどである。

(なんで耳かき2本もついてくるの?)

このはさみ、セーフティという名前を冠している割に全然セーフティじゃない。刃物を鼻に入れるなんて布団の上でセルフ散髪した3歳のアヴァンギャルドわたしでもしなかった。刃先を丸くしただけでヒトを守った気にならないでいただきたい。

いざ、伐採

例の洗面所で、そろりそろりとセーフティはさみを入れる。待ってめっちゃ怖い。これ切れてるの?などと震えても社会は何も変わらない。咳をしても一人、鼻毛伸ばしても一人。

一度はさみを下ろし、みんなの同居人グーグル先生に鼻毛の切り方を聞く。左手で鼻を軽く開くといいらしい。いやいやいやめっちゃ怖いって。いくら鼻毛が出たからってもともといっぱいあるわけでも超ロングなのがあるわけでもないので、その作業は難航を極めたのだ。

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伐採終了

あれよあれよでなんとなく作業を終了した。右鼻が少しすーすーする。大切なものを失った気さえする。終わりましたと断言できないのは、そこまで頑張ったら確実に毛以外も切ってしまうからである。マチュモチョキヨチのセーフティの名を汚してはいけない。安全〇〇系のグッズを安全に使うのは消費者であり、グッズが安全にしてくれるのでは必ずしもないのだ。

美少女は鼻毛なんかないしトイレもしない。平穏を取り戻した鼻と共に明日の練習も頑張るゑぬたきであった。

おまけ

そうなんだ、、、

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