2019年5月から12月までに見た舞台メモ2

民藝『野の花ものがたり』(金沢市民劇場例会)
2019年9月27日、29日
ふんわりした雰囲気のタイトルでポスターもふんわり。例会あるあるなんだけど、こういうイメージの作品ほど印象に強く残る。
実在のホスピスの日常を描いた舞台。劇的な事件があるわけではなく。誰が話の中心というわけでもなく。診療所の医師の奮闘紀でもなく。でも飽きない。それぞれの登場人物にどんどん感情移入していく。
患者、その家族、そしてボランティアを含む医療スタッフすべてが個人でありそれぞれに物語があるのだということを、滑らかに一つの作品としてまとめて伝えていたと思う。
とても見ごたえがあった。


カムカムミニキーナ『両面睨み節~相四つで水入り(りゃんめんにらみぶし あいよつでみずいり)』(座・高円寺)
2019年11月16日ソワレ観劇。
2014年『G(ギガ)海峡』を見て、テーマがとてもツボだったのでもう一度見たいと思っていたカムカムミニキーナ。念願がかなった。ツボだったけどフラッと見に行きたい雰囲気の芝居だと感じていて、なかなか遠征できずにいたので、他の用事とかぶせての観劇。
今回も古代史の解釈がとってもツボだった。座・高円寺は初体験。もともとの用事が神田駅付近で、なかなか遠かったけど、同行してくれた方がいろいろ詳しくて助かった。
途中で携帯の電源が落ちてしまって、一人だったらまず神田まで帰れないしホテルもわからないしで、途方にくれるところでした。
でもなんだか満足。行けて良かった。


水木英昭プロデュース『蘇州夜曲』(紀伊国屋ホール)
2019年11月17日マチネ観劇。
急に観劇できることになっていろいろ調べていたら、山本一慶と桑野晃輔の名前を発見。
興味のある二人だったし、チケット発売もこれからだったのでキャスト先行やらなんやらやってみたら抽選で2回の落選。こうなったら意地でもとってやるとがんばって結果取れたんだけど、2回落選したのに満席じゃないってどういうことだろう。
水木英昭プロデュース公演の人気演目らしい。
昭和っぽさ満載のヤクザもの。
初めて見る山本一慶と桑野くんはとてもよい雰囲気の二人だった。一慶さんの声はとても好きだなと思った。
これまで何度も見る機会があった河原田くんは安定の河原田くんだった。初めて見るテジュはものすごくよかった。
東京じゃないと見られないキャストが見れたのは嬉しい。
しかもお見送りがありまして。結構狭い通路で、並んだキャストと壁の間をすり抜けるように客が通るという、すんごいイベントでした。
お見送りがある舞台はわりと聞くけど私は初体験。
いい経験しました。


『~崩壊シリーズ~「派」』(北国赤羽ホール)
2019年11月20日観劇。
これは「当たり」でした。ありがとう。赤羽ホール。
一度安西慎太郎くんを見たかった。このシリーズが何なのか知らなかったし、安西くんと山崎樹範、そして松島庄汰以外のキャストはわからないし、でも舞台好きの友人に言ってみたらいい反応だったので楽しみにしていた。
サイドブロックではあったけど最前列。
そして期待以上。
単純に楽しいし笑えるし面白かった。組み立て方とか役者の演技の上手さとか、カチっと嵌っての面白さだった。
安西くんは期待通り。ダメな男を上手く演じてた。次はこれは惚れるでしょ!って言う役を生で見てみたい。
松島くんを生で見たのは『八犬伝』金沢公演だけかなぁ。なんだかもっと見ている気がする。
とってもイケメンだった。
目の前に立つことが多かったのでそのイケメンっぷりとスタイルの良さに感動した。
前島亜美ちゃんがすごくよかった。舞台上では貫禄があったのに、調べてみると年齢が若くてびっくりした。振り切れっぷりが強く印象に残った。
山崎さんはドリフ的な笑い(2階の廊下の床が抜けたり、階段から滑り落ちたり)を一手に引き受けていたような気がする。いろいろ絶妙。それ以外ももちろん。
セットの動きと役者のタイミングや、音や光のタイミングもとても良かった。
文字が書かれたパネルの使い方もすばらしかった。1枚のパネルに一文字書いてあるんだけど、もともと法廷が舞台だったから法律っぽい言葉が書かれていたと思う。7文字くらいだったかなぁ。それが一文字落ちたり入れ替えたり、いろいろな言葉に変わっていく。それが爆笑のネタだったりする。
よくできた舞台だった。面白かった。名前挙げなかった俳優陣もすごくはまっていた。
またこういう見ごたえのある作品が赤羽ホールに来ますように。

加藤健一事務所『パパ、I Love You』(金沢市民劇場例会)
2019年11月24日観劇。
コメディでした。これもドリフっぽいドタバタだったけど、女性のスカートがめくれてお尻が丸出しになったり呆けたおじいさんの暴走の仕方だったり、笑いのネタが好みじゃなかった。
会場の雰囲気はとても良かったので、作品としては大成功だったのかもしれない。
コメディは作り手と感性が合致しないと白けてしまうので難しい。
受け取るはずだったテーマが見えなくなってしまって「ただのドタバタ」としか感じられなかった。

劇団コント鍋『コント鍋vol.7』(@ DK art cafe)
2019年12月14日観劇。
役者が上手いとコントは面白い。前回に引き続きそう感じた。
ネタは全体的に今回のほうが面白かった。
クスリの話はラストはやりきって欲しかったなぁ。
「クスリ、ダメ、絶対!」というセリフをつけて言い訳のようにしてしまったのはもったいないなかった。

10/5~12/14 金沢市民芸術村「げきみる」参加作品(金沢市芸術村ドラマ工房)
かなざわリージョナルシアター劇評ブログに投稿しています。
書いてない2本は見たかった2本だったので、残念でした。


下記の作品も見ました。
2019年7月27日 前進座『裏長屋騒動記』(となみ演劇鑑賞会例会)
2019年8月11日 トム・プロジェクト『A列車に乗っていこう』(能登演劇堂)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?