見出し画像

スピード違反で免停

昔スピード違反の60kmオーバーで一発免停になったことがあって、「こんなプロセスが始まるのか」。と勉強になったので、記録として記しておきます。
 
オービスに60kmオーバーで記録されてしまったようで、所轄の警察署から呼び出しがありました。警察署で取り調べです。

地元から離れた旅行先では交通違反しないように気を付けましょう。取り調べは必ず検挙した地域の警察署が行いますので、その場所までもう一度行かなければなりません。
 
取り調べというのはようするに本人確認と事実確認です。
「あなたは○○月××日、~号道路の△△交差点付近で時速□□キロメートル・・・間違いないかね?」
「オービスのフラッシュが光ったのは気付いた?光は何色だったか覚えてる?」
「光の色?白でしたかね・・・?」
「いや、赤なんだよ。オービスは赤外線で撮影しているからフラッシュは必要無いんだ。あの光は本人に知らせる警告のために光らせてるんだよ。」

この会話のくだりは何だろう?それは後から分かりました。
 
オービスの写真にはマヌケな私の顔が鮮明に写っています。
「これは君本人で間違いないね?」
「はい、間違いないです。」
 
この本人確認が重要なプロセスです。検挙されるのは運転者であって車のオーナーではないので、ナンバーと所有者が特定できても検挙には至りません。あくまで運転者が誰だったか、という特定作業が必要になります。
 
世の中には猛者がおりまして、覆面で顔を隠し、「この運転手は私ではありません」と言い張る人がいるらしいです。
じゃあだれが運転しているんだと聞くと、
 
「私の知らない人が運転していますね。私の車は誰でも運転しているので。」とか言うらしいです。
 
そこで冒頭の赤いフラッシュの話です。予め会話を挟んでおくことで「さっきフラッシュを見たと言ったじゃないか」と言質を取っておくのです。警察官の会話にはこんな仕掛けが随所に仕込まれています。

さて、これで裁判用の資料が出来たので、次は簡易裁判所からの呼び出しがあって裁判になります。
簡易裁判は読んで字のごとく「簡易裁判」で、スピード違反の人が一列に並んで次から次へと裁判を受けていきます。「流れ作業裁判」みたいな感じ。「次の人~」みたいな。他の人の裁判も丸聞こえ。
 
検察官が読み上げる事実確認(警察署で訊かれたのと同じ内容)を「間違いないですね?」と訊かれ、認めると「はい、じゃあ科料12万円になりますから。③番の窓口で納めてください。後日免許停止の行政処分通知が届きますから。今日はこれでおしまい。次の方!」
 
変な話ですが一発免停となっても行政処分が確定するまで免停は発効しないので、裁判所へは車で来て車で帰ります。
 
これまたへえー、と思ったこと。この「流れ作業裁判」の中でも必ず一定数の「抵抗する人」がいます。検察官に対して熱弁を振るい訴えます。
 
「この場所はね、下り坂が続いたちょうどあとの所なんですよ!アクセルを踏まなくてもね、自然とスピードが出てしまう所なんです!普段私はね、ムチャな運転なんて全っ然いたしません!たまたま、ここだけでスピードが出ただけなのに、それなのに!」

私は後ろで「早く帰りたいからやめてくれよ。」と思います。
検察官は答えます。
「そうだね、うーん、分かる!下り坂のあとはスピードが出るよね。
でも、ルールだから!
 
そして私は検察官に対して思いを馳せます。
この人も苦労して司法試験に受かって。検察官になる国家試験も努力して受かっただろう。なのに毎日毎日行列に並ぶ一人ずつに5分おきに「はい12万円」とか、「分かるけどルールだからね!」とか一日何百人相手にしているのだろう。そのうち異動もあるのだろうけどこれを何年続けるのだろうか。田舎のお母さんも検察官になった息子に鼻高々だろうに。守秘義務があるから業務の内容は露知らずにねえ。
 
公務員の皆様は大変だなあ、と同情いたします。
 
そして免停期間を短縮するための試験場講習会で、また私は次の公務員のお方にお会いしました。
 
私のようなスピード違反はまあ何でもない普通の講習なのですけど、これは伝え聞きだけなのですが、酒気帯び運転免取対象の講習が全く様子が違うらしいです。
 
あくまで私が聞いたエピソードで、全ての都道府県でそうかどうかは分からないのですけれど。
 
講師は当然警察官です。最も怖い方がおいでになるそうです。
朝一教壇に立った冒頭、
「免許取り消しになってよくもまあオメオメと。また免許を取りに来ようなんてやってきたなあ、この人間のクズどもが!!」と言われたそうです。
 
地元の喧嘩自慢のヤンキーとかも、講習中に全員泣かされるらしいです。
だからというわけではありませんが、本当に飲酒運転はやめましょうね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?