【インターン記録.3】ここは道がまっすぐで

どこを見て歩くのか
右目の下にちょっとワイルドな傷ができた。
歩いて移動している時に、枝が引っかかってきて、目の下に小さな小さな、傷ができた。

道が直線だったから、ぜんぜん前を見ていなかった、かもしれない。荷物が重たいなとか、考えながら下を見ていたかもしれない。でも時々、空が綺麗だからと上を見たりもした。記録用にとスマホのカメラを通して、何かを見たりもした。

いつもどこをどうやって見て歩いてたんだろう。
ふと、そんなことも考えた。150cm弱の自分の視界から切り取るものと、他の人の切り取るものではそれもまた違うのかもしれない。



海へ
土曜日は大掃除をして、午後からお出かけすることに。

諏訪神社にて、おもしろい宮司さんと出会う。
話しかけてくださって、少し話す。
能登の地震と東日本大震災を比較して話されていた。震災を経験した人たちは、地震について自分ごとの感覚を持って話されているような印象を受ける。

昼はパッタイを。
唐辛子パウダーかけたらいっぱい出てきて焦る。
良い味、セルフサァービス。

そのあとは海をめがけて、進む。
途中、少し街を見下ろせる、ひらけた場所を見つける。

上を見る。おおきな空が広がっていた。

海に着く。おおきな波が押し寄せてきては帰って、繰り返していた。ザバーと大きな音を立てている。まだ、これがまちに襲ってきたんだと信じられない。犬が1匹いた。とても元気な犬。散歩する人も何人かいた。
砂がサラサラだった。手に入って、握っても、すぐにほどけた。

海の近くには防災林の植樹がされていて、少し歩くと駅と建物がポツポツとあって、なんだかよくわからない光景が広がっていた。おしゃれな海辺というよりは、ただ、海。というかんじ。

帰るとすっかり暗くなった。その日も星がたくさん出た。



富岡町を学ぶと富岡町で暮らす
日曜日、アーカイブミュージアムへ行った。
アーカイブミュージアムは震災遺産がたくさん残されていた。それ以外にも古くの歴史もたくさん展示があった。展示のテーマは「日常」。

感想シートを読んだ時に、数ある意見の中で、あるひとつに、「綺麗にまとめすぎ」という意見があった。

日常をどう見せるか、というのは確かに難しいことだと思う。まとめて、見せて、その中には要約という作業ができてしまう。

たまたま古本市がされていた。
児童書を見て懐かしい気持ちに。

「暮らしてわかること」ってなんなんだろう。
現地に来て震災について聞いたり見たりして知ること、学ぶことも、スーパー行ったり、掃除したり、町中華とかタイ料理屋さんでたまにごはん食べたりするのも全部が日常。別にそれどこでやっても一緒やん、みたいなことしてみるのもまた、自分の日常になっていく。

上を向いたり、下を向いたりしながら、
あとは右と左もある。
まっすぐ前を見るだけだと、
疲れてしまうから、
頑張ろう とか 前を向いて だけじゃないところが強調されてもいいのかもしれない。

時には後ろを向いてみてもいいのかもしれない。
そしてまたちょっと進めていけたら、いいのかもしれない。

時に、震災のことと今の暮らしをどうやって見ていけばいいのだろうと迷う時がある。向かい合うだけでない関わり方?もあるのかもしれない。
実際に私もインターンという窓口からこの地に入って、わからないまま生活していたら、少しずつ少しずつ震災のこと、原発のことに興味が湧いてきている。

夫婦、太郎、次郎があって、三郎はなかった。

インターン先でも教わったように、
平行な線を交わらせていきたい。

肩の力を抜いて、ずらして、何かを交わらせていきたいなと。うまく言語化できていないような気がするけれど、いろんな方向をみながら進んでみると、よくわからないタイミングで時々すっと落ちてくることもある。
まっすぐな道をただ進んでいるだけでは、気がつかないこともあるのだと、
木の枝で怪我をしたり、
散歩しておもしろい場所を見つけたり、
アーカイブミュージアムで学んだりしながら、
気がついた話。

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