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3Dプリンターで作ったもの紹介 その4

どもどもYanでっす。

本日のお題は「3Dプリンターで作ったもの紹介」の第4弾です。

色にこだわる!

塗装の仕事をやっていたり、フォトグラファーとして仕事をしていたりするので色味にはこだわりがあります。色って難しいんですよ。

人間の目に入ってくる色って「色がついているものに光が反射して目に入ってきたもの」と「物自体が発光していて、それが目に入ってきたもの」の2つに分かれます。

テレビやスマホ、パソコンの画面なんかは後者。写真や本は前者になります。塗装したフィギュアとかは前者ですね。

色が難しいというのは、前者の場合に対象を見る場所の光次第で色が変わって見えてしまう。つまり見る人の環境で色が変わってしまうというお話。これは対処しようがないので、自分の手元で正しい色にしたい。その為にいい光が欲しいというのが発端。

正しい色って?

色見本があって「この色」と指定があれば、その見本と対象を同じ光の下で見て同じ色にすればいい訳ですね。これが正しい色。だって見本と並べてみて同じ色ならどんな光の下でも並べたら同じ色に見えるはず。

写真だったら、撮った人が思い描く色がプリントした写真で再現されていれば正しい色と言ってもいいだろう。

でもいくら並べて同じに見えればいいっていう話でも、まともな光の下でないとダメだったりする。どうしてかというと、色によってはまともな光の下で見るとまったく違う色なのに、特定の光の下で見ると同じ色に見えちゃうってこともあるから。

例えば、高速道路とかの照明で使われてたりするオレンジ色のやつ、あの手の光の下だとオレンジ色とグレーって見分けが付かないことがある。灰色にオレンジの光が当たっているのか、もともとオレンジ系の色なのかわかんないから。

高速道路のやつは極端にしても、光がなるべくニュートラルな方が物本来の色を認識できる。

写真を撮ってる人なら経験があるかもしれないけれど、目で見ている色と写真に撮った色が違うことはよくある。特に屋内で撮影すると照明の影響を受けてしまうから、照明が演色性の高いものでないと何かしら色がおかしくなったりすることが多い。

最近はLEDがほとんどだけど、LEDは赤とか青が苦手。普通のLEDの照明の下だと赤とか青が昼間太陽光の下で見た時と結構違ってしまう。

演色性の高いLEDを使おう!

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前置きがちょー長くなったけど、いい光の下で色を判断したいから演色性の高いLEDを採用したよという話だったりする(笑)

上の写真。スマホで何も設定いじらず撮ったもの。

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そしてこれが仕事でも使うストロボでガチに撮ったもの。スマホの方は色温度が4000Kの影響を受けて少しだけ暖色系になっているけれど、カラーチャート自体はほとんど変わらないのが分かってもらえると思う。スマホで撮っても忠実に色を再現できる光という証拠。

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参考までに上の写真はスマホの照明を使って撮影したカラーチャート。下のパネル下から二段目、左から3番目の赤あたりが分かりやすいと思うけど、濁って見える。下から四段目左から2番目の肌色っぽい色もくすんでる。

目が疲れない色温度

あとは色温度。照明として使う光ってのは基本的に白なわけだけど、色温度ってのがあって青っぽい白だったりオレンジっぽい白だったりする。最近の車のヘッドライトは色温度の高い青っぽい白が流行。でも実はコレ目が疲れる。照明に凝った店舗とか色にこだわる必要があるギャラリーとか、色温度は高くても5000Kくらいだと思う。

個人的には目が疲れにくいのは4000~5000Kくらいの色温度でナチュラルホワイトとか昼白色って呼ばれるあたりの白。

そこでこの卓上LEDライトに採用したのは高演色性のナチュラルホワイトのLED。演色性を表す数値は98以上。Raには含まれない青や赤でも96くらいととても色を正しく見せてくれるLED。その分お値段は一般的に高演色性と言われているLEDの倍以上。高いんだこれが。

筐体デザイン

PCに向かって作業をしているときはあまり光の向きを変えたいってことはないけれど、模型の色を塗ってるときとか手元で細かい作業をしているときは光の向きを変えたくなることも結構ある。

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そこで向きを変えやすい仕組みを考えた。考えた結果できたのが、プラモデルなんかでよく見かけるボールジョイントという仕組み。球を包み込むような別のパーツで囲んであげて摩擦で保持できるようにしたもの。

軽い力で動かせて、手を離せばそこで止まるようにクリアランス調整が大変。

ある程度弾性が必要だったので、マテリアルはTPU。いわゆるフレキシブルフィラメントって呼ばれているやつ。綺麗に出力する設定を見つけるのに手間取ったけど、これはまた別の記事で書こうかと思う。

LEDはテープの上に小さな発光部がついてるものだから、むき出しのままだと光が点となってしまって、照らした面の明るさに差ができてしまう。そこで光をなるべく拡散して均一化できるように乳白色のアクリル板をLEDの前に配置して少しでも拡散できるようにした。

あまり指向性を持たせて前だけに光が出て行ってしまうと周囲との明るさの差が激しくなってしまって目が疲れるので、それなりに周囲にも光が漏れるように、本体は透明にかなり近いものを採用。

いろいろと素材を試して、カラーチャートを何度も撮影したりして光に極力影響が出ずいい光を維持しているのが今の形。

設置場所を選ばないようにする

卓上で気軽に設置できるようにと思って、最初は吸盤で机の上に貼り付ければいいじゃんと思っていた。でもよく考えたら僕の作業机は吸盤がくっつかないのである…。

そこで次に考えたのがマグネット。置きたい場所に鉄のプレートを貼り付ければ木製の机でもOKだ。マグネットをいろいろと探してたら強力なネオジム磁石と鉄プレートの組み合わせというのを見つけた。

鉄プレートに両面テープがついていて、これを貼り付けた場所ならマグネットが強力にくっつく。つまり鉄じゃないとこでもOK。

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さらに薄手のものなら鉄プレートを貼り付けなくてもマグネットと鉄プレートで挟み込んであげることで設置ができる。

コンセントがなくても使えるようにしたい

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また模型の話になるけれど、展示即売会とか、展示会とかがある。ここで自分が意図したとおりの色で見てほしい。でも会場にはコンセントがないことがほとんど。

そこで考えたのがモバイルバッテリーを使う方法。モバイルバッテリーは基本的に出力が5Vなので12Vで光るLEDはそのままだと使えない。

5Vから12Vに昇圧するUSBケーブルというのを見つけてこれを試してみたところ問題なくLEDを光らせることができた。最近のスマホの充電器はケーブルとアダプタ部が分かれていることが多くて、アダプタ部は2Aくらい出せるものが多い。これはほとんどの人の家にあるはずだから、昇圧ケーブル式にすれば12VのACアダプタよりは安上がりになるし、家の外で使うときもケーブルとモバイルバッテリーを持っていけば使えるようになる。

少しでも安く

製造にかかる手間の分とか材料費とかはどうしても削れないけれど、買ってそのままの物を付属すると価格は上がってしまう。

それだったら少し手間かもしれないけれど、購入者自身にAmazonとかで買ってもらえばこちらは販売場所(今回はBOOTH)に余計な手数料を取られずに済むし、購入する人は余計な手数料を上乗せされずに手に入れられる。

ACアダプターとかつけると、僕が買った値段をそのまま製品価格に反映させると販売価格の割合で手数料を取られてしまうので、その分も上乗せしないと僕が持ち出しになってしまうのだ。なので申し訳ないけどアダプターや昇圧ケーブルを自分で購入してもらう形にさせてもらった。

自分で買うよりも高くてもいいから、まとめて買えた方がいいという人の方が多いのか分からないので、価格を上げない方を優先したけれど、実際どうなんだろう?コメントとかで意見をもらえるとうれしいかも。

使い道

僕が想定している使い道は

・机の上に設置して作業時の補助灯として使う
・イベントなどで展示するときにライトアップ用に使う
・スマホで撮影しても色が忠実に再現される光なのでSNSにアップしたりする写真を撮るときの照明として使う
・写真をプリントしたときに色の評価をするときに使う

っていう感じ。

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LED本体部分がコンパクトで軽く、棒の部分だけ取り外せるようにしてあるので手にもってカメラと一緒にもってレンズの真横に光源を持ってくるなんてこともできるようにしてある。

片手にスマホ、片手にライトを持っていい角度を探しながら撮影も簡単。

BOOTHにて販売中!

現在BOOTHにて販売中。

いろいろと試行錯誤して作ったライトなので、よければ買ってやってください。

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