【プロを辞めた理由】
先日、Xにて静岡支部から発表がありましたが、私川崎義之は日本プロ麻雀連盟を退会することになりました。
麻雀プロがプロを辞める理由っていくつかあると思いますが、大体は以下の通りではないでしょうか?
①モチベーションの低下
②仕事
③家庭
④お金
⑤団体から追放w
僕の場合で順に考えてみます。
まず①モチベーションの低下ですが、これは当てはまりません。むしろ、この1年はプロ人生の中で一番充実したものでした。静岡プロリーグ優勝に始まり、鸞和戦決勝進出、十段戦ベスト16進出と数多くの放送対局にも出ることが出来ました。対局後には多くの方たちから温かい言葉をいただきました。ありがとうございましたm(_ _)m
次に②仕事です。転勤、転職、又は昇進や部署変更等で生活が一変し、これまで通りのプロ活動の継続が難しくなってしまうケースです。幸い僕の仕事は転勤の可能性はなく、転職の予定もありません。勤続年数がそこそこ長くなってきたので、責任のある役割が増えてきたかなとは思いますが、プロ活動に影響が出るほどではありません。残業は少ないし、有給休暇も全て消化できます。そのため、平日の対局でも出場することが可能でした。いい職場です。
そして⑤団体からの追放です(笑)。安心して下さい。何も悪いことはしてません!
というわけで、③家庭と④お金の問題が辞めた理由になります。
うちにはもうすぐ4歳になる息子がいます。メチャクチャ可愛いです。でも最近は自己主張が強くなり、わがままを言ったりぐずったりしてとても大変です。
僕が所属していた静岡支部は、プロリーグとプロアマリーグを同日に行っています。そのため、対局日は朝7時には家を出発して帰りは22時過ぎになります。東京での対局もやはり朝早く出なければなりませんし、場合によってはその日に帰れなかったり、勝ち上がったときは翌日も対局になることもあります。対局で家を空けることになれば、当然妻が1人で面倒を見なければなりません。2人がかりでも手を焼いているのに、休日まで妻だけに負担をかけるのは申し訳ない気持ちになります。(補足ですが、平日はちゃんと面倒見てますよ!)
そんな中、僕にとってショッキングな出来事が起こりました。特昇リーグ、十段戦と立て続けに敗退し、怒涛の対局ウィークが終わった後の日曜日の朝。いつものように朝ご飯を食べ終えソファーでくつろいでいました。妻が息子を起こしに2階へ行くと、
「今日はパパどこに行ったの―?」
という声が聞こえてきました。息子にとって僕は「休みの日は家にいない人」として認識されてしまっていたのです。咄嗟に妻は、
「今日は家にいるよ」
と返していましたが、実際いなかったときも同じように質問されて返答に困っていたのだと思います。
元々妻は、僕が麻雀プロをやっていることに対して、反対まではいきませんが否定的な考え方の持ち主でした。まあ自分の好きな事をやって時間もお金も使ってれば当然と言えば当然かもしれません。色々と物申したいこともあったでしょう。実際言われたことも多々ありましたがw
この出来事がきっかけで、このままプロを続けてもいいのか考えさせられることになりました。
そしてもう一つの理由のお金の問題です。最近(といっても1.2ヶ月まえくらいかな)、麻雀プロの遠征費について話題になってることがありましたね。もちろん僕も同じ問題を抱えているわけですが、昨年に関しては会費やエントリー費など全てを合計すると50万円以上かかっていると思われます。これでは文句を言われても反論できません。
それと麻雀には関係ない話ですが、僕たち夫婦は常々もう1人子供が欲しいと思っているのですが、なかなかできない状態が続いています。そこで不妊治療を開始する決断をしました。もうすでに始めているのですが、段階的に治療方法が変わっていき、それに伴い治療費も上がっていきます。現在は保険適応になり大分負担金額は減りましたが、それでも高額な費用がかかります。費用面でもそうですが、不妊治療というのは精神的にも大きな負担を強いられることになるでしょう。そんなとき、少しでも不安な気持ちが和らぐよう出来るだけそばにいてあげたいと思いました。
これが僕がプロを辞める決断をした理由になります。
でも、結局続けるかどうかというのは、本人の気持ち次第だと思います。どんなに困難な道のりであろうと、やる気さえあれば何とかなります。実際全てをなげうってプロの道に進んだ方もいるでしょうし、何を最優先にするのかという事だと思います。僕は家庭を持ったときから、仕事・家庭>プロ活動と決めていました。しかし、昨年はそのバランスが崩れてしまい、妻に迷惑をかけ息子にも淋しい思いをさせてしまいました。
麻雀プロは辞めますが、今後もアマチュアとして無理のない範囲で競技麻雀は続けていこうと思っています。もしどこかの会場でお会いするようなことがあれば、そのときはよろしくお願いします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
気が向いたら今度はプロ人生の振り返りなど書いてみようと思っています。
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