その2 酒蔵 盛盛 (富山県高岡市)

2021年1月…なんでも富山市内は35年ぶりに1mを超える積雪になるなど、北陸地方は大変な冬になっているようです。
私の記憶の中ではニュースで見た2018年2月石川県・福井県の国道で1,500台の自動車が立ち往生している姿があり、3年後の今年もまたあんな状況なんだ!と驚くばかりです。

というのも、実は仕事の都合で2018年4月に住み慣れた東京を離れ、富山県高岡市に住み始めることになったのでした。流石に4月には雪なんてものはまったく存在せず、地元の方々から「大変だった」とは聞くものの、雪国での生活経験のない私からしたら全く想像できない世界の話でした…。

そんな”時”から遡ること1ヶ月弱…移住するための家探しのために、初めて高岡の地に降り立ちました
3月のある土日…そのタイミングで住む場所を確保しないと4月に着任できないので焦りを感じつつ、ネットで適当に当たりをつけた物件を扱う不動産屋を周るのが今回の訪問の目的です。
   
1日目の不動産屋巡りは完全に不発!不満と若干の疲れを感じつつ、土曜の宿として予約した高岡駅前(古城公園口)のビジネスホテルに移動したのでした…。

さて、ここからが本題です。
高岡の土曜の夜の街に繰り出すのでした…。

実は既にネタは仕込んでありました。この年(2018年)の2月にBS11で放送された「太田和彦 ふらり旅いい酒・いい肴」は高岡編だったので、その番組での紹介をベースにもうどの店を訪れるかの大枠は決めていました。ただ、ここだ!と決めて予約を入れなかったので行き当たりばったり感は否めません。

太田和彦氏の高岡での来訪のお店は3軒。すべて高岡市の名だたる飲み屋街「御旅屋」地区にあるお店ばかりです。

まずあたりを付けたのは、ここで紹介する酒蔵 盛盛でした。
いや~行き当たりばったりはやっぱり失敗…。やはり人気店のようで満員との事。
お断りを受けた後、応対頂いたお店の方(後にマスターの奥さんと分かるのですが…)にお店の外まで出てきていただいて「空いたら電話連絡しますよ」とありがたいお言葉を頂き、携帯の電話番号を伝えてお店から離れました。
半分以上諦めていて、「さてどこに向かおうか?」と思案しながら移動を始めて…ものの五分くらいで「席空きました」連絡を頂き、すぐさまお店に戻ったのでした。

高岡、ひいては富山県の居酒屋全体に言えることが2つあります。
まず一つ目は、海産物…魚がとにかく旨いこと。だいだいどのお店に入っても魚のつまみを頼んで外れることはないという印象です。
もうひとつは日本酒好きとしては少し悲しい地酒の品揃えの少なさです。「品揃えの少なさ」というと富山の日本酒好きに怒られそうですが、日本酒を多く置く銘酒居酒屋と言われるところでも富山では基本的に県産酒しか置いていないのが悲しい思いを感じる原因です。かつて新潟市を訪れた際に、ある居酒屋でお伺いしたことですが、新潟県の日本酒飲みの方々は「新潟県産酒でなければ日本酒にあらず」とばかりに県産酒を強く好む保守的な酒飲みが多く、お話を伺ったお店は全国の地酒を紹介するコンセプトで品揃えをされているため、開業当初は理解されず大変だったとのことでした。そのお隣である富山県もまたそういった保守的な日本酒飲みが多いのでしょうね…。

とはいえ、この盛盛…富山県産酒に関しては全蔵のもの、北陸三県の蔵の酒を多く品揃えしているのは、富山の他の居酒屋と一線を画します。特筆ものは高岡にあるお店だということもありますが、全国的にも有名な清都酒造の「勝駒」の全種…上撰、本仕込、純米、純米吟醸、大吟醸、特吟(かつては佳撰も、そして季節には「かちこま」も)ほぼ常時品揃えされ飲むことができる点です。蔵がある高岡に来たからと言って残念ですが勝駒が飲めるお店ばかりではありません。流通量が少ないせいもあるのでしょうけど、そもそもメニューにないお店、メニューにあってもほぼずっと欠品しているお店、在庫があっても「ひとり一杯」と制限をかけている店などなかなかありつけない酒になっています。置いているお店でも本仕込、純米くらいを置いているだけだと思います。吟醸クラスの飲み比べなど盛盛でしかできません。勝駒の品揃えに関しては、富山の他の店にも例はなく…ひいては全国を見てもここだけだと言えます。

つまみに関しても高岡…富山の名物・地物に限らず、酒飲みが好みそうなアテを多く出していただけます。それもそのはずマスターが「酒飲み」で趣味が高じてお店を開いたような方で、酒飲みの心をくすぐるつまみをよくご存じだからだと思います。

高岡とのファーストコンタクト…夜の街で酒を飲んだ初体験を盛盛で積むことができ、満足する夜となったのでした…。

その後、めでたく4月を迎え高岡市民となり、厚かましくも常連然とした態度で盛盛に通うことになりました…。(お世話になりっぱなしです)

実は既に高岡には別れを告げ関東地方住まいとなっていますが、機会を作って訪れたいと思える大切なお店のひとつとなっています。

https://tabelog.com/toyama/A1604/A160401/16006092/

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初めて訪れたときの風景

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盛盛のある日常 その1

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盛盛のある日常 その2

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マスターのFaceBookより拝借しちゃいました(2020年2月訪問時)

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