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12/23 プログラム・ノート②アンダンテとポラッカ

カール・ツェルニー(ドイツ語での発音はチェルニーに近い。1791-1857)と言えばまずピアノの練習曲を連想する方も多いですが、ベートーヴェンの弟子にしてリストの師、チェコ系として生まれ育ったウィーン楽壇の主要人物であり、66年の生涯に1000曲以上の作品を残した王道の大家でした。ピアニストとしては、神童との評価を得、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番の初演に抜擢されもしたものの、作曲や指導で多忙になって以降は表舞台に立つことは殆どなかったと言います。

ホルンとピアノのためのアンダンテとポラッカは、作品番号が付されないまま遺作となり、出版は何と1973年になってからでした。ポーランド由来の舞曲、ポラッカ=ポロネーズと言えば無論ショパンの十八番で、序奏の付いたものとしては、チェロとピアノのための 序奏と華麗なるポロネーズ 作品3が代表的ですが、こちらが1829年、19歳の作なのに対し、ふたまわり上の世代であるツェルニーのアンダンテとポラッカは1848年、晩年に近い時期の作となります。気鋭の後進作曲家を高く評価する度量ある大家であったツェルニー、ショパンの若書きにも刺激を受けた結果かも知れず、オーソドックスそのもののナチュラルホルン書法に対し、ピアノの並々ならぬ華麗さが強く印象に残ります。

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