【SAI 2022に向けて】ACIDMANとMr.Children ~君から僕へ 僕から君へ ~


ACIDMANが結成25周年を記念し、さいたまスーパーアリーナで開催するロックフェス"SAI"。
かれこれもう1年ほど前には開催がアナウンスされており、準備段階から言うと数年前から動いていたプロジェクトのようですが、どんなラインナップが来るか、ずっと気になってました。

前回の「SAI 2017」にも出演していた盟友バンドといえるストレイテナーやASIAN KUNG-FU GENERATION、THE BACK HORNあたりは間違いなく今回もラインナップされるだろうと思ってましたが、そのメンツはこちらの予想を遥かに越えるものでした…。

上記のバンドたちは勿論のこと、この5年の間でついに動き出したELLEGARDEN、そして何と言っても一番の驚きだったのはそう、Mr.Children!
ミスチル…!!

自分が人生で初めてライブに行ったバンド。
それからというもの、今までもこれからもずっと自分の原点であり生活の一部であるミスチル。
今年、ついにデビュー30周年を数え、それを記念して盛大に行われたドーム&スタジアムツアー「半世紀へのエントランス」も本当に感動が溢れまくる素晴らしいものでした…。
(「半世紀へのエントランス」を纏めたレポはこちら↓)

自分はMr.Childrenをきっかけにライブというものの魅力に気付き、その後もいろんなロックバンドを観に行く、今やライブホリックな人間になってしまいました(それこそACIDMANもフェス等で十数回観てきているかと思います)。

ただ、その中でもちょっとMr.Childrenは異質というか、そのあまりにも大きすぎるポピュラリティーが故に、例えば他のバンドと一緒に大型フェスに出たり、対バンをしたり…というのがそんなに多くはないバンドです。
今年も30周年ツアー後は、ライブシーンからは遠ざかっておりました。

しかしACIDMANは、自分たちの25周年というめちゃめちゃ記念すべき大事な舞台にMr.Childrenを呼んでくれた…!
あまり業界的な事情は分かりませんが、もしかしたらフェスのブッキングをする人たちには、そのあまりの存在に躊躇いというか、敬遠じゃないけれどもこう…畏怖の念というか、そういったものが横たわり、なかなかミスチルを呼ぼうというジャッジに至らないのではないかと勝手に思っていました。

それだけに、久しぶりフェスの舞台で観られる感慨。
しかも何より嬉しいのが、ロックバンドの1つとしてラインナップしてくれたこと。
その想いは下記動画でも語られていますが、そうなんです!
今のMr.Childrenはめちゃめちゃロックバンドなんです…!!


ちなみにACIDMANは独立してボーカルの大木さん自らが社長を務める事務所によるセルフマネジメントなのですが、なんとSAIのブッキングも大木社長自らスマホで直接いく!というのだから驚きです。

つい先日、それこそ同じくSAI 2022出演の東京スカパラダイスオーケストラもまた、対バン相手としてMr.Childrenを招きライブをしてくれたばかりですが、今回はACIDMANに感謝と敬意を表し、Mr.Childrenファンの自分から、SAIの見所としてミスチルのオススメ曲、そして僭越ながらACIDMANのオススメ曲というか、自分の大好きな曲をピックアップして紹介したいと思います!

『GIFT』のライブアレンジで出てくる象徴的なフレーズ"君から僕へ 僕から君へ"…と言いますか(笑)
単純に、ミスチルのライブを初めて観るというACIDMANファンの方、またはACIDMANの曲を知りたいというMr.Childrenファンの方、他にもSAI 2022に参加される皆様へも。

そもそもまず、ACIDMANとMr.Childrenの関係について、一番最初は、桜井さんが櫻井和寿として当時のプロデューサー・小林武史らと中心になって立ち上げた団体が主催するap bank fes '12へACIDMANがラインナップされたのが出会いでしょうか。
自分も、行ったのは別の日でしたがこのイベントでACIDMANを知ったような気がします。

それから2016年、2017年にも続けてap bank fesに出演しているACIDMANですが、そもそも2012年以降のapというのは環境問題に復興支援という要素も加わり、宮城・石巻をはじめとした東北の地をメインとして開催されたこともあります。
ACIDMANもまた、今でも毎年のように3月11日に福島に足を運んではライブをしており、そういった東北に対する想いという部分でも共鳴する部分があったのかもしれません。

ちなみにMr.Childrenはアジカンとも対バンしているし、BRAHMANのTOSHI-LOWさんとはそれこそ石巻で開催されたap'16にてOAUが出た際、桜井さんがゲストボーカルとして招かれコラボをしているし、何故かホルモンのYouTube企画にも桜井さんが出ていたり…と、フェスや対バンの出演は少ない中でも何だかんだ他のSAI出演者にも縁深い人たちはいます。
おっと、前置きが長くなりましたが、それではようやく本題へ!

●Mr.Children

結成としては1989年になりますが、Vo&Gt桜井和寿、Dr鈴木英哉、Gt田原健一、Ba中川敬輔の4名から成り、1992年にメジャーデビューを果たし、今年で30周年を迎えたバンドです。
『CROSS ROAD』の初ミリオンヒットに始まり、『innocent world』『Tomorrow never knows』『シーソーゲーム ~勇敢な恋の歌~』『名もなき詩』『終わりなき旅』『Sign』『HANABI』…と、そのヒット曲たちには枚挙に暇がありません。

数々のタイアップ等々により、もはや国民的知名度を誇るバンドですが、やっぱりミスチルの真骨頂は何と言ってもライブにあると思っています!

そこで今回は自分なりにオススメしたい、ロックバンドMr.Childrenの今のライブ定番曲から、ACIDMANとの共通点を感じさせる曲まで、自分なりに10曲厳選して紹介したいと思います。
上記で名前を挙げた曲たちは言わずと知れた名曲たちなので、それ以外で。

①タガタメ
まずはこれ、SAI 2022出演アーティスト最終ラインナップの動画でも語ってくれていますが、ACIDMANが「半世紀へのエントランス」日産スタジアム公演で観て号泣したという曲。
今のこの世の中にもまさに響く、「愛とは何か?」を究極に突き詰めた1曲。
バンドの壮大な演奏の迫力にも打ちのめされます…。


②Worlds end

2005年のリリース以降、多くのツアーでライブを盛り上げるハイライトを担ってきた曲。
Aメロからサビまで走り続けていくギターやベースのリフ、ドラミングと、桜井さんの伸びやかな歌声はまさに"どんな世界の果てへも"届きそうな気持ち良さがありますし、ロックバンドとしての一面も存分に響かせた名曲。


③箒星
これは個人的にですがMr.Childrenにハマるきっかけとなった大好きな曲で、キラキラしたピアノサウンドと、イントロから始まる力強いドラムのリズムがめちゃめちゃ気持ちいい!
"星"繋がりでACIDMANにも『FREE STAR』という曲がありますが、いわば『箒星』はミスチル版『FREE STAR』と勝手に位置付けたいほど、曲の持つ輝きや明るさの部分がどこか似ている気がします。


④エソラ
もう、この曲が来たらミスチルファンはみんな飛び跳ねます!(笑)
例に漏れず自分も大好きな曲で、様々なライブを彩ってきた他、雨予報だとしてもきっと雨が降った街の景色は宝石のように輝いてるはずさ!と、どんよりした日常をもカラフルに、ワクワクしたものに塗り替えてくれます。


⑤風と星とメビウスの輪
星や宇宙を題材にした曲が多いように思えるACIDMANですが、個人的にそんなACIDMANと最も世界観が近いような気がするのがこの曲。
幻想的で穏やかな曲調から、バンドやストリングスが入っていき、徐々にダイナミックになっていく様はまさに宇宙…。
※アルバム「SUPERMARKET FANTASY」収録

⑥ロックンロールは生きている
文字どおり、"ROCK'N'ROLL IS NOT DEAD"と歌った曲。
ロックバンドが一堂に会するSAIだからこそ、そんな各バンドのファンに聴いてほしいし、あわよくば当日さいたまスーパーアリーナに鳴り響いてくれたら嬉しいミスチル流ロック。
間奏のギターソロがまぁかっちょええ!


⑦海にて、心は裸になりたがる
こちらも、アルバム「重力と呼吸」から端を発した今のロックなミスチルを象徴する1曲。
特にベースのリフが全面に出たような走るリズムやサビでのシンガロングは、コロナによる制限が取り払われた後にライブハウスで体感したらめちゃめちゃ気持ちいいだろうなと思う程。
ベースのみならず、自らのシャウトを響かせるベーシスト・ナカケーの珍しい姿にも注目!(笑)


⑧Brand new planet
こちらもまた星をテーマにした曲ですが(意外にミスチルにも多いな…)、「重力と呼吸」を経て次のフェーズへ向かおうとしたMr.Childrenが新しい音を求め、ロンドンで制作した楽曲。
タイトルとかけた、"消えかけの可能星"、"新しい「欲しい」"というフレーズが印象的ですが、コロナ禍に突入した世の中にミスチルが最初に放った曲というのもあり、このビデオが公開されたときのとてつもない感動は未だに忘れられません…。


⑨Documentary film

『Brand new planet』と同じくロンドンで制作された曲で、2020年末の紅白歌合戦でも歌われました。
今年の30周年ツアーでは先述の『タガタメ』とセットで披露された、こんな世の中だからこそ、自分たちはちゃんと自分たちの今、その瞬間を大切に刻みつけようと教えてくれる曲。


⑩生きろ
映画「キングダム2」の主題歌にもなった、2022年のMr.Children最新曲。
ACIDMANも生命の尊さを様々な曲で歌ってきてくれていますが、30周年を迎えたミスチルが辿り着いた答えは、ダイナミックなサウンドと桜井さんのシャウトに乗せた"生きろ"というメッセージ。
もうシンプルにこれです。
その説得力と凄まじいエネルギーに、きっと明日からを生きる勇気を貰えるはず。


いかがだったでしょう?
ちょっとここではまだまだ紹介しきれず、誰もが知る名曲たちを除いたら自ずと2000年代以降の曲で固まってしまいましたが、ぜひとも、特にSAIで初めてMr.Childrenを観るという方たちにオススメしたい10曲でした。

勿論、『innocent world』『Tomorrow never knows』もライブでやる可能性大というか、むしろ個人的に挙げた上記10曲の中にはライブでやる可能性を半ば度外視してるものもあるので、幅広く聴いていただけると嬉しいです(笑)


●ACIDMAN

続いては誠に僭越ながら、ACIDMANについて紹介します。
元々は4人のメンバーから始まりましたが、1997年にVo&Gt大木伸夫、Dr浦山一悟、Ba佐藤雅俊の3名から成る3ピースバンドとして始まったのが、今年で25周年を数える今のACIDMANです。

下北沢GARAGEというライブハウスを拠点にしつつ、ASIAN KUNG-FU GENERATIONやストレイテナーらと共に2000年代以降のロックの時代を築いてきたバンドと言えますが、宇宙や生命をテーマにした曲の世界観は他とは一線を画しており、それこそがACIDMAN最大の魅力。

命はいつかは終わってしまうもの。
宇宙の大きさからしたらそれは本当に小さく、長い歴史の中ではほんの一瞬だけれど、だからこそ今、共に同じ時代を生きていられることは奇跡で、愛おしい。
そんな今この瞬間を大切に生きよう。

こうしたメッセージを25年間ブレずに、あらゆる曲やライブで伝え続けてきてくれたのがACIDMANです。
そんな想いが詰まった大木さんのMCは本当にいつも泣かせてくれます。

それにしても、そんな壮大な世界観を作っているのはあくまでギター・ボーカル、ドラム、ベースの3ピースサウンド。
その迫力や表現力の幅は、時に3ピースとは思えないほど引き込ませてくれます。

さて、自分は本当にACIDMANはフェスでこそたくさんライブを観ていたり、一度、同期の盟友であるストレイテナー・THE BACK HORNと回った「THREE for THREE」という3マンツアーに行ったことがあるぐらいのニワカなのですが、そんな自分がライブで聴いてきた曲、個人的に好きな曲たちを紹介したいと思います!

①赤橙
ap bank fes '12のDVDでもこの曲のライブ映像が収録されているので、この曲を知っているミスチルファンも多いのではないでしょうか。
自分が初めて聴いたACIDMANの曲もこれでしたが、イントロから続くリフと切なげなメロディー、それらがエモーショナルに爆発したようなサビには当時から虜でした。


②造花が笑う
ACIDMAN1枚目のメジャーデビューシングルですが、それだけに、走り出したくなるような衝動的なバンドサウンドがたまりません!
もうこの曲から既に、隙間なくギタードラムベースが畳み掛けるサウンドで3ピースを感じさせないですね…。


③FREE STAR

ACIDMAN版『箒星』!(と勝手に位置付けています。笑)
もはや、自分が観てきたライブではほぼ毎回と言っていいほど演奏されている定番曲です。
サビで大木さんの伸びやかな"FREE STARー"に合わせて飛び跳ねながら手を振る瞬間はいつも楽しい!


④ある証明

こちらもライブ定番曲!
ジャーン…と歪むように響き渡るギターのイントロと、そこから躍動していくバンドサウンド、そしてそこでベースのサトマさんが煽るように拳を振るう姿に、気付いたら観ているこっちもアツくなって拳を振ってしまう!
中盤で爆発するようなギタードラムベースと共に\イエーーーーーイ!!!!!/と叫ぶ大木さんのシャウトは、生きててよかった~!!!!!という感動すら与えてくれます…。


⑤ALMA

「アルマ電波望遠鏡」という、チリのアタカマ砂漠に設置された、世界中の科学を結集して作られた天体観測用の望遠鏡にロマンを感じて作られた曲。
最近でも「ブラックホールの観測に一役買った!」と、大木さんのテンションも上がったそう(笑)
なんとMVは現地で撮影された(今では立入禁止とされている模様)ということで、その広大な景色に映える壮大なサウンドはライブで聴いても感動的です。


⑥REMIND

このMVのロケ地は埼玉県にある「首都圏外郭放水路」という、水害を防止するために作られた地下水路で、自分が大学生のときたまたまサークル活動のフィールドワーク的な感じで訪れたこともある場所なので、個人的に勝手に親近感を抱いている曲です(笑)
全編英語詞なのですが、ACIDMANは英詞もカッコいい!という一面にも気付かせてくれます。


⑦プリズムの夜

こちらも個人的に初めて聴いたときにグッときた曲です。
大木さんの囁くような歌と儚げなメロディー、それでいてCメロで一瞬ドラマチックな転調を見せる大作です。


⑧Rebirth

こちらはまたリズミカルなギターリフが引っ張っていく曲調と、大サビの転調が気持ちいい曲。
コロナ禍に作られた曲ということもあり、文字どおり"生まれ変わるんだ"という強い意志を、歌詞からも曲調からも感じさせてくれます。


⑨素晴らしき世界

最新アルバム「INNOCENCE」の収録曲ですが、ロックかつ壮大なイメージの強いACIDMANにもこんなテイストの曲があるんだなぁと感じた、ちょっとホッとする感じの優しい曲。
でもやっぱり歌ってるテーマはブレなくて、それこそどこかミスチルの『タガタメ』とも通じる部分も感じさせます。


⑩夜のために

同じく『INNOCENCE』収録曲から。
こちらはACIDMANの真骨頂が響きわたる、どストレートなロック。
Aメロからは静かに始まりますが、一気に走り出していくサビと叫ぶように歌う大木さんのボーカルの解放感がたまりません!


以上10曲、こちらもほんの一部ですが、いかがだったでしょうか?
いちミスチルファンに過ぎない私の視点ですが、だからこそミスチルファンの皆さんに、ACIDMANの魅力を知って欲しい!という想いも込めて選び、書いてみました。

ACIDMAN有識者の方々からしたら、何言ってんだ?とか、『REMIND』や『プリズムの夜』はライブでやらないでしょ!などなど言われてしまうかもしれませんが、こちらもライブでやる可能性というよりは、自分が感じた魅力をそのまま丸っと伝えられたらなという気持ちです。

※番外編

ACIDMAN『灰色の街』のMVを観ていたら、曲の終盤で大木さんが歌ってる場所と、ミスチルの『Your Song』MVの演奏シーンの場所が、同じロケ地かも!という発見。
こうした思わぬ共通点も嬉しいですね。
どちらも各10曲に収まり切らなかった素晴らしい曲たちなので、併せてぜひ。

・灰色の街 / ACIDMAN

・Your Song / Mr.Children

もっと言うとACIDMANにも『Your Song』(アルバム「創」収録)という曲があり、こちらもライブで盛り上がるので必聴です。


さて、いよいよ来週に迫って参りましたSAI 2022。
今回は主催のACIDMANと、自分が長く追いかけているMr.Childrenにスポットを当てましたが、他にも楽しみなロックバンドがたくさんラインナップされています!

個人的にはついに初めてELLEGARDENが観られるというワクワクもあったり、自分は27日だけの参加となってしまいますが、26日もストレイテナーやスカパラをはじめ、エルレと同じく長い休止を経て再始動したDOPING PANDAもいたりと魅力的なバンド目白押しで、どんなライブが繰り広げられるのか、気になるところ。

総じて楽しみな2日間!
何よりもACIDMANが良い25周年だった!!
と誇ってもらえるような、最高のものになりますように。