Base Ball Bearを全力でプレゼンする part.2
現在結成20周年イヤー真っ最中のBase Ball Bear。
この夏には、Creepy Nuts、フレデリック、ASIAN KUNG-FU GENERATION、ACIDMAN(延期・振替公演調整中)との2マンツアーを控え、そしてその20周年イヤーの最終日となる11月10日には晴れて、10年ぶり・3度目の日本武道館公演を控えております。
5月にも、フルキャパの日比谷野音でゲストに花澤香菜さん、valkneeさん、呂布さん、橋本絵莉子さんをゲストに迎えた伝説的なライブをしたばかり。
(日比谷ノンフィクションⅨのレポはこちら↓)
そんな、今輝きまくっているベボベをぜひもっといろんな人に観てほしい!という気持ちに半ば「武道館に1人5人連れてきてください」というオファーへの使命感を織り混ぜながら、明日からいよいよ始まる2マンツアー「LIVE IN LIVE ~I HUB YOU 3~」に参加されるCreepy Nuts、フレデリック、アジカン、ACIDMANファンの皆さんにもぜひこれを機にベボベを推したい!という想いで改めてプレゼンをしたいと思います。
前にもI HUB YOU (take)2とfun time HOLIDAY 8に備えユニゾンファンに向けて書いたんですけどね(笑)↓
なので上記の記事と重なる部分が大半ですが改めて。
ベボベは2001年に結成され、昨年晴れて20周年を迎えたバンドで、メンバーはVo&Gt:小出祐介、Ba:関根史織、Dr:堀之内大介の3名で構成されています。
今でこそ3ピースバンドですが、2015年までの約15年間はもう1名ギタリストが所属する4ピースバンドでした。
キャリアとしてはトータルで見たら圧倒的に4人時代の方が長いですし、もしかしたら未だに4ピースの印象が強い方も多いかもしれません。
アニメタイアップとして広まった『ドラマチック』『changes』や、『Stairway Generation』といった曲たちも、言わずと知れた4人時代の代表曲です。
だけど自分は提唱したい。
3ピースのベボベもまた、めちゃめちゃかっこいいんですよ!と。
2016年、ギタリストの脱退は青天の霹靂でしたが、ベボベは止まることをしませんでした。
もう数日後にはイベントへの参加やツアーが迫っている。
そんな中、意を決してthe telephonesの石毛輝氏、DOPING PANDAのフルカワユタカ氏にサポートギターを頼み、ライブを決行したのです。
その後も、POLYSICSのハヤシ氏、元キリンジ弓木さん、さらにはNUMBER GIRLの田渕ひさ子さんまでもがサポートギタリストとしてベボベの危機を救ってくれ、時には故・津野米咲氏(赤い公園)がギターを弾きに駆け付けてくれたことも。
それまでベボベは、同期やメンバー以外の他の楽器を一切入れず、自分たちが出す音だけでレコーディングやライブをすることにこだわってきたのですが、3人となって初のアルバム「光源」では、ついに一度その縛りを解除します。(『すべては君のせいで』のキラキラしたサウンドは本当に衝撃的でした…。)
こうしてたくさんの助っ人の強力を得たり、同期も入れたりすれば、3人でも何でもできるぞ。
…いや、ちょっと待てよ、そうじゃない!と。
自分たちはあくまでもソリッドなギターロックを貫いてきたじゃないかと。
そんな原点に立ち返ったベボベは、いよいよ2017年ごろから次のフェーズとして、完全なる3ピースバンドへと足を踏み入れます。
それは、これまでベボベがやってきたことを根本から変えるような本当に凄いことで、新たにギタードラムベースの3つの音だけで曲を作りながら、4人時代の曲もすべて3人バージョンで構成を練り直すということを意味します。
特に最も変化を余儀なくされたのは小出氏でしょう。
ギターの音が一つ減った中でも、バンドとしては物足りなさを感じさせないような弾き方が求められます。
ただ、それらを全部弾こうとするのではなく、敢えてリードギターで弾いていた部分を削ってその分バッキングを太くするなど、隙間を上手く縫ったような弾き方に変えることで、3ピースでも遜色ないサウンドを目指していったのです。
またギターが薄くなった分、ドラムの手数を増やしたり、ベースを太くしたりと、リズム隊の協力も欠かせません。
関根嬢が主に担っていたコーラスを、堀くんも時には担当したり。
そしてさらに、関根嬢はベースだけでなく、新たな伝家の宝刀を手に入れてしまいました…そう、チャップマン・スティック!
何かというと、メロディー弦とベース弦が両方ある、いわばギターとベースが合体したような楽器です。
ギター1本分の音数が減った分、この楽器をマスターすれば役立つんじゃないか?と、密かに練習を重ね、2年ほどかけて習得!
晴れてベボベのツアーでもお披露目され、またアルバム「C3」では『EIGHT BEAT詩』という曲でも使われています。
そしてさらにはこのチャップマン・スティックをメインとしたバンド、sticoも結成しました。
日本ではほとんど奏者がいないこの楽器、教則本も無いようなので、ほぼ独学で、ベーシストとしての活動ももちろん変わらずに続けながら、マスターしてしまったのです。
いやぁ、努力の塊すぎる…。
そんな個々の工夫やレベルアップを経て、昨年には最新アルバム「DIARY KEY」をリリース。
この表題曲『DIARY KEY』を皮切りに、跳ねるリズムが楽しい『プールサイダー』、カッティングが心地よい『動くベロ』、関根嬢がメインボーカルの『A HAPPY NEW YEAR』、満を持して作曲者としてメンバー3人全員の名前が載った『悪い夏』、ラッパーvalknee氏とコラボした『生活PRISM』…etc、これまでのキャリアをフルに活かしたような多彩な曲たちが揃っています。
さて、ここからはライブで特に演奏頻度が高い代表曲や定番曲を紹介していきます!
これまで挙げてきた曲と併せて、特に2マンツアーに行かれる方、要チェックです。
●17才
サビで\パンッ!パンッ!/と手を叩くのが楽しくて、個人的にはベボベで一番多幸感を味わえる曲です。
声が出せない今の時代にも合ってるかも。
●LOVE MATHEMATICS
おそらく自分が行ったライブで一番演奏されている曲かもしれません。
こちらも、"1.2.3.4.5.+1.+2…"の歌詞に合わせて指で数字をカウントしながら腕を振るのが定番なので、コロナ前後関係なく楽しめる曲。
●BREEEEZE GIRL
こちらは逆に、\OH-! OH-! OH-! OH-!/と皆でシンガロングするのが気持ちいい曲なので、早くコロナの驚異が無くなった世界で叫びたいな。
でも今でも現役バリバリで、ライブのトップバッターを担うことが多い曲です。
●short hair
今は無き下北沢のライブハウス「Garage」出身のベボベ。
その同じGarageの同志だった「12月8日」というバンドに向けて作られたという曲です。
切なくも突き抜けていくサウンドがたまりません。
●PERFECT BLUE
"もうすぐ夏が来る"と爽やかなサウンドで歌い上げるこの曲はまさに夏空の下で聴くのが最高に気持ちいい!
一方で歌詞を深く考察してみると、実はかなり悲しい曲なのでは?とも取れる、爽やかさと悲しみの両面を持つ「青」という色を見事に表現した曲なので、ぜひ歌詞も一緒に。
●不思議な夜
こちらもまた歌詞を見ながら聴いて欲しい曲。
個人的にトップクラスで好きな歌詞かも。
そう、何といってもベボベの魅力は、いつ聴いても青春時代を何周も追体験できるようなその歌詞にあると思っています!
終電を逃した男女のストーリーなのですが、そのなんともいえない距離感や雰囲気、不思議な高揚感みたいなものがたまりません。
●祭りのあと
ライブが盛り上がり切った最後、まさに"祭りのあと"的なタイミングで演奏されることが多いですが、一番拳を振って上がれる曲です!
2016年にはなんと、先述の田渕ひさ子さんを迎えてリテイクされています…!!
●ポラリス
ベボベの歌は小出氏のボーカルに関根嬢のコーラスが乗っかるのが基本スタイルですが、この曲は唯一、堀くんも含め3人ともメインボーカルを務める曲です。
もはや3ピースとなってからの自己紹介ソングといえ、3人がそれぞれ好きなものだったり、「3」にまつわる言葉が随所に出てきたりします。
もちろん歌詞の通り"ギタードラムベース"それぞれの見せ場もあり、下記動画は一部ですが、フルで必聴です!
…はい、これらはほんの一部です。
ちょっとここでは紹介し切れないので、次にもう少し押さえておきたいポイントをいくつか。
ベボベは小出氏が歌詞を書いて自らが歌うというのが主流ですが、中には作詞作曲者とボーカリストが異なる曲も存在します。
その一つが『WINK SNIPER』。
先程「DIARY KEY」の収録曲としてチラっと紹介した『A HAPPY NEW YEAR』もそうですが、メインボーカルを務めるのは関根嬢です。
何を隠そう、自分は彼女のコーラスに聞き惚れてベボベにハマったと言っても過言ではないので、その歌声をたっぷり味わえるこういった曲もぜひ推したいところです!
そしてそして、バンド外にも多数楽曲提供をしていて、アイドルネッサンスや、南波志帆さん、声優の花澤香菜さん(ついに先日の野音では『恋する感覚』のライブ共演が叶いました!)、さらには山下智久さんやKinki Kidsに至るまで…その多彩さは枚挙に暇がありません。
さらには逆輸入、つまりベボベが他バンドの曲をカバーすることもあるのですが、そのアレンジ力がまたピカイチ!
ベボベのバンドアンサンブルのルーツにもなっているthe pillowsやTRICERATOPSのトリビュートアルバムにも参加しており、『Funny Bunny』『Raspberry』をそれぞれカバーしています。
今年初めの2マンツアーでも、対バン相手のUNISON SQUARE GARDEN『ライドオンタイム』やKANA-BOON『まっさら』をカバーしてくれたので、もしかしたらこの夏にもフレデリックやアジカンの曲をカバーしてくれるかも…。
ちなみにユニゾン『ライドオンタイム』のカバーは自分もライブで耳にすることができたのですが、かなり原曲から様変わりしている斬新なアレンジで、流石ベボベ!と唸りました。
(そのライブレポがこちら↓)
続けてもう一つ外せない要素がラップです。RHYMESTERとコラボした『The Cut』がその代表格なのですが、実は小出氏のルーツの一つにヒップホップがあります。
この曲を聴いてもらえば分かりますが、ギターロックとヒップホップってこんなにも親和性があるのか!と思わず唸るような、ジャンルを軽々と越えてくるカッコよさがあります。
この点に注目するとCreepy Nutsとの2マンではどんなライブが繰り広げられるのか、ますます気になるところです。
さらに驚くべきはこの曲、元はベボベとライムス総勢7人でパフォーマンスされているのですが、最近ではなんとこの曲も3ピースで成立させてしまっているのです!
次の動画1曲目でその一部を観ることができますが、ギターボーカルをこなしながら、宇多丸さん・Mummy-Dさんのラップパートも小出氏が担うという超絶技巧、これにはマジで脱帽です…。
いかがだったでしょうか。
4人だろうが3人だろうが、ロックもやりヒップホップもやり、全員がボーカルも作曲もやり、形にとらわれず常に進化を続けてきたバンド、それがBase Ball Bear。
めちゃめちゃカッコいいでしょ?
P.S.
ちなみにベボベのライブのMCはラジオか!ってぐらい長くて自由で、漫談か!ってぐらい面白いので、こちらも必聴です(笑)