UNISON SQUARE GARDENファンにBase Ball Bearを全力でプレゼンする

まもなく2/24(木)にはZepp Hanedaにて「Base Ball Bear Tour LIVE IN LIVE ~I HUB YOU (take)2~」が、そして4/10(日)には東京エレクトロンホール宮城にて「UNISON SQUARE GARDEN presents fun time HOLIDAY 8」が開催されます。

念願の、Base Ball BearとUNISON SQUARE GARDENの対バン。
しかも、互いが互いをゲストバンドに呼び合うという、相思相愛の奇跡。
これは両バンドのファンを兼務する者として黙っちゃいられない!と、前回はベボベファンの皆さま向けにユニゾンの魅力を紹介しました。

というわけで今回はその逆で、UNISON SQUARE GARDENのファンに向けたBase Ball Bearの紹介を。

ベボベは2001年に結成され、昨年晴れて20周年を迎えたバンドで、メンバーはVo&Gt:小出祐介、Ba:関根史織、Dr:堀之内大介の3名で構成されています。
今でこそユニゾンと同じく3ピースバンドですが、2015年までの約15年間はもう1名ギタリストが所属する4ピースバンドでした。

キャリアとしてはトータルで見たら圧倒的に4人時代の方が長いですし、もしかしたら未だに4ピースの印象が強い方も多いかもしれません。
アニメタイアップとして広まった『ドラマチック』『changes』や、『Stairway Generation』といった曲たちも、言わずと知れた4人時代の代表曲です。

だけど自分は提唱したい。
3ピースのベボベもまた、めちゃめちゃかっこいいんですよ!と。
2016年、ギタリストの脱退は青天の霹靂でしたが、ベボベは止まることをしませんでした。
もう数日後にはイベントへの参加やツアーが迫っている。
そんな中、意を決してthe telephonesの石毛輝氏、DOPING PANDA(先日、再結成が発表されましたね!)のフルカワユタカ氏にサポートギターを頼み、ライブを決行したのです。

その後も、POLYSICSのハヤシ氏、元キリンジ弓木さん、さらにはNUMBER GIRLの田渕ひさ子さんまでもがサポートギタリストとしてベボベの危機を救ってくれ、時には故・津野米咲氏(赤い公園)がギターを弾きに駆け付けてくれたことも。
(ひさ子さんは『祭りのあと』の再録版でもギターを弾いてくれました!↓)

それまでベボベは、同期やメンバー以外の他の楽器を一切入れず、生音だけでライブすることにこだわってきたのですが、3人となって初のアルバム「光源」では、ついに一度その縛りを解除します。
『すべては君のせいで』のキラキラしたサウンドは本当に衝撃的でした…。
(MVのばっさーがかわいい。)

こうしてたくさんの助っ人の強力を得たり、同期も入れたりすれば、3人でも何でもできるぞ。

…いや、ちょっと待てよ、そうじゃない!と。
自分たちはあくまでもソリッドなギターロックを貫いてきたじゃないかと。
そんな原点に立ち返ったベボベは、いよいよ2017年ごろから次のフェーズとして、完全なる3ピースバンドへと足を踏み入れます。

それは、これまでベボベがやってきたことを根本から変えるような本当に凄いことで、新たにギタードラムベースの3つの音だけで曲を作りながら、4人時代の曲もすべて3人バージョンで構成を練り直すということを意味します。

特に最も変化を余儀なくされたのは小出氏でしょう。
ギターの音が一つ減った中でも、バンドとしては物足りなさを感じさせないような弾き方が求められます。

ただ、それらを全部弾こうとするのではなく、敢えてリードギターで弾いていた部分を削ってその分バッキングを太くするなど、隙間を上手く縫ったような弾き方に変えることで、3ピースでも遜色ないサウンドを目指していったのです。

またギターが薄くなった分、ドラムの手数を増やしたり、ベースを太くしたりと、リズム隊の協力も欠かせません。
関根嬢が主に担っていたコーラスを、堀くんも時には担当したり。
ユニゾンが音に音を畳み掛ける足し算なら、ベボベは引き算的なサウンドと言えるのではないでしょうか。

そしてこれが現在のベボベです。
この映像で演奏されている曲はすべて、4人時代の曲。
でも3ピースでもしっかり成立しているでしょう!?
引き算だからとはいえ、物足りなさは無く。
こんなバンド、他に類を見ません。

さらに、関根嬢はベースだけでなく、新たな伝家の宝刀を手に入れてしまいました…そう、チャップマン・スティック!
何かというと、メロディー弦とベース弦が両方ある、いわばギターとベースが合体したような楽器です。

ギター1本分の音数が減った分、この楽器をマスターすれば役立つんじゃないか?と、密かに練習を重ね、2年ほどかけて習得!
晴れてベボベのツアーでもお披露目され、またアルバム「C3」では『EIGHT BEAT詩』という曲でも使われています。
そしてさらにはこのチャップマン・スティックをメインとしたバンド、sticoも結成しました。

日本ではまだほとんど奏者がいないこの楽器、教則本も無いようなので、ほぼ独学で、ベーシストとしての活動ももちろん変わらずに続けながら、マスターしてしまったのです。
いやぁ、努力の塊すぎる…。

そんな個々の工夫やレベルアップを経て、昨年には最新アルバム「DIARY KEY」をリリース。
これまでのキャリアをフルに活かしたような多彩な曲たちが揃っています。

前作「C3」でも初めて関根嬢や堀くんも作曲者としてクレジットされたのですが、今作ではついに満を持して、小出・関根・堀之内3人の名前が作曲者として作られた『悪い夏』という曲も。
20周年を迎え、強固な三角形を作り上げている、ベボベもまた、正真正銘の3ピースバンドなのです!

さて、ここからはライブで特に演奏頻度が高い代表曲や定番曲を紹介していきます!
既にテレフォンズとの対バンからツアーはスタートしていますが、自分はまだベボベのセットリストを見ておらず、そのバイアスは受けていないので、ネタバレはご心配なく。

『17才』。
サビで\パンッ!パンッ!/と手を叩くのが楽しくて、個人的にはベボベで一番多幸感を味わえる曲です。
声が出せない今の時代にも合ってるかも。

『LOVE MATHEMATICS』。
おそらく自分が行ったライブで一番演奏されている曲かもしれません。
こちらも、"1.2.3.4.5.+1.+2…"の歌詞に合わせて指で数字をカウントしながら腕を振るのが定番なので、コロナ前後関係なく楽しめる曲。

『不思議な夜』。
個人的にトップクラスで歌詞が好きです。
そう、何といってもベボベの魅力は、いつ聴いても青春時代を何周も追体験できるようなその歌詞にあると思っています!
終電を逃した男女のストーリーなのですが、そのなんともいえない距離感や雰囲気、不思議な高揚感みたいなものがたまりません…。

『ポラリス』。
ベボベの歌は小出氏のボーカルに関根嬢のコーラスが乗っかるのが基本スタイルですが、この曲は唯一、堀くんも含め3人ともメインボーカルを務める曲です。
もはや3ピースとなってからの自己紹介ソングといえ、3人がそれぞれ好きなものだったり、「3」にまつわる言葉が随所に出てきたりします。
動画は一部ですが、フルで必聴です!

『short hair』。
MVのばっさーがマジでかわいい。

『PERFECT BLUE』。
MVのばっさーがとにかくかわいい。

…はい、これらはほんの一部です。
ちょっとここでは紹介し切れないので、最後にもう少し押さえておきたいポイントをいくつか。
ベボベは小出氏が歌詞を書いて自らが歌うというのが主流ですが、中にはユニゾンのように、作詞作曲者とボーカリストが異なる曲も存在します。

その一つが『WINK SNIPER』。
メインボーカルを務めるのは関根嬢です。
何を隠そう、自分は彼女のコーラスに聞き惚れてベボベにハマったと言っても過言ではないので、その歌声をたっぷり味わえるこういった曲もぜひ推したいところです!

最新アルバム「DIARY KEY」の『A HAPPY NEW YEAR』もまた、関根嬢メインの曲。
そしてそして、バンド外にも多数楽曲提供をしていて、ユニゾンの記事でもチラっと触れたアイドルネッサンスや、南波志帆さん、声優の花澤香菜さん、さらにはKinki Kidsに至るまで…その多彩さは枚挙に暇がありません。

田淵智也氏も、LiSAさんやa flood of circle、DIALOGUE+(小出氏がアイドルソングベスト2021に挙げてましたね!)などなど多方面に楽曲提供しているので、そうした強力なコンポーザーを擁するというのも、ベボベとユニゾンの共通点と言っていいかもしれません。

最後にもう一つ外せない要素がラップです。
RHYMESTERとコラボした『The Cut』がその代表格なのですが、実は小出氏のルーツの一つにヒップホップがあります。

この曲を聴いてもらえば分かりますが、ギターロックとヒップホップってこんなにも親和性があるのか!と思わず唸るような、ジャンルを軽々と越えてくるカッコよさがあります。

さらに驚くべきはこの曲、元はベボベとライムス総勢7人でパフォーマンスされているのですが、最近ではなんとこの曲も3ピースで成立させてしまっているのです!
次の動画1曲目でその一部を観ることができますが、ギターボーカルをこなしながら、宇多丸さん・Mummy-Dさんのラップパートも小出氏が担うという、ユニゾン斎藤さんにも引けをとらない超絶技巧、これにはマジで脱帽です…。

いかがだったでしょうか。
MVに本田翼を3回も起用するとんでもないバンド…いやいや、4人だろうが3人だろうが、ロックもやりヒップホップもやり、全員がボーカルも作曲もやり、形にとらわれず常に進化を続けてきたバンド、それがBase Ball Bear。
めちゃめちゃカッコいいでしょ?