Base Ball BearファンにUNISON SQUARE GARDENを全力でプレゼンする

足繁く長年ライブ会場に足を運び続けている2つのロックバンドがありまして、それが紛れもなくBase Ball BearとUNISON SQUARE GARDENなのですが、そんな自分にとって今年、念願のニュースが2つも飛び込んで参りました。

そう、「Base Ball Bear LIVE IN LIVE ~I HUB YOU (take)2~」と、「UNISON SQUARE GARDEN PRESENTS fun time HOLIDAY 8」の開催。
両バンドとも対バンツアーの開催を発表し、しかも互いが互いをゲストバンドとして呼び合うという奇跡!

生きていればこんなことがあるのか…という感動と衝撃。
前者ベボベ主催の方は既に2020年に開催が予定されていたのでそのときもめちゃめちゃテンションが上がりましたが、当時は感染急拡大により敢えなく中止に…。
でも「また必ずリベンジします!」ということだったので、いつになるかと待ちわびていた中でのこの朗報、本当に嬉しくて。

歴こそベボベの方が長いベボ部員ですが、ユニゾンもUNICITYの民となったことですっかり自分の人生に染み着き、去年はこのコロナ禍の中でもフェスを含め、一番多くライブを観に行ったバンドとなりました。

そんな自分ですが、せっかく両バンドのファンクラブに入っているので、今回の相思相愛な対バンツアーを機に、それぞれのバンドの魅力を全力でプレゼンしていきたいと思います!

普段はライブレポなどを口語調でそれっぽく綴っておりますが、今回はファンからファンへのプレゼンなので、丁寧な語り口で(笑)
まずは、Base Ball Bearファンに向けて、UNISON SQUARE GARDENを。

(ちなみに最近書いたユニゾン「Patrick Vegee」のライブレポはこちら↓)

ユニゾンは2004年に結成され、今年で18周年を迎えるバンドで、キャリアとしてはベボベの後輩になりますが、スリーピースバンドとしては大先輩。
メンバーはVo&Gt:斎藤宏介、Ba:田淵智也、Dr:鈴木貴雄の3名で、まず特徴的なのは、ほとんどの楽曲を田淵氏が作詞作曲しているというところでしょうか。

バンドではVo&Gtが作詞作曲をして自分で歌うというのが自ずと主流になっているような気がします(ベボベも作詞作曲はほぼVo&Gt小出氏。)が、歌い手ではなく、しかもギタリストでもないベーシストがコンポーザーを担うというのは、素人目に見ても珍しく思います。

だからこそ良い意味で、作る曲はタガが外れまくっているというか(笑)
自分で歌わないのをいいことに、超早口だったり複雑なメロディーだったり、これギター弾きながら歌えるの!?というものばかり。
最新アルバム「Patrick Vegee」に収録されている『世界はファンシー』もまさにそう。

しかもこの曲、間奏のギターソロ直前の歌詞が"my fantastic guitar!"ですからね…
自分で歌うとしたら絶対にこんな歌詞は自分で書かないでしょうが、それをギターボーカルに言わせてしまうという…(笑)

でもそれは田淵氏がギターボーカリスト・斎藤宏介に絶対的信頼を寄せているからであり、それに難なく応えることができてしまうのが斎藤さんの凄さ。
同アルバム収録の『Phantom Joke』も畳み掛ける歌詞と複雑なメロが人間離れしており、流石にこの曲では高音を出し続けるのがキツそうなライブもありましたが、それでも今やセトリの中心を担いつつあり、毎回しっかり歌い切り弾き切っています。

ちなみに他にも、言葉を詰め込みまくって理解が追い付かぬような歌詞を歌わせておきながら、
"あのね歌詞書いたの僕じゃないんで 田淵に言っておいて"(『蒙昧termination』)
という歌詞や、
"息継ぎがてんでないじゃんか 心配ですsee? see?
あのね歌ってるのは快気怪奇な僕なんで 呆れるまで斎藤に任せといて"(『オトノバ中間試験』)
という歌詞を書いているのが笑えます。

これだけ複雑な曲が多いと皆で歌ったり共有したりするのが難しそうですが、ユニゾンのライブにおいてはお客さんに歌わせたり、コール&レスポンスをしたりというのが一切なく、自分たちはステージでバーン!とデカイ音を鳴らしてかっこいいロックバンドのライブをするから、好きに楽しんでね~というのが基本スタンス。

それは『アトラクションがはじまる(they call it "NO6")』の
"共犯関係とはいえ きっと絆なんか無い"
という歌詞にも如実に現れていて、ユニゾンが派手に楽しそうにライブを繰り広げている様を目の当たりにすることで、観ている側もそれに乗っけられて自ずと身体が動き、楽しくてしょうがなくなるといった具合の、まさにアトラクションのようなバンドなのです。

ちなみに田淵氏自身もライブ中、嘘だろ!?というくらいあっちこっちに動き回っていて、ふと目を離したら逆サイドにいたり、ステージ上に寝っ転がったりしていて。
(下記動画2曲目『君の瞳に恋してない』のライブ映像参照。笑)

でもそれぐらいライブは自由だ!というのを身をもって教えてくれるので、こちらも好きに身体を動かすことができるというわけです。
なのでユニゾンの場合、歌詞をじっくり読み込んだり考察したりというよりは、その場で音や演奏パフォーマンスを楽しむという方が向いていて、実際歌詞も意味というよりは音への言葉のハマり方の方が重視されている気がします。
マジでこれ意味分からねぇ…という歌詞ばかりなので←

でも個人的に一つ挙げるとしたら『春が来てぼくら』。
これは是非とも歌詞を見ながら聴いてほしい!
何かに迷ってる人、新しい道に進む人、かなり多くの人に刺さるのではないでしょうか。

自分もこの曲には転職時など、本当に背中を押されました。
最近ではコロナ禍で苦戦を強いられるライブやフェス業界の状況と重ねながら、春が来ますように…と祈るようにして聴いてます。
大名曲。

さて、もう一人このバンドにはとんでもない人がおりまして、ドラムス鈴木貴雄氏なのですが、この人の叩きっぷりがまた本当に凄まじい…。
ほぼ毎ツアーでドラムソロのコーナーがあるほどで、次の動画のラストで一部観ることができるのですが、その手数はまさに彼が動画の中で着ているTシャツの阿修羅像さながら(笑)

途中でスティックを回したり投げたりしちゃったりもする、こうしたオリジナルのドラムソロ以外にも、既存の曲の中で音源とは違う叩き方をしたり、AメロやBメロの、そこで!?という場面でいきなり物凄いドラミングを畳み掛けたりするので、見ていて全く飽きません。
時には、パーカーのフードを顔を覆ってしまうぐらい目深に被り、目隠し状態でドラムを叩くという離れ技まで…。
もはや凄すぎて笑えてきます。

UNISON SQUARE GARDENのライブでは映像を使ったり、派手な演出をすることはほぼありません。
それでも、どんなライブよりただひたすら楽しい!こんなに楽しい世界があっていいのか!と思う瞬間が何度もあって、それはメンバー3人の並外れた演奏力で難解な曲たちを次々にクリアしていく様を見せられる気持ち良さだったり、時に絶妙な曲順で構成されるセットリストのマジックがそう感じさせるんだろうなというのが1つ、自分の解釈としてあります。

でも最近では何より、3人自身がその瞬間を誰よりも楽しんでいる。
それに尽きるんじゃないかと、特にコロナ禍になってからはどんな形式でも建前でもずっとライブを続けてきたユニゾンを見て、すごく思います。

『アトラクションがはじまる(they call it "NO6")』の部分でも綴ったように、3人がステージ上で自由かつ全力で楽しんでる様に引っ張られて、観ている側の身体も動くし跳ねるし、そのドライブ力に気付いたら気持ちまで楽しい方向に持っていかれる…もう言葉ではそうとしか説明がつかないのです。

本当にもう、そこに言葉はいらなくなってしまう。
だから、ユニゾンのライブではMCもほとんど無く、ワンマンでも斎藤さんが少し喋る程度で、毎回MCの度にラジオばりに喋りまくっているベボベとは真逆すぎるほど対照的なのです(笑)

さて、ここからはライブで特に演奏頻度が高い代表曲や定番曲(といってもユニゾンにはあまりそういう概念はないのですが…)をどんどん紹介していきましょう!
ここまで紹介した曲も最近のライブでは披露されることが多いのですが、まず外せないのがこれ。

『シュガーソングとビターステップ』。
もはやバンドの名刺代わりの代表曲ともいえ、アニメタイアップも手伝って、耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。
自分もイベントのDJでかかっていたこの曲で完全にハマりました。
文句なく、身体が勝手に動いてハッピーな気持ちになる名曲です。

どんどんいきましょう。

『オリオンをなぞる』。
こちらもアニメタイアップを機に、UNISON SQUARE GARDENの名を一気に広げた曲。
田淵氏、貴雄氏のコーラスワークにも注目です。

『天国と地獄』。
明るく爽やかな曲もあれば、このようにダークな、でも躍り狂いたくなるような曲も。
イントロからテンション上がります。

『シャンデリア・ワルツ』。
跳ねるようなリズムでジャンプしたくなる曲。
田淵氏もグワングワン跳ねてます(笑)
"ハローグッバイ ハローグッバイ"というサビもとてもキャッチー。

『徹頭徹尾夜な夜なドライブ』。
理由は分かりませんが、フェスではこの曲はやらないと聞いたことがあるので、ワンマンかユニゾン主催のイベントでしか聴けないかもしれないですが、不思議な高揚感で盛り上がる定番曲。

あとちなみにもう一つ語っておきたいのが、カップリング(B面)曲たちについて。
今でこそシングルのリリースも少なくなり、その文化も薄れつつありますが、ユニゾンにはB面ベストアルバムがあるほど、またその曲たちも豊富で。
中には『ガリレオのショーケース』や『誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと』、『さわれない歌』のように比較的よくライブで演奏される曲も多いため、外せません。

ベボベ界隈の皆さんなら、『ガリレオ~』は小出氏とも関わりの深かったアイドルネッサンスのカバーでもお馴染みではないでしょうか。
自分もこの曲は実はアイルネ先行で知ったのですが、ユニゾンが演奏するとまた、田淵氏なんかは間奏で寝っ転がっちゃったり、斎藤さんと追いかけっこしちゃったりなんかして、見てるだけで楽しいです(笑)

こうしたB面曲たちにも一切抜かりがなく、え、正直これがA面やリード曲じゃないの勿体無くない?と思ってしまうほど、名曲がゴロゴロ転がっています。
先述のベストを引っ提げて、本当にB面曲のみでセットリストを組み、全国ツアーを回っても成立してしまうほどです。
特に個人的にお気に入りなのは、「春が来てぼくら」カップリングの『ラディアルナイトチェイサー』。
このスタジオライブ映像がとにかくまぁかっこいいので、これもぜひ観ていただきたい!

さて、ここまでいろいろ語ってきましたが、何せユニゾンはまず結局、ライブを観てもらうのが一番だと思っています。
上記、様々なライブ映像もありますが、それを観てかっちょええ~!と思ってもらった、その数百倍上を現場では越えてきます。

そんな"完全無欠のロックンロール"を喰らえば、本当に大袈裟じゃなく、世界がパッとフルカラーに明るく見えて、途端に楽しくなる。
それが、自分が身をもって体感してきたUNISON SQUARE GARDENというバンドの魅力です。