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情報セキュリティコンサルタントという仕事柄「Winny」はもちろん知っていますし、目にすることも少なくない言葉ですが、Winnyが登場した2002年当時僕はまだ5歳くらいであり、無罪確定した2011年でも14歳くらいだったので正直Winnyリアルタイム世代ではありません。

そんな中、今回Winny問題を題材とした映画「Winny」が公開されるということで今回、その当時の空気感などを知ることができればと思って、観に行ってきました。

※流れなどについて気持ちネタバレ注意です⚠️

そもそも「Winny」とは

金子勇さんによって開発、2002年にベータ版が公開されたP2P形式の無料のファイル共有ソフト。
本人同士が直接簡単にデータのやり取りができること、匿名性が高いことから利用者が増加した一方、それらの特徴ゆえに違法アップロード・ダウンロードといった著作権上の問題や、情報漏えい等を引き起こすウイルスをダウンロードさせるきっかけに利用されるなど多くの社会問題を引き起こしたソフトウェアでもあります。

映画「Winny」

映画の概要

映画「Winny」は、Winnyの開発者として著作権違反幇助の容疑をかけられ逮捕された金子勇さんと弁護団の戦いを描いた実話を元にした映画。
監督は松本優作監督で、金子勇さん役を東出昌大さん、弁護士の壇俊光さん役を三浦貴大さんが演じています。

また、もう一つのストーリーとして仙波敏郎さんによる愛媛県警の裏金問題の告発も描いており、仙波敏郎さん役は吉岡秀隆さんが演じています。

本来直接関係するものではない二つの事件をあえて交差させることで、映画が伝えたいメッセージをより強調させているのかなと思います。

映画の感想

実話を元にしたストーリーであり、変にドラマチックな山場などがあるわけではないのですが、だからこそ経緯や空気感、人間味を感じることができて映画としてスッと入り込むことができました。

また、映像としても2000年代前半の空気感に入り込めるような雰囲気になっており、東出さんや三浦さんといった皆さんの演技も違和感のないものでドラマに没入できました。

一点だけ個人的に気になった部分があると、今回の映画では「第一審」の判決までをメインに描いていたという点です。そしてその後はお葬式のシーンとその後の経緯がテロップで記されるという少しあっさりした表現のまま映画は終わります。
いい意味で言うと第一審までを丁寧に描いていると捉えることができる一方、ハッピーエンドをしっかり味わえるとも言い切れない終わり方にはなってしまうので、ドラマとしては少しもやっとしてしまうかもしれません(ドキュメンタリーとしてみるとそういった気持ちはないかもしれません)。

まとめ

仕事上、言葉はもちろん知っているものの、年齢的にリアルタイムではなかったWinnyに少しでも触れられればという思いで観に行った映画「Winny」。

感動など、感情を揺さぶるドラマを見たいと思って観にいくと少し物足りなさを感じるかもしれないですが、その当時を知っている方がその当時を感じたり、僕のように知らないけど知ってみたいという人にとっては面白さを感じることができる一本なのではないかと思います。

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