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昔のWindows端末の再考察

ハードオフを巡っていて「ああ、これ持っていたな」という懐かしい端末と出会うことがある。そして懐かしいと同時に「もう一度使ってみるか」という気持ちになる。

今回はAsus TransBook T-80chiの話。

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TransBookシリーズはWindows8時代に生まれた2in1ノートの走りで、液晶部分をタブレットとして取り外して使えるものになっている。Windows8でタブレットを意識したOSになったことでこのような商品が生まれたのだろう。現在ではWindows10にアップデートして快適に動作している。

実はこのTransBookの初代はAndroid3.0だった。(正式な名前は Eee Pad Transformer 。EeeシリーズはAsusが生み出したネットブックシリーズの名称)

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OSとしては、このAndroid 3.0だけは「タブレット専用」として本流から外れたバージョンになっており、これ一代で潰えている。そしてAndroidとしては非常に重量級な本体で、私も手に入れたものの「これならタブレット単体とBTキーボードを持ち歩いた方がマシ!」と使わなくなってしまい、バッテリーが完全放電して動かなくなった。ちなみにこのバッテリーは液晶側とキーボード側に2つ積んでおり、どちらかが満充電状態になるともう一方の充電が開始されるというシステムになっている。その弊害でたとえばキーボード側のバッテリーが死ぬとタブレット側のバッテリーはキーボード側に給電しようとして本体が起動できなくなる。キーボードにつなぐと動かなくなるという困った状態だ。

Androidのことはこれで終わりにして、Windows版のTransBookだ。

T-90chiのCPUはATOM Zシリーズが搭載されており、はっきり言ってネットブックスペックである。まぁ、タブレットとしての用途を目的としている時点でバリバリ仕事をこなすよりは、ビュワー用途、ネットをちょこちょこみるという用途なので、ネットブックで十分かもしれない。その代わり薄く軽く、持ち歩くというモバイル用途には向いているといえる。私のようなテキスト入力がメインという人にはまさにうってつけだ。

付属のキーボードは実はBlueToothなので物理的にはつながっていないし、軽いキーボード側で重い液晶側を支えるためにあまり倒れずに100度くらいで立っている。そのせいで視界はよろしくない。また本体はまめに充電してもキーボード側の充電を忘れて、入力できなくなったりもする(その時はあきらめてソフトキーボードを使うしかないが、それで対応できるとも言える)

そして実際に使ってみると、マウスやタッチパッドに類するものがついていないせいで、すべて指でタッチする必要が出てくる。カーソルを動かすためにはBTマウスを追加するか、ソフトカーソルを導入してキーボードでマウスカーソルを動かせるようにするか、あきらめて液晶をタッチするか、だ。

直接タッチする場合、ヒンジに近い部分は指が届かない。ここにはデフォルトでWindowsタスクバーがある。キーボードが立っているため、角の内側をタッチするたびに本体を取り外す必要がある。このためタスクバーはデフォルトの下ではなく、上か左右に移動した方が良い。MacOSやLinuxなどのタスクバーは上が多いのでそちらに慣れている人には違和感なく使えるが、Windowsしか使ってこなかった人には違和感を感じることだろう。

そういった構造上困った点もあるが、そこをクリアできるならT-90chiは非常に使いやすいテキスト入力ツールだ。サイズのわりにキーピッチが絶妙なキーボードは小さなキーボードによくある変則配列はない。きわめて素直なキーレイアウトだ。そして個人的に好きなのはCtrlとFnの配列。私はFnはCtrlの右(つまり内側)にある方が好きだ。コピー、カット、ペーストなどを使うときに一番外側にCtrlがあった方がミスが少ないからだ。人によってはCapsと入れ替える人もいるだろうが、私は印字通りで使う方が好きなので(なぜならたくさんの端末を使うのでどの端末がキー入れ替えをしたのか忘れるから)このレイアウトは非常に好みなのだ。

何といってもWindowsなので、豊富なアプリが使える。WZ形式のアウトラインプロセッサを愛用する私としては、それだけでWindowsから離れにくいのだ。(一応、LinuxでもWineというWindowsアプリエミュレーターを使って、アプリを動かすことはできるが、単に動くだけでちゃんとした動作はまだできない。Windowsとそん色なく動くWineの開発が待たれる。またはChromeアプリでアウトラインが使えるエディタをどなたかが開発してくれると非常にありがたい! 喜んでドネイトさせていただく!)


ゲーム業界に身を置いたのは、はるか昔…… ファミコンやゲームボーイのタイトルにも携わりました。 デジタルガジェット好きで、趣味で小説などを書いています。 よろしければ暇つぶしにでもご覧ください。