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星明かりより、月明かりより、曇天

私は帰宅後、食事をとってから、運動のために外に出る。

ある日ふと、その日によって夜の明るさが違うことに気づいた。

私が住んでいるのは東京といってもほぼ埼玉な足立区。ここは都心ほど高層ビルはないし、明るいものといえば荒川沿いに首都高が通っている程度。それさえも上空に向かっているので、周囲を照らすことはない。

夜に荒川沿いを自転車で走ると、周囲の明かりが少ないこともあり、意外と星空が見えるが周囲は真っ暗だ。

これが満月になると、街路灯のない荒川沿いのサイクリングロードも何となく見えるようになる。だがもっと明るく見えるのが、実は曇天の夜なのだ。

都心の明かりを曇天が反射して、荒川の土手を明るく照らす。

低く雲が垂れ込めた空は天然のレフ板となり、夜を照らす。自転車のライトなどいらないくらい、明るいのだ。

だからどんより曇った日は、夜に走るのが待ち遠しいのだ。


ゲーム業界に身を置いたのは、はるか昔…… ファミコンやゲームボーイのタイトルにも携わりました。 デジタルガジェット好きで、趣味で小説などを書いています。 よろしければ暇つぶしにでもご覧ください。