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スケボーの魅力を語ろう

僕のいつくかある趣味の中でスケボーについて語ってみよう。

去年の夏のオリンピックで日本人選手が金メダルを獲得したことにより一躍注目を集めたスケボーだが、数年前までは不良の遊びだの街を破壊する奴らなど、厄介払いされていたのはどこ吹く風?

今では滑ってると「おっ!オリンピック出るのか?」「頑張って!」なんて友好的に声を掛けられるようになった。

時代と共に変わるスケボーを取り巻く環境

僕はスケボーを長いこと好きでやっている。
何が好きかと言うと、滑るのは勿論、スケボーを取り巻く、映像や音楽、グラフィック、ファッション、建造物を含め、カルチャーとしてスケボーが好きなのだ。

現に僕は中学生の頃に見た、スケボーデッキの裏に描かれているグラフィックの影響で、今のようなデザインの仕事に就いているし、
また最もスケボーカルチャーに取り憑かれていた2000年代前半は毎日朝から晩まで滑り、ファッションには拘り、寝る直前までスケボービデオを見て、寝ながらパンクロックを聴く始末。
そんな狂った時代を過ごした僕は、今のスケーター達を見てこう思う…


う、羨ましい〜〜〜


何がって?
それはインターネットの恩恵により、動画は直ぐその場で観れて、何ならスローモーションで解説付きの動画まである。

僕らの時代はビデオテープだ。巻き戻しては何度も観てデッキの動きや足の動きがどうなっているか確認したものだ。
それでも理解出来ずに、闇雲に練習していた。
難しいトリックをメイク出来る友達はいたが、聞いても自分がどうやってるか、いざ他人に教えるとなるとまるでダメな奴らばかりだった。

それが今となってはスマホで検索すれば、プロが動画で丁寧に教えてくれる。

それを観て自分がメイクできたら、直ぐに動画をSNSに上げて、また誰かに観られて賞賛してもらえる。

な、なんていい時代なんだ!

真面目な日本人の気質がレベルを上げた

スケボーのレベルって20年前に比べると、世界全体で格段に上がってる。
アマチュア、いや愛好家レベルでも、そのスキルは凄まじい事になっていて、その中でも日本人のレベルはヤバいことになってる。
それはオリンピックで金メダルを取ったことで証明された。

もともとはアメリカ発祥の遊びだったスケボー。
数十年前までは日本人のレベルは世界から見たらまだまだだった。

しかし今では世界のトップスケーターの中に日本人が何人もいる。
なぜ日本人がここまでなれたのか?
それは日本人特有の真面目さだと言われている。
真面目にコツコツ繰り返し練習ができる日本人の気質が結果に繋がっているようだ。

一方で、スポーツ的な要素が強くなり、難しいトリックが出来る事が賞賛される。
難しいトリック至上主義になっている。
勿論プロで大きな大会に出場するレベルならより難しいトリックをメイクできる方が優勝の確率は上がるだろう。

スタイルという概念とスケボー本来の可能性

スポーツ的な要素とは別にスケボー独自の概念が存在する。
それは「スタイル」だ。
スタイルとはそのスケーター独自の他に類を見ない滑りのことで、他の人がやらないトリックだったり、組合せだったり、更にファッションセンスなども加えた相対的なもなのだか、その滑る様が他人から見てカッコ良ければ、

「あいつ、スタイルあるな〜」

となる。
スケボーやらない人だと何とも理解し難いのだが、コアなスケーターはスポーツ的な要素よりもこのスタイルと言うものに魅力を感じ、自分のスタイルを求め確立しようとする。

そもそもスケボーは遊びであってスケーター同士のコミュニケーションツールでもあるので、スケボーが上手い下手よりも、自分の今のベストトリックをメイクした時にお互いを讃え合い、褒め合うそんな行為がとても気持ちが良いのである。

そこにスタイルが加わるとコミュニティの中でも一目置かれる存在になる。

例えばオーリーしないスタイルも存在するのだ。
オーリーとは現代的なトリックの基本である空中に板を浮かせ飛ぶ技だ。

この基本トリックをはなっからやらないスタイルのスケーターも存在する。

えっ!そんなんでどうやってスケボーするの?と思うかもしなれないが…

おいおいプッシュがあるじゃないか!
プッシュからスラッピーでグラインド系やスライド系トリック出来るじゃないか!
飛びたければボンレスがあるじゃないか!

実はオーリー出来なくても十分楽しむ事が出来るのが本来のスケボーなのだ。
滑り手の工夫次第で無限にスケボーの可能性を広げる事ができる。

オーリーの前にプッシュを楽しめ!

スケボー始めたらいきなりオーリー練習始めて、なかなか飛べなくて直ぐ挫折して、辞めちゃう人いるけど、それでは全くスケボーの楽しさを解らず終わっちゃうんだよね.

そうじゃなくて、まずはプッシュをマスターして、プッシュである程度の距離を移動出来るようになるだけでそれはもう楽しくなる。

次は道路の段差をトンと降りる練習。
プッシュしてきて段差をトンと降りられれば滑りに立体感が出る。
これだけで更に楽しくなる。
ここまで出来たらアナタはもう立派なスケーターだ!

オーリーの練習はここから始めるのが良いと僕は思っている。
スケボーの楽しさを知ってから、痛い思いや、思い通りにならない挫折感を味わった方が、長続きする。

逆にスケボーの楽しさを知らずに無理してオーリー練習して、ネガティブなイメージが付くともうやりたくなくなるからね。

スケボーって奥が深いから入口で引き返さないで、取り敢えず中に入って楽しさを知ってほしい。
オーリーは中に入って暫くしたとこにあるものだから。
それにオーリーはそんなに簡単ではないよ。
出来るまで時間かかるしね。

ますばプッシュ。
プッシュだって奥が深い。
片足でキックしながら進む方法。
パンピングで進む方法。
止まり方だって一つじゃない。

さぁプッシュの楽しさをしゃぶり尽くそう!

スケボーの上から見える世界

あぁ〜なんてスケボーってなんて捉え所が多いのだろう。

まだまだ語り尽くせそうにないが、最後にスケーターの目から見える世界の話しをしよう。

スケボーをやらない人は普段から見ている街並みは何の変哲もなく、興味すら湧かないだろう。

しかしスケーターの目に映る街並みはそうではない。常にスケボーが出来そうな場所を探して脳みそが動いている。

路面のチェックから始まり、何かトリックが出来そうな対象物を探している。

この階段をオーリーし、その下のベンチでノーズスライドしたら楽しそうだな〜とかね。

今はもうストリートで滑らなくなった僕でさえ、未だに目と脳みそが勝手に働き想像力を掻き立てられる。

スケーターは街を破壊するし、音もうるさいし、街に屯しては、ゴミを散らかす輩もいる。

だが中にはゴミ拾いをし、人が多い場所では滑るのをやめ、マナーを守ってスケートスポットを守ろうしているスケーターもいることを知ってほしい。

テレビでたまに流れる商店街の物を破壊したり、人通りの多い所でわざわざ滑たりと、彼らはまだ全然スケボーのことを解っていないし、自らの首を締めている事に全く気づいていないのは非常に残念でならない…

スケボーはカリフォルニアの海岸でサーファー達が波のない時に遊ぶ物として誕生し、それがアメリカの各地に広まり、街中でも楽しめるように各地のスケーター達がトリックを工夫し、ストリートで発展してきた。
なので想像力次第でまだまだスケボーの幅が広がるストリートスケートを全て排除しないでほしいと願っている。
なかなか理解してもらえないかもしれないが、まずはスケーター自身がマナーを守ることから始めないと永遠に理解されない。

せっかくオリンピックで金メダルを取ってくれた彼らのお陰でようやく市民権を得つつあるスケボーですから大切にしていきましょう。

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