透明人間になりたい

その日は激しい雨が降っていた

いつものように学校へ行こうと外に出たが、雨で前が見えなかった

私はその光景を見て強烈な感情に襲われた

目の前の殴るような強さで降る雨に

当たり続けたい

そして雨音でかき消されるほどの大声で

叫びたい

誰にも知られずに


だが、現実にはそんな事は出来ない

背後から、雨凄いけど大丈夫?という母の声が聞こえる


学校へ向かう途中

相変わらず雨は降り続けた

雨の中に溶けてしまいたいと思った

今すぐに自分の姿を消したかった

私の気持ちの行きどころは何処にもなかった


その日、私は誰も知らない場所に行こうと決めた


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