重賞考察【優駿牝馬】【平安ステークス】

大胆なタクトで掴み取れ
2つめのティアラと63年ぶりの夢

優駿牝馬

◎デアリングタクト

2007年東京優駿、一頭の牝馬が並み居る男馬を蹴散らして先頭でゴール板を駆け抜けた。

「64年ぶりの夢かなう!」アナウンサーの絶叫に込められた畏敬ともいえる大偉業を成し遂げた稀代の名牝ウオッカ。

あのダービーから13年の年月が流れ府中の女王もこの世を去った。

そして今年ウオッカがエルフィンSで持っていたレコードを更新し、ウオッカが悔し涙を飲んだ桜の舞台で道悪を最後方から撫で切り、オークスでウオッカも成しえなかった春二冠に挑む馬がいる。

デアリングタクト、ウオッカの再来。

再来の予感が確信へと変わった桜花賞から6週間、デアリングタクトと松山弘平が目指すのは単なるオークス馬ではない、1957年のミスオンワード以来63年間果たされなかった「無敗の牝馬二冠馬」である。

デビューからの三連勝はいずれも右周りの1600mでオークスは左回りに替わり距離も2400mに伸びる、さらに地元関西から初の東京遠征もあり乗り越えなければいけない点は多いように一見思われる。

だが、ここまでの三戦で見せたポテンシャルを考えれば自ずとクリアできる課題だと当方は断言する。

三歳の牝馬で2400mがベストだという馬はまず存在しない、問われるのは最後の直線まで集中して走る事とスローで流れた際に上手く折り合えるかといった二点だ。

桜花賞でも逃げたスマイルカナをぴったりとマークして追走したレシステンシアが作ったややハイ寄りのペースを後方で落ち着いて脚を貯め、引っ掛かりそうになる場面もあったが鞍上がすぐに落ち着かせて事なきを得ていた。

懸念があるとすれば長距離輸送でテンションが上がって入れ込むといった点だが、これは栗東所属馬が関東圏のG1を目指すのなら乗り越えなければいけない絶対の課題である、こればかりは当日の気配を見ずには判断できないが、他の有力馬にも関西馬は多く含まれており条件はイーブンだ。

距離に関しても父は重馬場のジャパンカップを圧勝したエピファネイア、スタミナで見劣る事はない。

週末まで降り続く雨も桜花賞のような荒れた馬場を再現する事となり、マイルで1分30秒台で決着するような超高速馬場から少し時計のかかる馬場となるのであれば、もはや勝利は揺るぎようがない。

相手も桜花賞のメンバーとはすでに勝負付けは済んでいるであろう、別路線から来る組との兼ね合いがポイントとなるがいずれもデアリングタクトのエルフィンS程のインパクトはなかった。


先週のVMでも大外枠からサウンドキアラを二着に導いた松山Jにも不安はない、次の関西のエースとしてここで63年ぶりの夢をともに掴む瞬間が来ることを信じている。


枠の後押しもある、父方の祖母シーザリオがオークスを、父エピファネイアがジャパンカップを制した2枠4番に入ったのは何かの偶然だろうか。

単なるこじつけと言われればそれまでだが、そこに不思議な縁を感じた方が面白いと当方は考えている。

ここはあくまで通過点。

全ての舞台は整った、頑張れ!デアリングタクト&松山J

平安ステークス

◎ロードレガリス

〇スワーヴアラミス




G1馬が顔を揃えた豪華な一戦となった平安ステークス。

連勝の勢いに乗るロードレガリスを本命とする、スワーヴアラミスはレガリスに同舞台で敗れた後に重賞制覇、能力の裏付けは取れている。

ゴールドドリームとオメガパヒュームが人気の中心となるが、ここは見送った。

ゴールドドリームは昨年末での引退予定を撤回して中東での連戦からの帰国初戦となる、ここ数年のダート戦線の中心に常に君臨してきたが流石に衰えは感じつつある、1900メートルも今では少し長いのかも?と判断した。

オメガパヒュームは次走の帝王賞がメイチでここは明らかな叩き台、地方ダートでは無類の強さを見せるが中央では取りこぼしもある馬で59キロを背負わされるのも歓迎できない。

二強のうちどちらかは馬券に絡むと考え、◎→〇のワイド一点で勝負したい。








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