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できることを。

 北海道の高校3年生にとって、今年は試練の年となった。

 多くの学校は9月末までの学校祭等の行事を自粛という通達に従って、相次いで中止の判断となるはずだ。多くの生徒は6月までの大会で完全燃焼し、7月の学校祭を謳歌して、夏休みに入るまでの期間で受験生になっていく。その大会と学校祭がない、今年。どのようにして前を向くべきなのだろうか。
 学校の先生という立場からすると、「仕方ないのだから、次にいくしかない」という進路指導へ向かう姿勢を促さなければならない責任と「どうにか最後に形に残るものを残してやりたい」という思いとで葛藤が生まれる。生徒に何かを残すにしても7月から始まる公務員試験、9月には民間就職、10月は推薦入試と、どんどん時は進んでいく。実行までに時間はない。

 分散登校の際、当事者である3年生に「9月入学制」についての可否を聞いてみた。賛成反対ともに五分というところか。それを決めるのは結局は行政・立法機関であるのだから、この先に自分たちが納得できるように「国政選挙に行くんだぞ」という話で終わった。

 私は家庭科という教科を担当しているので正直、受験というものにプレッシャーを感じていない。それが良いか悪いかは別の話として、今、生徒が活躍する場が無くなってしまった現状で、何ができるのか。
 「そうだ、学校家庭クラブ活動(以下、家庭クラブ)をうまく使えないか」という結論に至った。家庭クラブは、部活動ではなく教科の指導内容の一つだ。特に、令和4年(2022年)度から始まる新学習指導要領において、共通教科「家庭」では、その指導内容の1/4を占める。
 今年度いくつか取り組みを実践していくことを念頭において現在、準備中だ。分散登校が終わり、通常登校に戻った際には、生徒たちが活躍できる場を生徒たちと作っていきたい。

 その取り組みの内容も形になったら、こちらで紹介していく予定だ。